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スニーカーはおしゃれ男子の必須アイテム。名品スニーカーの歴史や変遷を解説する連載の第6回は、ハイテクスニーカーの象徴としてエアマックス95と双璧をなすリーボックのインスタポンプフューリー。2020年に35周年を迎えて話題のクラブシーについても解説。
リーボック
インスタポンプフューリーの歴史
斬新なデザインとカラーリングで
人々を虜に!
イエロー×レッド×ブラックの配色でおなじみのファーストカラー、通称“シトロン”は復刻されるたびに完売を繰り返す。
インスタポンプフューリーは1994年のランニングカテゴリーのトップモデルとして発売された。スニーカーのハイテク化が進む中で登場した斬新なデザイン、奇抜なカラーリングはある意味、エア マックス 95以上の衝撃。そのテクノロジーにも熱い視線が注がれた。シューレースはなく、アッパーのPUMPボタンをプッシュして空気を注入し、フィット感を調整するというシステム。
「ザ・ポンプ」発売当時の広告。ポンプシステムが詳細に記されている。
ザ・ポンプテクノロジーはリーボックが開発したフィッティングシステム。1989年に誕生したこのテクノロジーは、バスケットボールシューズ「ザ・ポンプ」に搭載された。アッパー内部の空気室に適量の空気を送りこむことで足にぴったりとフィットさせることに成功。この画期的なシステムはクロストレーニングやテニスといったほかのカテゴリーにも搭載され一世を風靡する。
ポンピングをビジュアル化した当時の広告。このパフォーマスが話題に。
1991年にはNBAオールスターズのスラムダンクコンテンストにおいて、ボストン・セルティックスのディー・ブラウンが優勝を果たすが、独自性のある目隠しダンクのパフォーマンスとともにポンピング(空気を注入する動作)が全米に中継され、「ポンプオムニゾーンⅡ(着用バッシュ)」が大ヒットを記録。同じ年、テニス界でも「ポンプ コートビクトリー」をはいたマイケル・チャンが活躍し、ポンプがリーボックの代名詞的存在に。
1994年のインスタポンプフューリーの広告には専用インフレーターも紹介されている。
ランニングシューズの上位モデルとして1994年に登場したインスタポンプフューリーは、空気室そのものがアッパーの一部としてデザインされている。専用のインフレーターで圧縮炭酸ガスを注入して瞬時にカスタムフィットできる「ザ・ポンプテクノロジー インスタポンプ」システムを搭載。トップアスリートに向けたハイテクモデルだったが、当時のファッションアイコン、ビョークが着用して雑誌の表紙を飾るなどファッションシーンで脚光を浴びる。そうしてハイテクブームを象徴するスニーカーとして不動の地位を確立。
通常“シトロン”と言われるファーストカラーはプレミアとなり、ナイキのエア マックス 95と同様に高額で取引された。1997年には香港返還記念として類似配色が発売され、こちらも高騰。2001年のシャネルのコレクションにコラボモデルが登場したことは、もはや伝説的エピソードだ。20周年となる2014年に初めて、 “シトロン”の完全復刻版が発売された。
リーボック クラブCの歴史
リーボックの裏定番といわれる
コートシューズ
発売当時のクラブC。クラシックなルックスが今また新鮮。パイル地のライニングも斬新だった。
2020年に35周年を迎え、さまざまなコラボレーションが展開されたクラブC。1985年にテニス専用としてデビューしたリーボックのコートシューズだ。シンプルかつクラシックなデザインの裏定番としてファンも多く、2017年にはファッションアイコンでもあるラッパー、ケンドリック・ラマーとのコラボモデルが発表されたことでも話題を呼んだ。
“ユニオンジャック”を大胆にあしらった当時のボックス。アッパーのロゴの横にも国旗のアイコンが入っていた。
リーボックはイギリス発のブランドだが、1979年から本格的にアメリカに進出。1982年にはガーメントレザーというやわらかい衣料用天然皮革を使用したエアロビクスシューズ「フリースタイル」が全米で大ヒットし知名度を上げる。クラブCもガーメントレザーによる快適なはき心地とグリップ性の高さで当時のテニスシーンでブレイク。ちなみにモデル名の“C”はChampionを意味し、世界的な高セールスをマークした。
「GLITCH(グリッチ)」コレクション
さまざまな発想やコンセプトでアップデートされるインスタポンプフューリー。最新コレクションは昨年12月に登場した「グリッチ」。「グリッチ」はゲームやネット上でのバグや誤作動を意味する言葉。デジタルに関する2つのコンセプトでデザインを発展させ、アーティストとのコラボでスニーカーを擬人化するなどユニークな展開も見逃せない。インスタポンプフューリーのDNAを持つ新型、モデルFもお披露目された!
インスタポンプフューリー
OG_ FILTERED EFFECT
「FILTERED EFFECT(フィルター効果)」はソーシャルメディアで使われる“フィルター”に着想した立体的なジャカード織りが特徴。
インスタポンプフューリー
OG_ THE NETWORK
「THE NETWORK(ネットワーク)」はアプリやゲームのアイコンに着想したグラデーションやネオンカラーの差し色がポイント。
モデル F_ THE NETWORK
インスタポンプフューリーを今の時代に合わせて再解釈したデジタルデザイン。
スニーカー(リーボック)¥14,000/リーボック アディダスお客様窓口
インスタポンプフューリー
「バリスティックパック」
耐久性に優れたバリスティックナイロンをアッパーに採用したワントーンモデル。トレンドカラーとしても注目のベージュとグレーをラインナップ。ソールは白で抜け感があり、モードな着こなしの足もとにぴったり。
インスタポンプフューリーブースト
リーボックのアイコンスニーカーにアディダスの革新的テクノロジー、ブーストを搭載! 25周年記念として発売され話題をさらったインスタポンプフューリーブースト。2020年8月には90年代の歴代名作カラー、通称“トリコロール”が登場。2ブランドのロゴをあしらったセンターバンドが目印。
「リーボックエイティーワン」クラブC
リーボックエイティーワンは、ヴァイナルアーカイブのデザイナー、大北幸平氏がデザインを手がけるコレクション。2020年春夏に始動し、この秋冬が2シーズンめ。新作アパレルとともにクラブCがラインナップされた。レザー、ヌバック、メッシュの異素材コンビに、レギュラーモデルにはないヒールカウンターでアクセントをつけている。プレミアムな白と黒の展開。
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問い合わせ先
リーボック アディダスお客様窓口(TEL:0570-033-033)
リーボック公式オンラインショップ
reebok.jp
岸本ルーク(メンズノンノモデル)
リーボック インスタポンプフューリー
「インスタポンプフューリーはリーボックの中でも一番好きなスニーカー。ハイテクスニーカーのクラシックとしての存在感はもちろん、サイズ調整がしやすくて、軽さ、クッション性、ソールの厚さなどすべてにおいて完璧です。コラボ、別注も多くていつもチェックしています。ストリートコーデの足もとにも欠かせません。古着のチェックシャツとパンツにエクストララージのジャケットと、最近のお気に入りスタイルにもこの通り。要所に黒を入れてきれいめな印象にしています」
「このポンプ ドットは日本を代表するミタスニーカーズとのコラボモデル。奇抜なデザインですが黒×白のカラーリングでシックに見えるので、いろんなスタイリングに合います。10年くらい前に買いましたが、いまだにスタメンとして愛用しています」
野村大貴(メンズノンノモデル)
リーボック インスタポンプフューリー
「定番スニーカーが欲しくて探していた1年半前、まわりはナイキのエア フォース 1とかアディダスのスタンスミスをはいている友だちばかりでした。ちょっと違うチョイスがしたくて買ったのがインスタポンプフューリー。色も個性的で、かつ自分の服と相性のいいバーガンディに。紫系統の色が好きなので、コーディネートに派手なムードを添えたいなと思う日はコレ。きょうはメゾンスペシャルのモヘアカーディガンと色を合わせました。ダークパープルのコーデュロイパンツはラッド ミュージシャンです」
「ゴツめのスニーカーファンにはたまらないフォルムですよね。僕にとっては戦隊モノのロボのような魅力があって、すっごく惹かれます。遊び心がありつつハイテク感があって、モードにも振れるルックスだと思います」
吉岡玲欧さん(ユナイテッドアローズ原宿本店 セールスマスター)
リーボック クラブC
「数年前に古着屋でこの配色のクラブCを見てから、ずっと探していました。最近このカラーリングの復刻モデルが出たのでさっそく購入。ユナイテッドアローズ&サンズのネイビーブレザーにフランス軍のヴィンテージパンツと古着スウェットという往年のアイビーコーデをキャピトル×バイボレのベストでアップデートしつつ、足もとにはクラブC。最近はトラッドやクラシックが気分なので、きょうみたいなコーディネートに合わせることが多いです。足もとがクラブCだと、アメカジもどこか洗練されるんですよね」
「リーボックは唯一このスニーカーだけなんですが、クラシックで定番的な形と上品な配色はイギリス出自のブランドらしくて気に入っています」
※価格は全て税別です。
Composition&Text:Hisami Kotakemori
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今さら聞けないスニーカー基本のき!