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ドラマ『極主夫道』に出演し、俳優として人気が急上昇中の中川大輔。2016年から専属モデルを務める『メンズノンノ』の誌面ではマルチな才能を発揮し、幅広い企画でひっぱりだこ。「素直で努力家」と、スタッフの信頼も厚い存在だが、過去には思い悩んだ日々も。2時間に及ぶロングインタビューで、エフォートレスな雰囲気からは想像できぬ、努力家な一面が明らかに!
誰にもバレないし、と応募したオーディション。ルールが変わって大慌て!
両親の移住に伴い、高校から沖縄県で暮らしていた中川。大学入学を機に上京が決まり、「おしゃれを頑張らねば!」と初めて手に取ったファッション誌が『メンズノンノ』だった。当時はいち読者として楽しんでいたが、大学でとある先輩モデルの記事を目にし、その後の人生が大きく変わることに。「美術大学に入学したのですが、学校で配られた資料のOBインタビューに髙橋義明さんを発見。『メンズノンノ』専属モデルとして活躍しながら二級建築士の資格を取ったと知りびっくり。自信に満ちた表情がすごくかっこよくて……こんなスゴイ人がいるのか! と感動しました。と同時に、同じ学校なら、僕にもチャンスがあるのかも? という期待が芽生えて。将来の選択肢がぐんと広がるし、何より、楽しそうだなと。モデルという職業に強い憧れを抱くようになりました」
ちょうどその時期は、年に一度開催される専属モデルオーディションの募集期間。「応募してみようかと思ったのですが、それまでファッションに興味を持ったことはないし、ましてやモデルになろうなんて、頭をかすめたことすらなかった。そんな僕に務まるわけがない」と諦めかけた中川の背中を押したのが、東京で同居していた姉だった。「それまでオーディションは非公開で、合格者のみが発表される形式だったんです。誰にもバレないならいいか! と決心したのに、なんと、僕が受けた第31回から公開されることに。かなり焦ったのを覚えています(笑)」
そうして迎えた、オーディション面接当日。「芸能活動の経験もファッションの知識もないので、面接の受け答えは入念に練習して挑みました。おかげで、他の候補者よりも会話が盛り上がった。“グランプリは無理だろうけど、特別賞なら滑り込めるかも”と、淡い手応えを感じましたね」。そんな予想は外れ、見事、グランプリに輝いた中川。「正直、嬉しさよりも安堵の方が大きかった。大学でも話題になっていたので……落ちたらカッコ悪いな、という心配で頭がいっぱいだったんです(笑)」
飲み込みの早い同期ふたりと自分を比べて、落ち込む日々
大学1年生の11月、晴れて『メンズノンノ』専属モデルに。しかし、当時はうまくポーズがとれず悩んだとか。「ポーズのテンプレを覚えて行っても、いざカメラの前に立つと、思い通りの動きができなくて。とくに、先輩との撮影が僕のせいで長引くことが心苦しかった。しかも同期の鈴木 仁や若林拓也は飲み込みが早く、すんなりこなしていたから、なおさら落ち込みましたね」
そんな悔しさをバネに、ポージングの猛特訓を開始。「男性誌から女性誌まで、さまざまな雑誌を片っ端から読み込みました。ポージングの練習風景を録画し、観ながらまた練習、の繰り返し。動きながらいいな、と感じたポーズも、画面で見ると全く印象が違うんですよね。3ヶ月ほど続けてようやくコツをつかみ、自信を持てるようになったのは1年後でした」
「先輩やスタッフの方達にも、たくさんのアドバイスをいただきましたね。なかでも印象に残っているのが中田圭祐さんの“フォトグラファーの世界観と、撮影の意図を理解することが大事だ”という言葉。どのアイテムをどういう雰囲気で魅せるべきかをしっかり考えるようになってから、より的確に動けるようになった気がします」
もとは漫画家志望。念願が叶ってウェブで漫画連載がスタート
努力の甲斐あり、今では様々な企画にひっぱりだこのモデルへと成長。マルチに活躍する彼の特技のひとつが、漫画だ。「美術大学を志望したのも、漫画家になりたかったから。昔から『少年ジャンプ』の大ファンで……じつは『メンズノンノ』モデルになればいつか作品を描かせてもらえるかも、なんて下心もあったんですよ(笑)。そうしたら、本当に叶った!」
当時のスペシャルな企画をプレイバック!
▶僕が捜査官に扮する「中川大輔の004月物語。」だいぶカオスな企画です
▶原作と主演を務めたファッションストーリー「中川大輔の004月物語」
▶執筆した漫画をインスタグラムで見る
「『少年ジャンプ』編集部に監修していただき、ウェブで漫画連載が始まりました。それ以外にも、ビューティ連載で美容について学んだり、料理をしたり……たくさんのことにチャレンジするなかで、人間として成長させてもらいました」
2年ぶりのドラマ出演で、演技の楽しさに開眼
多くを吸収しながら、あっという間に専属モデル3年目に突入。就職活動を目前に、心境の変化が。「最初の1年間は、モデルとして一人前になることで精一杯で。2年目でようやく、自分の連載が始まり、目標のひとつだった巻頭の連載ページ『M of the month』にも出ることができた。ちょうど大学の単位を取り終わったこともあり、新しいことに挑戦するいいタイミングかな、と感じたんです」
その挑戦とは、演技。以前ドラマの現場を経験して以来、密かに“いつか本格的に学んでみたい”と考えていたとか。「ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』で約2年ぶりに演技をしたのですが、めちゃめちゃ楽しかった! 直感で、これだ!と確信しました」
『仮面ライダーゼロワン』の撮影現場は演技の学校
「日々の継続こそが成長への近道!というモデル経験で得た教訓から、まずは長期間撮影を行う作品でみっちり演技を特訓したかった。そこで、自ら『仮面ライダーゼロワン』のオーディションに参加したいと申し出ました。数々の若手俳優を育ててきたスタッフの方々はまさに演技指導のプロ! 基礎からしっかり学ぶことができました」
「丸1年間、ほぼ毎日撮影があるので、スタッフも共演者も家族みたいに仲良くなりましたね。クランクアップに近づくにつれ、寂しさが募っていって。当日は、大人らしくしっかり挨拶するんだ! って心に決めていたのに……監督から1話目の台本を渡された瞬間、号泣しちゃいました」
一発OKのベテラン俳優勢に圧倒される『極道夫道』
終了後は、息をつく暇もなく、現在放送中のドラマ『極道夫道』の撮影がスタート。ヒーローから一転、若き暴力団組員を演じている。「玉木宏さん、竹中直人さんなど、ベテランのみなさんは一発OKを連発。僕のミスでカットなんて許されない! というプレッシャーから、撮影のたびにど緊張しています(笑)」
「勉強のためにも、放送は欠かさず観ていますね。意外とできてるな、と思ったら次の回は全然だめ、の繰り返しで、勉強不足を痛感。唯一満足できたのは仮面ライダー仕込みのアクションシーンかな。かねてから共演してみたいと思っていた竹中直人さんは、噂に聞いていた通り、ほぼすべてアドリブなんですよ。役のイメージは壊さずに自分らしく演じる様子は、何度見ても圧倒されます。僕もいつか、自分のカラーが出せる役者になりたい!」
次なる目標はラジオ。元専属モデルの遠藤にラブコール!
プレッシャーや緊張を「いい刺激」ととらえ、「いくつになっても新しいことにチャレンジし続けたい」と言う中川が、今後挑戦したいことは? 「年齢的に無理になる前に、学生の役を演じてみたい。新しいジャンルとしては、大好きなラジオ。オードリーさんやダイアンさんのような、幼馴染っぽいテンションがいいな。僕はボケしかできないので、ツッコミ担当は遠藤史也さんを希望!」
本取材の前日には、念願だった初の表紙撮影を経験。キラキラと目を輝かせながら、その喜びを語った。「専属モデルになった日から、いつか絶対に表紙は飾りたい! という目標は掲げていました。ただ、こんなに早く実現すると思っていなかったので……驚いたのと同時に、素直に嬉しかったですね」
「僕のほかには、成田 凌さん、中田圭祐さん、宮沢氷魚さん、鈴木 仁と、キャリアも知名度も格段に上の方たちばかり。その一員に選んでもらえたのは、専属モデルとしての存在感を認めてもらえた証なのかな。『メンズノンノ』は僕にとって、第二の実家のような存在。国民的俳優になって、育ててくれた恩返しをしたいですね。その暁には、ピン表紙! よろしくお願いします!!」
中川大輔(なかがわ・だいすけ)●1998年1月5日生まれ、東京都出身。2016年、大学1年生のとき、第31回メンズノンノ専属モデルオーディションに合格。2019年4月、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』で初めてレギュラー出演を果たす。同年9月より1年に渡り、『仮面ライダーゼロワン』で迅/仮面ライダー迅役を演じる。現在、2020年10月よりスタートしたドラマ『極主夫道』に出演中。また、2021年1月13日スタートのドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』にケンタ役として出演予定。
Photos:Takahiro Idenoshita Text:Ayano Nakanishi
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