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古着はおしゃれ男子の必須アイテム! でも、どの古着屋に行ったらいいのか? いい古着屋を見つけるのは意外に難しい。ならば古着通にきけばいい! おしゃれ男子御用達の古着屋を毎回一軒、ディープに紹介。
第20回はカフェで働くようになりかっちり感を意識するようになった安西一真が、最近友人が働き始めたという渋谷のアイ&アイ ストアへ!
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西海岸やスケートカルチャーが息づく
今のファッションにマッチする古着
セレクトショップで賑わう渋谷の神南エリアに出店して、この9月で17年目を迎えた。旅とファッションが好きなオーナーの、どこかカルチャーを感じるセレクトに惹かれて、長年通うファンも多い。7年前には神奈川県逗子市にアイ&アイ ストアとはテイストが異なる、ECHOES(エコーズ)という古着屋も出店している。
古着のポロ ラルフ ローレンのラガーシャツとリーバイスのジーンズ、足元はユーズドの革靴というスタイルで現れた安西一真は、1年前に友人に連れられ、初めてアイ&アイ ストアを訪れた。最近モデル仲間が働き始めたと聞いて、また行ってみたいと思っていたそうだ。「前に行ったときも、自分好みの古着が多かったので、最近気になる靴類を見てみたいです」(安西)。残念ながらこの日はモデル仲間の友人は別の仕事ためにお休み。
古着の中にさりげなく新品が並ぶ
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フリークスストア渋谷店横の路地を入ってすぐのビルの地下。「I&I」と書かれた電球型看板に従って階段を降りると、ガラス窓とドアが見えて店内の様子がうかがえる。入って左手がメンズ、右にレディースが並んでるが、レイアウトは小まめに変えているので定位置ではないそうだ。ほどよい商品数がちょうどいいバランスで並ぶ、見やすい店内。
仕入れは主にアメリカにて。旅好きのオーナーだけでなく店頭に立つスタッフも携わり、直接現地に出向いて買い付ける。自由な感覚で商品をピックアップするから、ヴィンテージ、レギュラーを問わず鮮度の高いアイテムが自然と集まる。
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店内には安西も反応したRun-D.M.C.のヴィンテージ“ラップT”のような、音楽カルチャーに根差したアイテムも。またオーナーの友人が手がけるブランドもいくつかセレクトしており、別コーナーにせず、あえて古着にまぜて並べている。だから「これいいですね」とピックしたアイテムが新品、ということもある。
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「自由な感覚で選ぶ」スタンスがよく表れているのがこの昆虫プリントTシャツ。インパクトのあるプリントの出自は博物館ものか、アート由来か不明だが、スタッフ推しのアイテムとして目立つところにディスプレイされてた。少しクセの強いアイテムが見つかるのもアイ&アイ ストアの振り幅。
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安西が気になるというシューズ類もコンディションのいいものが多く、スニーカーやサンダルと革靴がひとつのラックに行儀よく並ぶ。ラックの上段にはストリート感のあるロゴが印象的なBEDLAM(ベドラム)の新品キャップも散見。
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デッドストック(新品在庫)も多く、ポロ ラルフ ローレンのポケTもサイズ違いで棚に積まれているなど、見どころ満載だ。ほかにもパタゴニアやギャップなど、90’sスタイルにマストなブランドや、ワークスタイルのアイテムなど統一感のあるセレクション。
西海岸系アイテムをコーディネートで!
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店内を一周し、スタッフの北村寛太さんから説明を受けながら着たいアイテムをピックアップする安西。気になる靴のコーナーは念入りにチェックする。
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まずラックからピックアップしたのはパタロハのアロハシャツ。「このアロハ、柄がめちゃくちゃ好みです!」と安西が言うと、北村さんが「それはパタゴニアのアロハシャツです。パタロハはパタゴニアのアロハシャツのブランド名なんですよね。アロハっぽくないモチーフだから、街中でも着やすいと思います」と解説してくれる。
その間に「このワークパンツが合いそう!」と女子スタッフの禰冝田真奈さんが、ヴィンテージのワークパンツを選んでくれた。安西が手に取ったRRL(ダブルアールエル)の白いスニーカーが見事にマッチ。濃色のコーディネートに軽さを添えた。
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続いてはTシャツの棚から絶妙なパープル×ピンクのボーダーTをセレクト。「この色落ち、最高ですね! なかなかない配色…」と安西が感動していると「モックネック風の襟もレアです。いいボーダー柄が最近、出なくなっているんですよね」と北村さん。
禰冝田さんが勧めてくれたベージュのチノパンを合わせつつ「最近は革靴できれいめに着こなすのが自分流です」ローファーを合わせた安西。すると「レザーのバケットハットなら大人っぽくていいかも!」と北村さんが私物のハットを足してくれた。チームでコーディネートを組み立てていくのが楽しそう。90’sスケータームードのコーディネートが完成した。
サファリハットが気になる!
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店内の目立つところに帽子がディスプレイされ、「今まで帽子をかぶってこなかったんで、最近帽子が欲しいなと思っているんですよね。いろいろかぶってみていいですか?」(安西)。ユーズドのサファリハットと新品のdevelopment by NOROLL(ディペロップメント バイ ノーロール)のテックキャップを交互に試着する。
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入口すぐの棚にもパタゴニアのユーズドキャップとMLBのBBキャップが。ストリートファッションにマストなアイテムだけに、セレクトにも熱を感じる。
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「最近友だちとキャンプに行ったりもしているからサファリハット気になります!」(安西)。アロハ柄とメッシュのコンビネーションが今っぽい。色がマッチするスミソニアン博物館のヴィンテージTシャツとコーディネート。
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こちらはカーキ色で本格的なサファリハットのルックス。サイドに機能的なベンチレーションも入っている。店内にディスプレイされていたメガホンを持って、安西がボーイスカウトのような振りでおどけてくれた。
アイ&アイ ストアの
おすすめコーディネート
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最後に女子スタッフの禰冝田さんが、安西におすすめのコーディネートを選んでくれた。「これから秋にかけてはドリズラージャケットが一枚あると便利ですよね。安西さんは足も長いので、このぐらいのショート丈もバランスよく着こなしていただけると思います! ジャケットがナイロンなので、ボトムはウール混のスラックスで大人っぽくまとめるのが素敵です」と、好感度の高い組み合わせを提案してくれた。
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「店内を回ったときからこの赤のドリズラーは気になってました! チンストラップがついているから冬はマフラーなしでも寒さ対策ができるっていいですよね」(安西)。足元には先のコーディネートにも使用したRRLのスニーカー。
RRLはヴィンテージコレクターとしても知られるラルフ・ローレンが手がけるブランド。1993年にデビューするとたちまち脚光を浴び、90年代を通して高い人気を誇った。休止した期間もあったが、2005年から再び始動している。「バンズかと思ったら違うんですね」と安西が言うと、「RRLのデッキスニーカーは、形もシャープでカッコいいんですよね」と北村さんが教えてくれた。
古着に合うオリジナルや
コラボ商品も!
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新品はセレクトだけでなく、一部オリジナルも展開している。中でもイチ推しはAPOLLON LEATHER (アポロンレザー)製のレザーベルト。好評につき、8月にアップデート版が登場した。バックル横の国旗カラーステッチがポイントだが、つけると隠れるという遊び心のあるデザイン。
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地方でポップアップストアなども開催するアイ&アイ ストア。6月の奈良でのポップストアイベントの際には、注目アーティストのIzumidalee (イズミダリー)さんにフライヤーのイラストを描いていただいた。その柄でシルクスクリーンプリントのスカーフも製作。大判でいろいろな使い方ができる!
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3月に愛媛のみかん農家とコラボしてアイ&アイ ストアの店内で開催された愛媛みかんジュースのポップアップ “TANGERINE meets I&I STORE ”のときには、お土産的な感覚でオリジナルTシャツも製作。センスがよいものばかり!
スタッフとの会話も楽しい!
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安西をもてなしてくれたのはアイ&アイ ストアのインスタグラムなどでもおなじみのふたり。安西の先輩世代で、気軽に話しやすく、頼りになる存在だ。おしゃれへのこだわりもそれぞれに強く、北村さんは胸のバッジのバランスを決めるのにかなりの時間悩んだそう。
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そしてお店への愛も強く、禰冝田さんはTシャツのラック越しにこの位置から見るカウンターがいちばん好きなのだとか。
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カウンターには懐かしのソニーのスポーツラジカセとともに、カルトな人気を誇るアメリカのアーティスト、チーチ&チョンのサイン入り写真が!
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ちなみにアイ&アイ ストアの店名はYOUを使わず「I&I で私たち」というパトワ語(ジャマイカの言葉)に由来する。店内にディスプレイされたスケボーの「I&I STORE」の店名とともに描かれたサウンド・システムのイラストが、お店のカルチャーを物語っている。
「探している靴にもいいものが多かったし、まだまだ着てみたい服もたくさんありました! また来たいと思うことばかりのアイ&アイ ストアです」と安西が言う通り、どれもこれも要チェックなものばかり。接客にも定評があり、古着だけでなく“洋服好き”にぜひとも足を運んでほしい一軒だ。
動画も公開中!
アイ&アイ ストア
住所:東京都渋谷区神南1-13-4 フレームインボックスB1F
TEL:03-6424-4994
営業:12:00~20:00
定休日:不定休
Instagram:@ini_store
WEBサイト:iandi-store.com
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Photos:Yumi Yamasaki
Model:Kazuma Anzai [MEN’S NON-NO model]
Composition & Text : Hisami Kotakemori
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