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日本・韓国・アメリカ・カナダと多様な国籍のメンバーで構成され、抜群のパフォーマンス力と表現力、そしてセンスの高い楽曲が世界中で評価されている男性ダンス&ヴォーカルグループ「NCT 127」。この連載では、個性豊かなメンバーたちが考える“自分のスタイルとは”を、ファッションをはじめ自身を表現するうえでのポリシーや、これからの展望など、あらゆる角度からひもとくというメンズノンノならではのアプローチでお届けしていく。丁寧に書かれたメンバー全員の事前アンケート、東京とソウルを結ぶオンラインインタビュー、彼ら自身から提供された撮り下ろしのプライベートショットなどスペシャルな内容で構成し、コロナ禍で取材が困難な中でもポジティブに制作を進めている。今の“マイスタイル”を語ってくれる6人目のメンバーは、JAEHYUN(ジェヒョン)。穏やかな空気感を大切にするようにゆっくりと話す中に、情熱や挑戦心のこもった力強いコメントが煌めいていた。※このインタビューにおいて、ジェヒョンさんは韓国語でお話をされました。日本語で話してくださった箇所があり、そちらは(日本語)と記載しています。
ジェヒョンは、知れば知るほど好きになる?
「こんにちはージェヒョンです! あぁ~、皆さん(日本のNCT 127スタッフ)もいらっしゃいますね。本当に会いたいです」
――ジェヒョンさん、本日はどうぞよろしくお願いします。
「よろしくお願いします」(日本語)
――アンケートをとても丁寧に書いていただき、ありがとうございます。情熱的なコメントにあふれていて、いろいろなお話が聞けそうで楽しみです。
「はい、ありがとうございます!」
――まず、最初の質問である“初めて会う友人への自己紹介のように、自身のことを伝えるならば?”という箇所に、『知れば知るほど好きになる人』と書いていただいています。自分のことをそんなふうに紹介できるのはとてもすてきですね。
「そう書いた理由は、最初から自分のすべてを見せるよりも、相手の方に自分のことを自然に知っていってほしいと思うからなんです。初めに全部見せるのではなく、少しずつ僕のことを目にしていく中で、どんな人なのかというのを自然とわかっていってもらえればという思いで、そう書きました」
――では、「第一印象と違うね」と言われることも、結構ありますか?
「ふふ、どうですかね…第一印象と違うと言われることもあれば…違わないと言われることも両方あります」
――ミステリアスですね。まさに、どんな人か知りたくなるような返しです。そして、編集部としてはとてもうれしい回答も見つけました。ジェヒョンさんはファッションがとてもお好きだそうですが、“自分にとってのお気に入りはどのように見つけますか?”という質問に『ずっと探しています。雑誌もよく読みます』と答えていました。メンズノンノの読者も共感するポイントだと思いますが、いつもどんなものを読んでいるのか、お伺いしてもいいですか?
「僕は特に、ラグジュアリーブランドのコレクションの記事を読んでいます! そういったものはスマホでもチェックしていて、雑誌のウェブサイトだったり、ブランド別やシーズン別にスタイルがソートできるようなアプリを入れていたりもします。ファッションの情報が多いメディアはよく見ていますね」
――この連載が掲載されているメンズノンノウェブにも、本当にたくさんファッションの記事が掲載されています。もちろんコレクション情報も! よろしければ見てみてください。宣伝ですみませんが(笑)。
「はい、それはもちろん! ぜひ見ますね~!!」
――ありがとうございます。
心に残る、美しい風景は?
――新型コロナの影響で、コンサートなどオフラインでの活動や渡航が難しい状況だと思います。ジェヒョンさんをはじめ、NCT 127の皆さんが最後に来日してから少し時間が経っていますが、次に来日したらやりたいことは何ですか? 前回のジャパンツアーで印象に残っていることも、あわせて教えていただきたいです。
「まず日本に次に行ったらしたいことは、当然ツアーですね! とにかくツアーをぜひやりたいというか…“公演がしたい!”という気持ちが強いです。あとは、僕は日本の食べ物がとても好きなので、ツアーでいろいろな土地を回りながら、おいしいものをたくさん食べたいなと思っています。そして2つ目の質問について。これは、公演の中で客席のほうをトロッコで回るという演出をしたときのことですね。僕たちメンバーがトロッコに乗って、会場の皆さんのすぐそばまで行ったのですが、そのときにすごく幸せな気持ちになったんです。そしてそれが本当に強く印象に残っているんですよ。僕にとってのジャパンツアーのいい思い出ですね」
――こちらもすべての公演を観たわけではないのですが、MCの際にジェヒョンさんはその土地その土地のよかったところやきれいだと思った風景を、自分の言葉で伝えているのがすてきだなと思いました。
「わぁ……ありがとうございます」
――北は北海道から南は福岡まで、1stツアーとアリーナツアーを合わせて日本の9都市を回られましたが、特に思い出深い景色はありますか。
「そうですね。最初に思い浮かぶのが、桜の道がずっと続くのを見ることができた、東京の街です」
――ちょうど桜の季節に東京に来ていましたね。
「はい。あれは目黒川の辺りだよと、今スタッフさんに教えてもらいました。あそこは本当によかったですね。きれいな桜の咲いている遊歩道が続いていて。あと小樽の景色もすてきでしたね。それから大阪! 大阪はYUTA(ユウタ)さんの地元ですから、ずっと話だけは聞いていたのですごく気になっていました。それで実際に行ってみたらとっても印象がよかったですし、楽しく過ごすことができました。その3か所が特に思い出に残っています」
――コンサートを通して、いろんな土地での思い出が増えているんですね。
「そうです~。あ、あとは東京の代官山も好きでした! とても雰囲気がいいなと感じました」
――東京や日本以外からもたくさんの方がこの連載を読んでくださっているので少し解説を入れますと、ジェヒョンさんが先ほど好きだと言っていた目黒川沿いの桜並木と代官山は近く、ショッピングやカフェを楽しむ人が多いおしゃれなエリアです。またゆっくり桜を見にこられるといいですね。
「はい、もう本当に楽しみにしています!」
つねに大切にしている、“準備をする”ということとは?
――さて、NCT 127は“To the world”というスローガンを掲げていますが、“世界で活動していく中で、自分自身を表現し、スタイルを発信していくために大切にしていることは?”という質問にジェヒョンさんは、『自分を信じて、いいところを生かして、足りないものを努力する』と力強く答えていますね。自分にとっていいところと、足りないと思うものは何だと考えますか?
「パフォーマンスをするうえで、僕が自身のいい点として挙げられるものがあるとすると、それは自分の声です。あとは歌のスタイルや好みなんかも、いい感じではないかと自分では思っています。足りない部分として挙げられるのは、とても具体的なんですが、練習生の頃から脚が硬いんです。なので自分には柔軟性が足りないと思っていて、そこはずっと努力しています。いずれにしても、何事も準備ができていないと自信も持てないですし、緊張してしまうのは当然のことだと思うんですよね。だから僕も準備が足りなかったときには、仕方ないんですがやっぱり自信が持てなくなってしまいます。でも、だったら決められた時間の中でもできる限り頑張って、“そのときにできるところまでやったんだ”“最善を尽くしたんだ”って思うことができれば、少しだけ自信も湧いてくるので、とにかく準備をすることが大事だと考えています」
――準備の大切さは、前回TAEIL(テイル)さんもお話しされていました。皆さんのアーティストとしての自信の根拠となるものは、やはり鍛錬や積み重ねてきた時間なのですね。
「準備をすることによって心を強く持てるし、自信も強く持てる、そう考えています。だから僕はいつも、ダンスの練習やステージに上がる前のストレッチを欠かしません。そういうことが結局一番大事なのだと思います」
NCT 127の“ネオさ”の秘密
――一方、“NCT 127のカッコいいと思う点は?”という質問には、『自分たちだけのアイデンティティ』と答えています。これはずばり、何でしょうか?
「“ネオさ”だと思うんですよね」
――Neo Culture Technology(=NCT)のネオですね。 “新しい”という意味がありますが、ツアータイトルにも“NEO CITY”とつけられていたり、皆さんにとって重要なワードのようですね。
「そうです。“チームのアイデンティティはこれですよ”というよりも、そのチームを構成しているメンバーだったり、歌だったり、パフォーマンスの一つ一つがすべてアイデンティティだと僕たちは思っているんです。そういった点が、NCT 127がデビューの頃から言っている “ネオさ”なのだと考えています」
――すばらしいですね。集合体ありきというよりも、各人がそれぞれ持ち寄った個性を大切にしてチームができあがっているという感じでしょうか。そんなNCT 127に身を置く中で、“グループ活動が自分に与えた影響とは?”という質問にジェヒョンさんは、『たくさんの経験を通して、成長できるようにしてくれた』と答えていますね。
「公演をすると強く感じることがあります。それは、やっぱり僕は歌とダンスが本当に好きなんだなということです。ステージに立つたびに、改めて悟るんです。それはもう、最初のツアーのときからすでに感じていました。そうなるともっと成長したいと思うようになります」
――ステージに立つたびに歌とダンスが好きだと実感して、その経験が増えるほど成長したいというモチベーションが上がる、ということですか?
「そうですね、まず音楽のスキル的な部分でいうと、レコーディングの経験を積み重ねることで、僕は成長してきたと思います。自分がレコーディングをしたものを自分で聴いて、そして足りないところを改善しながらまたレコーディングしていくっていうことを何度も繰り返す中で、前に進めているかなと思うんですよね。それはダンスにも同じことが言えて、日々練習をしているので、それにより進歩できていると考えています。そして個人的にというか、人間的な面でもNCT 127のチームの一員であるからこそ成長できたと感じることがあります。僕たちは、活動期間中はステージ以外でも一日中ずっとみんなと一緒に生活をしているのですが、そうすると目の前にいる誰かに対して、その人のことをありのままに受け入れて、理解するということを多く学ぶんです」
――NCT 127は多国籍グループということもあり、自分とは習慣や文化が違う人を受け入れる豊かな土壌ができている感じがします。
「そうなんです。相手を受け入れるといった面でも、自分は成長できたかなと思います」
――“グループのすてきだと思うところを教えてください”という質問に『一緒に目標のために進んで、うれしいときに一緒に喜び、悲しいときに一緒に悲しむ』と答えていますし、信頼関係を築いているのも伝わりました。
「NCT 127は僕にとって、“僕の人生で青春時代を一緒に過ごす存在”でもあります」
――仕事仲間以上の存在ですね。この連載を読んでいる方々の、NCT 127というグループへの興味がどんどん湧いていると思います。このあたりでジェヒョンさんおすすめの作品をご紹介いただきたいです。
「はい、ぜひお願いします!」
――ジェヒョンさんが、これはぜひ観てほしいと思うMVのリンクを掲載したいと思います。ただ、本当に申し訳ないのですが、皆さんこぞって『英雄; Kick It』を挙げられていて…。
「あぁ~、そうですよね。僕もまさにそれを挙げようと思ってました(笑)」
――すみません(笑)。メンバーの皆さんの自信作であることは、この連載でしっかり浸透したと思います! せっかくなので違う曲を挙げていただけるとうれしいです。
「はい、もうみんながたくさん出したので違うものをご紹介しますね~!」
――お気遣いありがとうございます!
「『Limitless』の日本語バージョンをぜひご覧いただきたいです。ストーリーがあって、映像の雰囲気もよくて僕はすごく好きですね。あとは『Highway to Heaven』も気持ちのいい作品だと思いますので、おすすめします」
――『英雄; Kick It』が好きなことも、ちゃんと書いておきますので。
「はーい、ありがとうございまーす(笑)」(日本語)
ジェヒョンを構成する、大切な3つのこと
――“今の自分を構成するものを、3つ教えてください”という問いに、ジェヒョンさんは『クラシック、情熱、真心』と書いています。アンケートを通して読むと、本当にこの3つのキーワードに尽きるのだなと一貫性を感じる回答が多数見られましたが、一つ一つ、お伺いしていきますね。
「まずは“クラシック”と書いた理由。これは文字どおり、僕はクラシックなものが好きなんです。クラシックなものって、シンプルなんですがちゃんと根がある。根幹があると感じるので好きですね。あと“classy”という単語がありますが、すごく高級で洗練された印象もありますよね。そういった世界観も含めて、クラシックが好きです」
――ジェヒョンさんが “自身のお気に入りアイテム”ということで送っていただいたこちらの写真を見ても、クラシックなテイストが好きというのが伝わってきます。「シール トゥルードン」という、300年以上続く世界最古のフランスのロウ製品メーカーのキャンドルですね。ベルサイユ宮殿にもキャンドルを供給してきたという歴史があります。ジェヒョンさんは「アブデル カデール」という香りをチョイスされているとのことですね。
「最初にどうやってブランドの存在自体を知ったのかは忘れてしまったのですが、僕のお気に入りです。この香りを嗅いだときに、とても好きだなと感じたんです。同時に2つ買って、使い切ってしまいました。そのくらい好きな香りです!」
情熱に裏打ちされた、挑戦心とは?
――続いて、“情熱”についても掘り下げたいと思います。先ほどからのお話ですでに、パフォーマンスに向き合う姿が情熱的だなというのは伝わりましたが、 “20代をどう過ごしたいですか?”という質問にも『一生懸命に情熱的に』と書かれています。
「そうですね。今の僕が一番情熱を持っていることといえば、まずは歌です。歌に対して情熱を持っています、本当にたくさんの。そしてもうひとつあって、それは何か新しく挑戦することに対して、後悔をしたくないという思いです。後悔してはいけないといつも思っているので、“新しく何かに挑戦すること”にも情熱を持っています」
――それに関しては、実はファッションに関する質問の面でも、挑戦することが好きな方なのかなというのを、強く感じました。“こんなファッションをやってみたい! というものは?”という質問には『グラビアの撮影でのハイファッション。チャレンジすることが楽しい』と書かれています。また、“パフォーマンスやアートワークを発信するうえで、ファッション面も欠かせないパーツだと思いますが、どういうものと捉えていますか?”という問いに『ステージや撮影用の衣装は、果敢に挑む必要があるものでも、うまく消化しようと努力します』と答えていたりと、身につけるものへのチャレンジ精神を感じます。
「挑戦するのが好きな人では、と言ってくださいましたが、自分でもそうだと思います! 雑誌やCDジャケットの撮影などのときにはよく、挑戦する気持ちが必要な服を着たりするんですが、そういうものをどういったふうに着こなしたらいいか、想像しながら写真を撮られるっていうのがすごく楽しくて好きなんですね。果敢に挑戦することによって、僕には何が似合うのか、何が好きで何が嫌いなのかが自ずとわかってくると思うので、挑戦することはすごく楽しいです」
――“楽しい”、いいですね。ファッションをすごく楽しんでいる。
「そうです~!(日本語) ファッションは自分を表現するもののひとつです」
――それから、“自分の着るものを考えるとき、一番大事にしていること、ポリシーは?”という問いに、ジェヒョンさんは『似合わなければならない』とも答えていました。これまでのインタビューで気楽なテイストを好むメンバーが多い中、似合わなければならない、と答えるストイックさは他の方とは違う個性だなと感じましたし、これもまたチャレンジを感じる回答です。
「あぁ、そうですね~。“似合わなければいけない”と答えた理由ですが、すごく風変わりなものでもちゃんと着こなせていたり、似合っていたりするとカッコいいと思うんです。でも逆に、何か特別な個性がないアイテムでも、その人に似合っていればそれもまたカッコよく見えると思うので、やっぱり自分に何が合うのかを知ったうえで、センスよく着るということが大事になってくると考えています。自分自身、好きなファッションが決まっているというよりも、そういうふうにいろんなスタイルを楽しみたいんですよね」
――自身を表現するもののひとつとして、ファッションを通してどんな自分を見せたいですか。
「ありのままの僕を見てほしいと思います。ですがまた別の考えとしては、どんなスタイルも、“こういうふうに消化して、自分をこんなふうに見せたい”という意図があり、考えてつくっているので、“あぁ、この人にはこうやっていろんなスタイルがあるんだね、こういった形でも着ることができるんだね”と思ってもらいたいです。仕事面でも、これまでにない新しいテイストの衣装を着たことによって、“ジェヒョンには多彩で多様な面があるんだなぁ”っていうことを感じてもらえたらいいなと思います」
――着るもので自身のさまざまな面を見せるというのは、ファッションで自分をプロデュースする醍醐味ですよね。アンケートの“これが2020年の自分のスタイルだ! と言えるお気に入りのファッションは?”という質問にも、複数のパターンをいただき、ファッションが好きなのが伝わりました。『好きなプリントがあるTシャツ+ヴィンテージパンツ/クラシックなスタイルにポイントのアクセサリー/練習のときはヒップに』ということで、どれもテイストが違いますね。
「そうですね、普段はクラシックにしたり、練習のときはHIP HOPな感じの着こなしにしたりと、シーンによってもスタイルを変えています!」
――ちなみにジェヒョンさんは香水も好きということで、“自身のスタイルと合う香りは?”という質問に、『冬はトム フォードのホワイト スエード、F ファビュラス/夏はバレードのバルダフリック』と教えていただきました。香りもひとつに決めず、いろいろと使っているんですね。
「トム フォードのホワイト スエードとF ファビュラスは、以前からずっと使っていますね。香水に関しては、冬と夏で季節ごとに使い分けるようにしているという感じです。僕は冬にムスク系の香りをよくつけるんですよ。バレードの香りは、夏に嗅いでみると季節に合っていていいなと感じます。皆さんもこの香りを嗅いでみると、この人はこんなスタイルの人なんだなって、僕のことをわかってもらえると思いますよ」
――トム フォ―ド ビューティの香水は、メンズノンノのモデルや読者も大好きで、よく特集記事でも取り上げています。トム フォードの理念は「私は21世紀で最初の、真にラグジュアリーなブランドをつくりたい」というものなので、挑戦心の込められたアイテムがこれまたジェヒョンさんにぴったりですね…。
「ワーオ、そうなんですね! それは新しく知った事実です!!」
真心を持つこととは?
――“クラシック”も“情熱”もジェヒョンさんを構成するものとしてよくわかりましたが、3つ目の“真心”についてもお伺いします。
「“真心”と書いたのは、ちょっとまぁ…照れくさいんですけれども、自分を飾らずに自分の本心、真心を話すと、相手に気持ちが伝わると思いますし、そういうことを大切にしたいので“真心”を挙げました」
――それはすてきですね。いろんなことに対する真心があると思いますが、ジェヒョンさんは特に、周りの人を大切に思う気持ちが強いのかなと、アンケートの回答から感じました。“人生において、音楽的なこと以外で叶えたい夢は?”という質問に『大切な人たちの健康と幸せ』と、自分のこと以外を書いているのが印象的です。
「そうですね。ひとりの力で何かをしようとすると、やはりできることには限界があると思うんです。だからこそ、周りにいてくださる人がとても大切になってくる。そういう考えでこの答えを書いたんです」
――そういった考えは、いつ頃から芽生えたのでしょうか?
「いつだったでしょうかね。おそらく、デビューしてからだと思います。自分がベストを尽くして頑張ることができたときは、いい刺激を誰かに与えることができます。そしてそういうコンディションのときは、周りの人からもいい刺激をもらうことができるんですよね。そうやってプラスに働き合うことは、仕事をするうえでとても大切ですし、本当に周りの人がいてこそだなと、デビューしてから思いました」
――今回の連載で皆さんに“自分らしさをもうすでに見つけましたか?”という質問を設けさせていただきました。とても難しいことを聞いてしまいましたが、ジェヒョンさんは『見つけたけと思うけど、もっと探している途中』と答えてくださっています。自分の成長に一生懸命情熱を注ぐことと、そのために周りの人を大事にするというポリシーなど、ここまでお話しいただいたことが現時点でのご自身を構成するものになっているのでしょうか。
「そうですね…僕自身ももちろん、今はこういう好みがありますよ、こんなことが好きですよ、自分はこういう人ですよっていうお話は真剣にしているんですけれど、まだ自分で自分自身を知っていくその過程にあると、そう思っています。それで、“見つけたけど、もっと探している途中”と書きました」
――これは本当に答えるのが難しい質問だったと思います。今まさに思っているとても貴重なことを話してくださり、ありがとうございます。
心地よい世界をつくるものは?
――他にもご自身の好きなものをいろいろと書いてくださいました。“自分に影響を与えたものは?”という質問には『R&B、JAZZ』と書かれており、“どんな場所や雰囲気が好きですか”“自分を象徴する風景は?”という質問への回答は、どちらも『夜景』でした。
「僕は、夜景を見るのが大好きなんですね。夜景を見ていると癒しになりますし、心が落ち着いて楽な気持ちでいろいろ考えることができるんです。しょっちゅう出かけることはできないんですが、時々夜景を見に行きます」
――クラシカルな雰囲気や音楽の好み、夜景というジェヒョンさんの好きなものを伺って思い当たるのが、Lauvの『I Like Me Better』をカバーした映像です。こちら、ジェヒョンさんのお気に入りが詰まっているように感じました。YouTubeで、ものすごく再生されていますね…(2020年11月末時点:約4,000万回再生)。
「あぁ~、ありがとうございます!(日本語) これを最初に作ろうと思ったきっかけというのが、公演でヨーロッパに行ったときに、すごく街の風景がよかったからなんです。こういう風景の中に自分の姿を入れて映像を撮りたいなって思ったのがまず最初だったんですね。それからLauvさんの『I Like Me Better』という曲の雰囲気ともそれが合うような気がしましたし、もともと僕はLauvさんのアルバムの曲が好きだったので、その中からこの曲を選ぶことにしました。この動画がこれほどまで皆さんに気に入ってもらえるとは最初思ってもみなかったのですが、皆さんがたくさん観てくださってとても感謝しています。これを撮った当時は、自分が旅行している時の自然な姿を思い出に撮って、残しておきたいというシンプルな気持ちだったんです。こんなに多くの反響をいただいて、好きになってくれて、本当にありがとうございますとお伝えしたいです」
――皆さんへのそのメッセージも、しっかり伝えさせていただきます。
「はい、お願いします!」
――他にも好きな音楽として、ご自身のレコードのコレクションも写真に撮って送ってくださいました。
「写真を撮るにあたって、僕が持っているものの中で好きなLPを挙げてみたんですね。僕が聴いてみて“あ、いいな”とハマるもの、もしくは自分に刺さるものがあるかっていうのを、選ぶ基準にしています。R&BとJAZZはもともと好きだったんですが、そういったジャンルの中でどんなアーティストがいるのかなって探すようになって、“あ、好きなアーティストが見つかったな”と思ったらその人の作品をまた探したりしています。なのでLPは、僕が好きなアーティストの中から選んで、買うようにしています」
――夜景を見に行く際にも、そういった好きな音楽を聴いたりするんでしょうか。
「そうですね。夜景を見ながら音楽を聴くこともあります。でもそのときに何を聴いていたのかはいつも思い出せないんですよ(笑)」
――いいですね。完全にチルという感じですね。
「ベンチとかに座って、音楽をかけておいて、のんびり夜景を見るというのが好きですね」
『LOVEHOLIC』と、ジェヒョン
――日本での新しいアルバム『LOVEHOLIC』についての意気込みを聞かせてください。発売が2月17日となり、ジェヒョンさんのお誕生日と近くなりましたね。
「そうです!今まさに準備中ですが(編集部注:インタビュー時)、久々にこうして準備をしてリリースする日本のアルバムなので、僕もすごく期待しています。いつも新しいアルバムが出るときには、また新たな一面を見せたいっていう思いが強いですが、今回もぜひたくさん期待してほしいですね」
――アルバムのタイトルにちなんで、ジェヒョンさんにとって“ラブホリック”だと思うものやことは?
「何かにハマるってことですよね。僕は最近Netflixにハマっています!(笑)」
――あはは! あんまりロマンチックじゃなかった。
「ふふ、Netflix愛にハマっていますね」
――リード曲がラブソングだと聞いています。ラブソングにもいろいろあると思いますが、ジェヒョンさんが自分で歌うときにはどんなラブソングが好きですか?
「もちろん聴くときには、もうすごく悲しいラブソングだったり、失恋を歌ったようなラブソングもいいと思うんですけど、僕はやっぱりラブソングっていうのはハッピーエンドがいいと思うんですよね。だから歌うなら、楽しいラブソングがいいですね。でも、「LOVEHOLIC」はいろんな愛が表現されているので、ひとえにラブソングというよりは、もっと大きくて、強い愛を伝えたいと思っています。日本ツアーができるようになって、ステージで披露できればいいなと思います。皆さんに早く会いたいです」
――アルバムの中で、特に注目してほしい点はありますか?
「僕の成長したヴォーカルです!」
――発売日の2月17日が楽しみですね。さて、今日はいろいろなお話をしてくださいましたが、最後にジェヒョンさんが現時点で“これがマイスタイルだ”と思うものを総括して教えていただけますか。
「ひと言で表すんですよね。“続く”です。……うーん、いや、もう一回考えてみます。…そうですね、“皆さんが見ているまま”にします」
――“皆さんが見ているまま”がマイスタイル。相手の視点に委ねるマイスタイルの在り方を回答したのは、ジェヒョンさんが初めてです。“続く”のほうも気になりますが、ここまでお話を聞いていると、どちらも腑に落ちるというか…最後に余韻の残るコメントですね。
「こんなにいろいろとインタビューしてくださり、ありがとうございました。皆さん、これからの僕たちの活動すべてに期待していてください~!」
――ありがとうございました。
「ありがとうございます! またお会いしましょう!」(日本語)
Q.何をしている時間が一番好きですか?
A.運動、旅行、レコーディング、ステージ
Q.これだけは胸を張れるというものは?
A.ボウリング、高音対決、バスケ
Q.創作活動におけるインスピレーション源は?
A.生活、周囲、映画
Q.10代で一番の思い出は?
A.学校生活
Q.自分にとっての定番スタイルは?
A.黒いアイテム+ネックレス
──恒例のプレイリストのコーナーです! 毎回、登場するメンバーの皆さんにNCT 127の中で好きな曲やオススメしたい曲と、他のアーティストの曲で今のお気に入りをそれぞれ挙げてもらい、メンズノンノのためのオリジナルプレイリストを完成してもらおうという企画です。ジェヒョンさんで6人目ですが、過去に登場した5名のメンバーの選曲もばっちり蓄積されております。(上の画像をクリックすると、Apple MusicやSpotify、AWAなどのサイトに飛べるようになっていますので、ぜひチェックを!)
「ちょっと待ってくださいね。僕は好きな曲がたくさんあるので。うーん、うーん…そう、たくさんあるんですが、NCT 127の曲だと、なぜか今日は、『Welcome To My Playground』の気分です。この曲を聴くと、童心に帰れる気がするんですよ。それから、『Jet Lag』もぜひプレイリストに加えたいです。これはR&Bの雰囲気が漂う、僕が好きなスタイルなのでおすすめします」
──ありがとうございます。がらりとテイストの違う2曲ですね! 個人的なお気に入りの曲は何でしょうか。
「Kamal.の『blue』という曲を選びたいと思います。すごく気楽な気持ちで聴くことができる曲なので、よく聴いているんですよ」
――先ほどお話しいただいたような、夜景を見ながらのんびり聴くようなシーンにもよさそうですね!
NCT 127
韓国・ソウルを拠点に多国籍なメンバーにより、グローバルな展開で活躍するボーイズグループ。今年春リリースした『NEO ZONE』は130万枚を超える大ヒットを現在も更新中。そしてファン待望のJapan 2nd Mini ALBUM 『LOVEHOLIC』 が2021年2月17日にリリースされることが決定! NCT 127初のリード曲がラブソングという試みに期待が高まる。 nct-jp.net
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