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シンプルは深淵で、デザインの魂は細部に宿るとか…。ならば定番品こそ本当にいいものを。そこで、トレンドに囚われず長く愛せるものに目を向けるのが「名品図鑑」連載。ファッションプロを選者に迎え、第五回目のテーマに選んだのはスニーカー。知る人ぞ知る隠れた名品から、新定番になりうるサスティナブルなブランド、アーカイブ品まで、隠れた名品を厳選。ひねりのある逸品が見つかるはずだ。
サスティナブルな、未来の定番品
パリに旗艦店を構えるヴェジャは、サスティナブルにこだわり抜くブランド。この一足も、コットンにとうもろこしをベースにしたコーティングを施してあり、ヴィーガン素材ながらもレザーと変わらない見た目と触り心地は革新的。ソールの天然ゴムはアマゾンの森林でゴムの木から樹液を採取して生成。足を振動から守る弾力性を備えながら、森林伐採を回避するプロジェクトの一面も持つ。さらにレースはブラジルとペルーの生産者から直接仕入れたオーガニックコットン。「シンプルだけど、主張もある。生産背景が素晴らしいですが、それ以上に、デザインにグッときたんですよね。僕にとっては、なかなかない出会いでした。どんなスタイルにも合わせやすく、テーラードなどの少しかっちりしたスタイルのハズしにしても面白いです」。(飯垣祥太/スタイリスト)
スニーカー(ヴェジャ)¥20,000/シードコーポレーション[TEL:03-6709-9662]
時代を超える名品、ジャーマントレーナー
80年代にドイツ軍で採用されていたジャーマントレーナーを蘇らせた、現代の名品。軍用シューズを手掛けていたファクトリーが作る本格的な一足で、スエードと牛革の切り替えが特徴。その上質なアッパーに対して、レトロで厚みのあるガムソールのコントラストが面白い。ピッグレザーを使用した贅沢なインソールに、デザインソースのモデル・国名・年代がプリントされているのも心惹かれるポイント。「ともすると土臭くなりがちなのがミリタリーシューズですが、これはスマートなフォルムで上品。今年らしいクラシカルなスタイリングにレザーシューズ代わりに合わせてもいいし、古着のいなたいスタイルにもスッと馴染む。コーディネートを選ばない万能な一足なんですよね 」。(齊藤篤史/DOVE WORKS. プレス)
スニーカー(リプロダクション オブ ファウンド)¥21,800/アイ ファウンド[TEL:03-6434-7418]
存在感のある、絶妙な配色
“違和感”を掲げるリーボックのエイティーワンコレクションから登場したPREMIER PUMP PARIS。流線型のスタイリッシュなデザインとスポーティーなカラーリングが見事に融合し、”違和感”をファッションに昇華した一足だ。フィット感を調節できる”ポンプシステム”や、歩くたびに空気が移動する”DMXフォーム”ソールの搭載と、安定性、耐久性ともに優れているのも特徴。「VAINL ARCHIVEのディレクターであり、かつeightyoneのデザイナーを務める大北幸平氏のインスタグラムをよくチェックしていますが、この世界観がとても好み。どこか90年代を彷彿させるディテールワークとボリューム感も素晴らしい。リラックス感のあるイージーパンツやワイドパンツに合わせて履きたいですね」。(平山洋次/HEMT PR 代表)
スニーカー(リーボック)¥16,000/リーボック アディダスお客様窓口[TEL:0570-033-033]
ダイヤルロックシステムの、都会的モデル
新品、ユーズド、レギュラー、ヴィンテージに関わらず、様々なスニーカーを独自の視点でセレクトするスニーカーショップ、PLAYGROUND。そのオリジナルブランドPGのNEW DAWは、都会的なデザインが魅力。シューレースの代わりになるダイヤルロックが目印で、ナイロンとスエードの異素材を配したアッパーも特徴的だ。トレイルラン用のビブラムソールを採用しているので、機能性も十分。「ダイヤルロックシステムの安定感ある履き心地と、モダンな佇まいがいいんです。新しいけれど、ベーシック。どんなスタインリングにも合わせやすく、ランニングにも取り入れられる。しかも価格帯がリーズナブルなのは嬉しいところ」。(稲垣大貴/alpha PR プレス)
スニーカー(PG)¥18,000/プレイグラウンド[TEL:03-5738-1872]
スケートシーン由来の、夢のスニーカー
90年代のスケートシーンを象徴するブランド、DC SHOES。doubletの別注によって往年の名作である〈LYNX OG〉〈LEGACY OG〉〈KALIS OG〉の3モデルのデザインを集約したハイブリッドな一足が誕生。ストリートの先輩方の青春が詰まった、夢のスニーカーだ。スタイリングのアクセントになるのはもちろん、ストリートの歴史に好奇心もわいてくる。「doubletのパリコレを見ていて、一目惚れしました。当時のDC SHOESに触れてきた方々にとっては懐かしくエモーショナルなシューズなのでしょうが、僕にとっては斬新。ストーリーのある名品だと知りさらに惹かれています。とことん90’sのHIPHOPシーンらしく、ダボダボなデニムとワイドなスウェットで合わせたいですね」。(西澤祐哉/ENKEL プレス)
スニーカー(ENKEL×ディーシーシューズ)¥34,000/エンケル[TEL:03-6812-9897]
Photos:Yoshio Kato Stylist:Atsuo Izumi Composision&Text:Takako Nagai
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名品図鑑