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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、プロ野球(オリックス・バファローズ)の宮城大弥さん。
BASEBALL
―野球―
「一球の大切さをしっかり
心に刻みながら、登板ごとに
成長を重ねていきたい」
この夏に20歳を迎えた高卒2年目左腕が強打者ひしめくパ・リーグを席巻中。エース山本由伸とともに、チームの勝ち頭として首位快走の原動力になっている宮城大弥。驚くべき飛躍だ。
「去年と比べてコントロールがよくなりました。アウトコースに投げるのが苦手でしたが、昨年オフからキャンプにかけてそこばかり投げる練習をしていたので。それが少しずつ身になっていて、今季は変化球でもまっすぐでも制球で勝負できるようになりました」
ピンチに動じるそぶりさえ見せないクールなマウンドさばきは、まるでベテラン投手のような風格を漂わせる。
「よく言われるんですけど、打たれた後は3日くらい落ち込みますし、試合中も全然平常心ではなくて、結構焦ったり緊張もしています。そういうときは後ろを守る先輩たちの顔を見て気合を入れたり、バックスクリーンを眺めて自分を落ち着かせたりしていますね」
大人びたピッチングとは裏腹に、そう語る表情にはあどけなさが残る。飾り気のない素朴な人柄も彼の魅力だ。しかしその内側には、すでに一流の資質ともいえる芯の強さを備えている。
「プロは少しでも甘いボールがいくとすぐにホームランを打たれてしまう場所。日々一球の大切さを学んでいますし、そんな中でチームの大事な勝負がかかったマウンドを任されているので、どの打者と対戦するときも絶対に打ち取ってやるという気持ちで投げています」
高校を卒業してわずか1年半。ゆえに宮城大弥はまだ観客動員制限のある中でしか投げていない。球場に大観衆が戻ってきたとき、本当の意味で彼は球界を代表するサウスポーになるはず。
「早く数万人の歓声が響く中で投げたいです。その日のためにコツコツと成長を積み重ねていきたいですね。でもきっと、満員の球場で初めて投げるときはすごく緊張すると思います(笑)」
PROFILE
宮城大弥 HIROYA MIYAGI
2001年8月25日生まれ、沖縄県宜野湾市出身。171㎝・80㎏。左投げ左打ち・投手。4歳で野球を始め、中学時代に侍ジャパンのU-15代表メンバーに選出。その後、興南高校で1年夏、2年夏の甲子園に出場。3年時の甲子園出場はかなわなかったが、同年秋のドラフトでオリックス・バファローズから1位指名。プロ1年目の2020年10月、東北楽天ゴールデンイーグルス戦でプロ初登板。今季は開幕から先発ローテーションに定着し、8月14日時点でパ・リーグトップの10勝を挙げ、防御率も2.15と抜群の安定感を誇っている。
Composition & Text:Kai Tokuhara
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