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松居大悟が手がける最新作で、成田凌が主演を務める。以前よりお互いの存在が気になっていたという二人が、出会いから今作の舞台裏までゆるっと語る。
『男子あるあるフォーエバー』
下ネタを話してまったりしてる
6人の化学反応が物語を支えた
成田 5年くらい前かなぁ、尾崎世界観さんと飲んでいるときに、松居さんが撮っているクリープハイプのMVがすごくすてきだから、出たいって伝えてと言ったら後日「知らねぇ」と返ってきて。それでも懲りずに(笑)、松居さんの作品を観続けていました。
松居 あはは、そんなこともあったのかな。僕も成田くんに注目してた。出演作品を観ていて、どういう理屈でお芝居をしているか、何を考えて演じているか、画面を見るだけだとわからない人だった。役者として興味深い。あと、なにかの番組で大好きなタオルケットについて力説していて、変な人だなぁって(笑)。その後、映画の出演をお願いしていたら、自分のやっている劇団ゴジゲンの舞台を観に来てくれて、終演後に少し話をしたんだよね。
成田 初めて会ったその2日後に飲みに行きましたね。お芝居の話をはじめ、映画とか音楽とか話してすごく楽しかったです。でも、もうできない。
松居 もう恥ずかしいよね。
成田 お互いに恥じらいが生まれる関係になってしまった(笑)。
松居 4、5時間話しても、結局成田くんのことはつかめなかったけど…。
成田 (笑)。こういう時間がこの作品にすごく生きていると思う。撮影に入る前に、みんなでリハーサルをやったんです。ダンスの練習をして、その後に飲みに行くという流れ。いろいろな役者と芝居をするとき、絶対にちょっとだけ遠慮が入ってくるんだけど、おかげでそれがなかった。個性や立ち位置を持った仲間の群像劇なので、こいつにはこういくとか、こういうときこいつの近くにいるとか、言動が自然と芝居につながっていきました。
松居 そうだね、自然というか、みんな集合時間に来なかったり、リハーサルをちゃんとしなかったり。
成田 撮影初日の集合時間に誰もいないとか、奇跡の映画ですよね(笑)。
松居 休憩から再開する時間になっても、ずっと下ネタ話してダラダラしてるし。そうなると「よっしゃ、このシーン稽古しようぜ」っていうのも恥ずかしい(笑)。でも、そうやって過ごした1週間がよかった。こういう芝居になるだろうと考えて撮っていなくて、現代のシーンは一連の長回しなので、どれも6人の化学反応の連続だった。
成田 そのはっきりさせないところがこの物語には大切だったんだと思う。
松居 うん。飲み会のシーンで、本番中ノンアルコールビールを飲んで吐いちゃう人もいたしね。でも周りがツッコんでるから、カメラは止めない(笑)。そういえば、みんなで決めたルール、「この作品の入っている期間はアレを我慢する」はどうなってるのかな。
成田 あはは。僕は守ってますよ。
松居 そうなんだ、僕はね…。
成田 いや、雑誌で詳しく書けないし、はっきりさせないでおきましょ(笑)。
『くれなずめ』
吉尾(成田凌)をはじめ、高校時代の帰宅部仲間がアラサーになり、友人の結婚式で再会。余興でだだスベリした6人は、二次会までの短い間に思い出に浸るが、ある日突然アノ友人が死んだことを認めようとはしなかった…。
●監督:松居大悟 出演:成田 凌、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹、高良健吾
●4月29日より、全国公開
Daigo Matsui
1985年11月2日生まれ、福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰。代表作は映画『私たちのハァハァ』『アイスと雨音』『君が君で君だ』など。現在、映画『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』が公開中。
プロフィール & 近況報告
映画『まともじゃないのは君も一緒』(前田弘二監督)、『街の上で』(今泉力哉監督)、『ホムンクルス』(清水崇監督)が絶賛公開中。4月29日公開の映画『くれなずめ』、松居監督と最高のキャストと一緒にすごい作品つくりました! 引き続き、朝ドラ『おちょやん』の天海一平、がんばってます!
[成田]スウェット(ブラックウィドー)¥24,200・パンツ(Cycle by MYOB)¥11,880/コンコード ショールーム 靴(ルメール)¥72,600/エドストローム オフィス
Photo:Teppei Hoshida Hair & Make-up:Motoko Suga Stylist:Shogo Ito[sitor] Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi
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