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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、スノーボード・ハーフパイプの戸塚優斗さん。
SNOWBOARDING
―スノーボード・ハーフパイプ―
「技を進化させ続けて、
ハーフパイプシーンを
引っ張れる存在になりたい」
東京五輪がつい先頃終わったと思ったら早くも北京冬季五輪が年明け2月に迫っている。平野歩夢とショーン・ホワイトが金メダルを争った、あの平昌(ピョンチャン)でのハーフパイプの激闘からもう4年がたとうとしているわけだ。その舞台に16歳の若さで立っていた戸塚優斗。2回目の滑りで転倒して負傷し、3回目に臨むことができなかった当時の悔しさが、彼のその後の劇的な飛躍の原動力になっているという。
「平昌で気づいた自分の弱点を徹底的に練習してきました。なかでもすべての技の『高さ』を上げられたことが自分の中ではいちばん大きかったですね。それと『スイッチバック』(逆のスタンスから後ろ向きの踏み切りで技に入ること)ができるようになったこともいい結果につながっていると思います」
2020年以降はUSオープン、X-GAMESといった世界最高峰の大会で優勝するなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いでハーフパイプシーンのトップライダーへと駆け上がっている。
「最も手応えを感じたのは昨季のX-GAMES。4本すべて、やりたかった技を完璧に決めて優勝できて初めて自分の滑りに納得ができました」
北京では金メダルの期待がかかる。しかし、シーン全体がすごいスピードで進化するハーフパイプだけに、さらなる成長に向けて余念がない。
「例えばみんなができる回転技であってもルーティンの順番で個性を出したり、自分なりの色を出すのが大事。少し前、久しぶりに歩夢くんと練習で一緒になったんですけど、やっぱりすげぇなって思わされる滑りをしていたので自分ももっと頑張らなきゃなって思いました。五輪はもちろん頑張りたいですが、その後も誰もやったことがない新しい技にどんどんトライして、これからのハーフパイプを引っ張れるようなライダーになりたいですね」
PROFILE
戸塚優斗 YUTO TOTSUKA
2001年9月27日生まれ、神奈川県出身。169㎝・63㎏。母親の影響で2歳からスノーボードを始め、小学5年時にプロ資格を取得。高校1年時に2017-18シーズンのワールドカップに初参戦初優勝し、同シーズンのハーフパイプ種目総合優勝を達成。そして2018年の平昌冬季五輪では2回目のライディングで転倒して無念のリタイアとなったが、その後2020年のUSオープン、2021年のX-GAMESと世界最高峰のビッグトーナメントを立て続けに制覇。来年2月に控えた北京冬季五輪での金メダルの最有力候補として注目されている。
Photos:AP/AFLO Composition & Text:Kai Tokuhara
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