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お笑い芸人としてだけでなく、独特の視点とセンスで詠む短歌と俳句が話題の、フルーツポンチの村上健志さんの連載。メンズノンノWEBでしか読めない、季節感あふれる“恋”にまつわる俳句とエッセイ、そしてイラストを隔週でお届けします! 雨模様と重なる、切なくも可笑しい第24回。
好きな人に「好き」となかなか言えない。「好きって言われて嫌な人いないよ。」と言う人もいるが、【自分の好きな人から】とか【一回だけなら】と言う条件つきじゃねーかと思う。好きが受け入れてもらえなかった後もしつこく誘ったら連絡すら途絶えてしまうことがある。「押しに弱いよ」なんてこともよく聞くが、それを言ってくれた人に何度アタックしても結局その恋は叶わなかった。好きと言うときは、最初で最後になる覚悟を持たなくてはいけない。でも言いたい。だから、形を変えて好きだと言うことをアピールする。
靴を褒める。買ったばかりの服を着ていく。その人がハマっていると言うアニメを見始め、推しキャラの話をする。花を渡すなんて直接すぎて出来ないけど「もし、いきなり花とかあげたらどう?」と聞いてみたりする。好きな人がデザートを二択で迷っているなら、自分が頼むのはその人が頼まなかった二択のうちのもう一方だ。
少年が、同級生であろう女の子を自転車で追い越して雨上がりの紫陽花に突っ込む。好きと言う代わりにびしょびしょになった顔で振り返り女の子を笑わせようとしている。女の子はただただキョトンとしている。
★Profile/1980年生まれ。茨城県出身。お笑いコンビ”フルーツポンチ”のボケ担当。TV『プレバト!!』(MBS系・毎週木19:00~)での大健闘が話題に。また、情報サイト『好書好日』の連載をまとめた『フルーツポンチ村上健志の俳句修業』(春陽堂書店)も好評発売中。インスタのアカウントは@mura_kami_kenji,
だが、センスが炸裂するイラストのアカウント@kenji_mura_oekaki,@birthdaychairもぜひフォローを。自身のYouTubeチャンネル『フルーツポンチ村上の俳句の部屋』での俳句実況もチェック!
Haiku & text & illustration : Kenji Murakami
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