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新型コロナウイルス感染拡大により、僕らの恋にも変化が──。いわゆるwithコロナ時代における恋愛を徹底リサーチし、新しい生活様式に慣れつつある現在と、これからの在り方を探る。今月はカップル編、来月はシングル編の2部構成です!
カップルリアルレポート
僕たちの今までと、これから
会いづらくなった自粛期間、その後の今。乗り越えたことや現状をおつき合い中のカップルにインタビュー!
case 1
遠距離恋愛。
話し合いで将来を考え始めた
斎藤春香さん(仮名)
25歳・美容外科事務
吉田雄人さん(仮名)
27歳・イベント企画
data
- おつき合い歴8か月
- 関東と関西の遠距離
- 知り合って2年目
- 自粛期間中は二人とも仕事が減った
将来のための貯金と料理で
できるだけポジティブに過ごした
東京と大阪の遠距離恋愛。二人はコロナのせいで、3か月間会えなかったそう。
「遠距離というだけでそもそも寂しいのに、“絶対に会えない”という状況になり、不安が増しましたね。緊急事態宣言が明けた後も、“すぐ県境を越えるのはよくないよね”という話し合いのもと、しばらくはオンラインでのやりとりのみ。つらかったです」(春香さん)
しかし、雄人さんは会えなくて寂しい気持ちをポジティブに変えようとしたそう。
「状況的に、会えないのはしょうがないので、“コロナが落ち着いてからの将来を楽しくすることを考えよう”と提案しました。例えば、“せっかくお金を使う機会が減ったのだから、同棲(どうせい)のためのお金を今から貯(た)めよう”とか。お互いコロナのせいで収入が減ってはいましたが、支出も減らせるタイミングだったので。あとは、一緒に暮らしたときのために、僕が料理を練習して、報告したり。ネガティブに考えるとケンカが増えてしまいそうなので、ポジティブに動きました」(雄人さん)
「同棲したいと思っていたのですごくうれしかった! そう言っていたものの、遠距離なこともあり、現実的には考えられなかったんです。でも、彼が貯金や料理を始めてくれたことで、話も進んで……。おかげで会えなくてもネガティブにならなかったし、ケンカもありませんでした」(春香さん)
移動を減らし
1回に会う時間を長めに取る
現在は会えるようになったものの、デートはソーシャルディスタンスを意識している。
「もともとは月3回ほど、土日など連休を使って会いに行っていました。今は移動を減らすため、月1回まで頻度を減らし、3連休が取れるときだけ。デートの場所も、どちらかの自宅やホテルにこもることが多い」(雄人さん)
「私は接客業で周りの意識が高いので、“彼がいる大阪に行く”とまだ言いづらいのも少しつらいです。でも、会えるようになったうれしさのほうが大きいので、これくらいのことはしょうがないと思えています」(春香さん)
case 2
コロナ中に交際をスタートした
ことはプラスかもしれない
金沢ゆりさん(仮名)
23歳・大学生
山下 翔さん(仮名)
20歳・大学生
data
- おつき合い歴5か月(自粛明けから)
- 神奈川県在住、お互いの家は徒歩圏
- 同じ大学の先輩後輩
- 大学の授業はリモートに
自粛中に仲よくなれたのは
徒歩圏に住んでいたから
つき合い始めたのは緊急事態宣言が明けてすぐ。自粛中に仲が深まったのだとか。
「実は、去年からずっと彼女に片想いをしていて……。振られたけれど諦められず、そのままコロナ禍に突入。僕たちの家は徒歩圏で、人が少なくて自然が多い地域だったんです。これはチャンスかもしれないと、彼女を散歩に誘うとOKの返事。他にやることもないので、週に何回か二人で散歩するようになりました」(翔さん)
「家族以外の誰にも会えず、少し気持ちが落ち込んでいたので、同じ大学の彼と会えるのは支えになりました」(ゆりさん)
イレギュラーな状況での行動で
彼への信頼感がUP→恋人同士に
おつき合いの決め手は、翔さんの思いやりを感じられたことだと話すゆりさん。
「徒歩圏と言っても、少し頑張らないといけないくらいの距離。でも、いつも彼が私の家まで歩いてきてくれた。私に負担がかからないようにしてくれたんだと思います。“大変なときでも私のことを考えてくれる人なんだな”と惹(ひ)かれました。イレギュラーなときの行動には、人柄が出るので……」(ゆりさん)
つき合う前から
コロナへの考え方を話し合えた
コロナ流行後のおつき合い。衛生観念や価値観が先にわかっていたこともよかった。
「コロナに関する考え方がつき合う前にわかっていたので、すり合わせは必要ありませんでした。周りにはコロナへの考え方でもめて別れたカップルもたくさんいます。ソーシャルディスタンス前提でおつき合いが始まっていることは、プラスになっていると思います」(翔さん)
また、大学生ならではのつらさも、二人でいることで和らいでいるそう。
「大学の授業はまだリモート。社会人は働いていて、中・高生は学校が始まっている中で、なんで大学生だけが? と悔しくなることもあります。でも、同じ状況の彼がいること、その彼と一緒にリモート授業を受けられることで、“仕方ないか!”と思えています」(ゆりさん)
Illustrations:Kazuhiro Tateno Composition & Text:Miki Higashi
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