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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、競馬の坂井瑠星さん。
HORSE RACING
―競馬―
「将来日本を代表する
ジョッキーになるために、
JRAでのGⅠ初勝利を」
「これまで乗った競走馬はすべて覚えていますし、1レース1レース、次につなげるために欠かさずノートをつけています。また競馬は一年中行われるのでオフはありませんが、そもそも子どもの頃からスポーツは競馬しか見ていませんでしたから、自分にとってはいちばん好きな趣味がそのまま仕事になっているので疲れやつらさを感じることはないです」
と、競馬へのあふれんばかりの愛情を淡々と語る坂井瑠星。若手騎手が次々と台頭する競馬界において、同期の藤田菜七子らとともに今最も注目を集める23歳だ。現在はJRAから地方競馬まで全国各地を休みなく飛び回りながら、レベルアップを期している。
「ひとりの騎手が1日に何レースも騎乗する競馬は、実は負けることのほうが圧倒的に多いスポーツ。その負けをどういうふうに次のレースに生かしていくかが大事なんです。とはいえ最も評価されるのはやはり結果。勝つ回数を増やすことがいい馬との巡り合いにもつながりますので、たとえ人気が低い馬に乗ったとしてもひとつでも高い順位に導けるよう、どんなレースでも全力で上をめざすことを心がけています」
目下の目標は競馬の中で最も格式高いJRAの「GⅠ」での初勝利だ。ビッグレースが続くこの11月と12月、虎視眈々とチャンスをうかがう。
「まだ勝てていないのでその重みを本当の意味では知ることができていませんが、春の日本ダービーで騎乗したときに雰囲気の違いを実感しました。JRAのGⅠでまずひとつ勝つということは、将来リーディングジョッキーになるという夢に向けて欠かせないステップですので、騎乗のチャンスがあれば果敢に勝利を狙っていきたいと思っています」
Favorite Item
オリジナルの
トレーニングジャケットと鞭
デビュー100勝を機に作ったというトレーニングジャケットは、背面に勝利をともにしてきた100頭の競走馬の名前が記されている。また「自分にとって最も欠かせない」と語るオーダーメイドの鞭には、自身の名を刺繍。
PROFILE
坂井瑠星 RYUSEI SAKAI
1997年5月31日生まれ、東京都出身。騎手だった父の影響で小学生の頃に騎手を志し、競馬学校を経て2016年に阪神競馬でデビュー。初年度に25勝を挙げ、翌年から約1年間オーストラリアで武者修行を積む。2018年に「朝日杯フューチュリティステークス」でJRA(日本中央競馬会)のGⅠレース初騎乗。2019年にはGⅡ、GⅢと重賞勝利を重ね、今年は「日本ダービー」(GⅠ)で初騎乗して4着、「ジャパンダートダービー」でGⅠ級レース初勝利を飾る。滋賀・栗東トレーニングセンターの矢作芳人厩舎に所属。
Photos:Takahiro Idenoshita Composition & Text:Kai Tokuhara
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