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念願の企画が実現!
今回は、氷魚本人待望の「暗渠(あんきょ)めぐり」が実現! でも、暗渠ってそもそも何? いったいどこが面白いの? これを読めば、そんなディープな暗渠の世界へ、きっとキミも今すぐ迷い込んでしまうはず…。
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本当は、この連載を
毎回「暗渠めぐり」で
やりたかったんです(笑)
突然ですが皆さん「暗渠」ってご存じですか? 川の上にフタをした水路。簡単に言うと、それが暗渠です。僕が川好きということは今までも語ってきましたが、地上からは見えないけど、確かにそこに流れている…そんな見えざる川=暗渠も、実は個人的に大好きなんですよね。今回はわがままを言って(笑)、そんなディープな暗渠の魅力をクローズアップすることにしました。連載史上、最もマニアックです(笑)。とはいえ、自分の知識はまだまだなので、暗渠に関する著書を多数出されている専門家(?)の髙山英男さんにナビゲーターとしてご協力いただきました。ムービーでは、たっぷり暗渠について教わっています!
髙山「初めまして、髙山です。教えるだなんてとんでもない。宮沢さんの豊富な知識に、私も驚かされました。メンズノンノ読者の皆さんはなかなかなじみがないかもしれませんが(苦笑)、実は暗渠は日本全国、いたるところで身近な場所に存在しているんですよ」
氷魚「渋谷のキャットストリートも、実は暗渠ですもんね?」
髙山「さすが、お詳しい! 今回は暗渠界では有名な杉並~中野区を流れていた桃園川のルートを巡りましたが、キレイに整備された(ページ下部の写真の)この遊歩道も実は暗渠だったりするんです」
氷魚「遊歩道の入り口に、橋の跡がありましたよね。きっと『この川の存在を忘れてほしくない』という誰かの思いで意図的に残されているんだろうなって、そんな想像に胸が膨らみました」
髙山「この桃園橋は、ちょうどこの春に工事で撤去されてしまうそうです」
氷魚「え!? じゃあ、この記事が出る頃にはなくなっているかも…なんてもったいない。でも、今日、最後に出会うことができてよかったです」
髙山「そういう儚(はかな)さも、暗渠の魅力です。舗装された遊歩道もそうですが、一方で板状のコンクリートで上からフタをしただけのような暗渠もある。そういう、プリミティブな暗渠にグッとくるファンもたくさんいるんです。まさに今回、一緒に歩いた(ページ上部の写真の)通称“暗渠ラビリンス”がそうですね」
氷魚「まるで迷路のような細道でしたね。今日歩いた道の下には今でも水が流れていることがあって、かすかにまだこの下で川が生きているんだ…と、歩きながらその“尊厳”みたいなものが足の裏から伝わってきました」
髙山「感性が鋭いですね。暗渠は、日本の高度成長期に生活排水のにおいや衛生面から川にフタをした、という成り立ちがあります。なので、よく見ると左右の家も多くが背中を向けて建てられているんです。その佇まいに、なんだかもの悲しさを感じませんか?」
氷魚「川は人の生活を豊かにしてきたのに、いつの間にか人間のある意味犠牲になって、このようにフタをされてしまった。でもその存在を知れば、敬意を表することができると思うんです」
髙山「僕は常日頃から、『誰もが心の中に暗渠を抱えている』と言っていまして…。人の気持ちは川のように移ろい変わっていくものですが、誰しもそこにフタをしたい瞬間がきっとある」
氷魚「本当にそのとおりだと思います。表に出したい感情を、自分の中で抑えている部分って誰にでもありますからね。深いなぁ…暗渠」
髙山「今回、訪れたのは数ある中のほんの一部。都内だけでなく、埼玉にも横浜にもユニークな暗渠はあります」
氷魚「横浜、いいですね! 好きな街なので横浜で暗渠めぐりっていうのもイイかも。ぜひこの連載で、もう一度暗渠めぐりをしてみたいです! メンズノンノのOKが出れば、ですけど(笑)」
暗渠めぐりのような、街角知的探訪には、こんなビッグシルエットのボタンダウンシャツがよく似合う。レギュラーのサイズ感より、身幅がたっぷりデザインされているから、品のよさはキープしつつ、よりアクティブなイメージに着こなしをシフトしてくれる。いつもの胸もとではなく、さりげなく裾に入ったおなじみのワンポイントロゴも、ファッションのムードを後押し。
シャツ¥18,700・パーカ¥24,200・帽子¥8,800(すべてポロ ラルフ ローレン)/ラルフ ローレン パンツ(イズネス)¥24,200/アルファ PR スニーカー¥14,200/ニューバランス ジャパンお客様相談室 その他/スタイリスト私物
マニアック過ぎる二人の
止まらないトークはこちら!
Photos:Tohru Yuasa Hair:Taro Yoshida[W] Stylist:Takanori Akiyama Title logos:Moeko
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