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ファッションの細部に魂が宿る! ということで、オシャレな人が秋の始まりに最近こだわっているらしい腰まわりのアクセサリー。調査すると確かに新トレンド、来てました。
最近「腰まわり」で
遊びだしている?
今年の夏のスナップ企画号では、ベルトループに何やらぶら下げているオシャレさんを多数目撃。ウォレットチェーンやカラビナ、キーホルダーなど、その人らしく楽しんでいる様子だったが、このトレンドはどこから、いつの間に? まずは、実際にカイコーのウォレットチェーンを愛用中だというアタッシュドプレスの青木さんにお話を聞いてみた。
「ウォレットチェーン、個人的には2018年頃のコレクションが再ブームの発端だと見ています。S/S、A/Wともに、多くのブランドのランウェイで目にしました。ランバンのようなメゾンから、ミスター・ジェントルマンにウィリー チャバリアといった気鋭のブランドのルックでも登場。以降、コレクションの場外スナップでもチェーンをしている人たちがチラホラ。さらにロックやミクスチャー、90年代にも親和性の強いアイテムですから、そのカルチャー通の上級者も好んでつけてそうですよね。しかも使ってみると実際に便利なのが人気の理由かも。僕自身がそうなので(笑)」(4K プレス 青木万希也さん)と青木さんは、大きめのひざ丈ショーツでストリート感あるスタイリングにまとめながら、上品なシャツをはおって都会的に仕上げているのがうまい。
青木万希也さん
/4K プレス
ひそかなトレンドらしいウォレットチェーンの出どころについて聞いたところで、キーホルダーとカラビナも見逃せない。スナップ常連の松原さんもつけているそうで「キーホルダー、好きですね。自店でもここ数シーズン続けてセレクトしています。近頃のトレンドでは、シャツとデニムやスウェットとスラックスといったシンプルなスタイリングが多いですよね。そこでちょっとしたアクセントになるのがコレ。ジュエリーと違ってキメすぎない雰囲気だから取り入れやすい。最近はアイキャッチなものがますます増えてきて色味で遊ぶのも楽しいですね。ベルトループにカラビナと鍵だけつける硬派で機能性重視の友人もいますが、僕はこのエンダースキーマくらいデザイン性が強いものが好みです」(イエナ エディフィス ラ ブークル ニュウマン新宿店 スタッフ 松原将平さん)と、オーラリーのチェックシャツを主役にした淡いトーンのスタイリングに、イエローのレザーチャームが映える。
松原将平さん
/イエナ エディフィス ラ ブークル ニュウマン新宿店 スタッフ
ウォレットチェーンにキーホルダーにカラビナと、ゆっくりジワジワやってきてたらしい「腰まわり」トレンド。新しいデザインの誕生や、重ねづけ…と今後まだまだ発展か!
時代ごと、若者が熱中した
「腰まわり」クロニクル
1990
パンクロックが
チェーンの火つけ役に
ウォレットチェーンは盗難や落下防止のためにベルトループと財布をつなぐ「鎖」。もともとバイカーカルチャーの中で生まれた機能的なアイテムだが、1990年前後のパンクブームで「鎖」を装飾品として多用するファッションが台頭。アメリカのパンクロックバンド「ランシド」のようなアイコンであるミュージシャンのスタイルに倣い、パンクやミクスチャーを愛する若者がシルバーチェーンやキーリングを重ねづけした。
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2000
カルチャーとともに
日本の若者に普及
カルチャー発信だったウォレットチェーンが2000年にはファッションアイテムとして日本の若者に広く普及。タンクトップにデニムにウォレットチェーンという「ハードなアメカジ」が流行した。『ブーン』や『スマート』などのファッション誌ではクロムハーツやゴローズといった代表的ブランドの特集が組まれ、当時のメンズノンノのスタイリングでも頻繁に登場。時代のアイコン、木村拓哉のスタイリングもブームを後押しした。
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2018
ランウェイで「腰まわり」
アクセサリーが続々登場
2019年春夏、ヴェトモンのルックにウォレットチェーンが登場。ブルーデニムに武骨なレザーベルトとチェーンを施したスタイルが印象的だ。18〜19年にかけ、他ブランドでもウォレットチェーンが多数登場。
2018-19年秋冬、ホワイトマウンテニアリングのコレクションで見られたカラーのカラビナや、重ねづけがアクセントになったスタイリング。アウトドアがルーツのアイテムながらも、ファッション性は十分。
Photos:Erina Takahashi(still) Takahiro Idenoshita(snap) Stylist:Yuto Inagaki[TRON] Composition & Text:Takako Nagai
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