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REVIEW
BOOK
『星に帰れよ』
新 胡桃
河出書房新社/¥1,300
翔は16歳になった深夜0時、公園で夜空に向かい愛の告白の練習をしていた。そのちょっぴりキモい姿を目撃していたのは、クラスでいつもおどけているモルヒネというあだ名の女子。実は翔がコクろうと思っていたのはモルヒネの親友だった。高校2年生が書いた文藝賞優秀作。渦巻く感情を言葉に換えて投げ合う高校生たちがリアルだ。
『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』
与謝野
光文社/¥1,000
ルールを決めて毎日コンビニに通った100日+α(プラスアルファ)の記録。ルールはビスコだけを買うこと、レシートを必ずもらうこと、話しかけられるまでこちらからは話しかけないことなど。通い続けるうち、客と店員という決まり切った関係からずれ、ほんの少しだけ血の通った交流が生まれる。ささやかなアイデアで日常が変化していく様子が感動的。
『あなたはブンちゃんの恋』1巻
宮崎夏次系
講談社/¥650
「僕」はずいぶん前に死んだ幽霊。友達だったブンちゃんのそばにずっといる。彼女はもうひとりの幼なじみ三舟さんが好き。でも三舟さんに気づく気配はない。見守ることしかできない幽霊と、三舟さんへの思いをあきらめきれないブンちゃん。思いを断ち切るために暴走するブンちゃんが愛(いと)しい。生きることに不器用なブンちゃんに幸あれ。
MUSIC
ライ
『ホーム』
性別不明なヴォーカル、そして落ち着きのあるソウルフルなサウンドが、心地よい瞑想(めいそう)を与え、日本でもフジロック出演などで話題を呼んだ音楽プロジェクトの新作。今回は、80年代のマイケル・ジャクソンのようなポップでダンサブルなサウンドを駆使した楽曲など、「家」で体を揺らしたくなるような穏やかなグルーヴが目立つ仕上がりに。
(キャロライン)
夜の本気ダンス
『PHYSICAL』
ロックの持つ踊れる要素をちりばめたサウンドが人気の4人組バンドの新作は、全6曲入りのミニアルバム。彼ららしいダンサブルな要素が満載でありながらも、グランジやサイケデリックなどさまざまな要素を取り入れて、バンドの持つ熱を大放出。思うような活動や生活ができなかったこの1年のモヤモヤを吹き飛ばしてくれるだろう。
(Getting Better Records)
BLACK HONEY
『Written & Directed』
2016年のサマーソニックに出演し話題を呼び、またロベルト・カヴァリのコレクション音楽を担当するなど、ファッション界からも注目されている英国出身バンド。最新アルバムは、ノイジーなバンドサウンドと、女性ヴォーカルの切れ味鋭いシャウトが光る。背筋をピンとさせ、未来へと全力疾走させてくれる力を与えるロックンロールだ。
(Fox Five Records/輸入盤)
MOVIE
『花束みたいな恋をした』
菅田将暉と有村架純が「最高の5年間」を過ごした恋人役で共演する珠玉のラブストーリー。東京の空の下でバイトや同棲(どうせい)、就活など、20代の大切な時期を共にしたふたり。『Woman』や『カルテット』などテレビドラマの名作を数多く生み出してきた脚本家・坂元裕二が現代の時代風景をリアルに踏まえて描き出す。甘酸っぱさと切なさで号泣必至の物語が誕生した。
●1月29日より、全国公開
©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
『キング・オブ・シーヴズ』
ロンドンの宝飾店街で起きた大規模な金庫破り。犯人は平均年齢60歳以上のシニア集団だった。『ダークナイト』の執事役などで知られる名優マイケル・ケインら、英国を代表するベテラン俳優陣が競演。型破りな7人の男たちが史上空前の強奪を計画する、実話をもとにしたクライムムービー。劇中を彩る60’sロックも渋く、ジイさんたちのかっこよさにしびれる!
●1月15日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
©2018 / STUDIOCANAL S.A.S.-All Rights reserved
『天国にちがいない』
中東パレスチナの鬼才、エリア・スレイマン監督の新作。彼が自ら演じる主人公はESという名の映画監督。彼は企画を売り込むため、故郷からパリやN.Y.へ旅をする。混沌(こんとん)が渦巻く世界の中で、現代人のアイデンティティを問うお話。哲学的で軽やかなユーモアと、鋭い風刺精神に満ちたコメディだ。2019年カンヌ国際映画祭で特別賞と国際映画批評家連盟賞をW受賞。
●1月29日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
©2019 RECTANGLE PRODUCTIONS – PALLAS FILM – POSSIBLES MEDIA II – ZEYNO FILM – ZDF – TURKISH RADIO TELEVISION CORPORATION
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[BOOK]Text:Kenji Takazawa
[MUSIC]Text:Takahisa Matsunaga
[MOVIE]Text:Naoto Mori
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