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シンプルは深淵で、デザインの塊は細部に宿るとか…。ならば定番品こそ本当にいいものを。そこで、トレンドに囚われず長く愛せるものに目を向けるのが「名品図鑑」連載。ファッションプロを選者に迎え、第27回目のテーマに選んだのはミリタリーパンツ。元々は軍用品として作られたが、今ではすっかりファッションのスタンダードとして定着したアイテム。さまざまなブランドから軍パンが出ているが、大人の男たるもの、素材やシルエットにこだわった一枚を選びたい。今回はファッションプロが選んだ、まさしく名品と呼べる5選をご紹介。
釣り具メーカーの殻を破る
リアルクローズブランド
フィッシングのジャンルでおなじみのダイワから生まれたリアルクローズブランド、ダイワ ピア39。街で着るフィッシングベストの火付け役となったブランドだ。アメリカ軍の6ポケットパンツを元にしたミリタリーパンツは、サラリとした柔らかい生地感とウエストゴムで、気楽に履けるのが嬉しい。裾のコードを調節して、シルエットに変化を付けて着こなしを楽しむのもおすすめ。「武骨なミリタリーパンツですが、素材やシルエットなど細部までこだわっているので上品な印象になるのが魅力です。トップスは綺麗めなシャツやニットなどと合わせたいですね」。(百々 南/ビームス プレス)
パンツ(ダイワ ピア39)¥20,900/グローブライド[TEL:0120-506-204]
美しいドレープと艶感が魅力
21SSよりスタートしたブランド、タンジェント。いわゆるパンツ専業ブランドではなく、ミリタリートラウザー専業という今注目のブランドだ。これはベルギー軍のフィールドパンツをウールのような艶感があるコットンツイル生地でモデファイ。ドレープが美しいドレッシーなルックスが魅力だ。センタープレスが入っているからサイドからのシルエットが強調され、スラックスの様な上品な印象で穿くことができるのがポイント。「このアイテムのいちばんの魅力は上品さです。ジャケットはビッグシルエットで品のあるウールライクな物を、インナーはバンドカラーやロゴスウェットを入れたりして、トラッドな合わせに現代的な抜け感をプラスしたスタイリングがオススメです」。(松原将平/イネア エディフィス ラ ブークル スタッフ)
パンツ(タンジェント フォー エディフィス)¥35,200/エディフィス 新宿[03-5366-5481]
大胆なワイドシルエットと
唯一無二のデザイン
ヴィンテージの要素を反映させたユニークなアイテムを展開するキャルオーライン。そのマウンテンパンツを、ネップが際立つクラシカルなデニム素材で別注した。南米由来のガウチョパンツと米軍山岳部隊のマウンテンパンツという出自の異なるアイテムをうまく組み立てて、ユニークなシルエットに仕上げている。「ステッチの赤糸、ワッペン仕様といった70’Sのファッションを彷彿とさせる遊び心のあるデザインが別注のポイントです。クラシックなテーラードジャケットなどきれいめアイテムのハズシとして着用するのがおすすめです」。(三浦 三郎/アーバンリサーチ プレス)
ジーンズ(キャル オー ライン×サニーレーベル)¥19,250/アーバンリサーチ サニーレーベル グランツリー武蔵小杉店[TEL: 050-2017-9272]
ベイカーパンツを、モダンに。
ユニバーサル プロダクツと、アメリカのワークブランド、ガンホーとの別注ベイカーパンツ。上質な高密度のコットンチノで仕立てたタフな生地感が特徴だ。ワイドなサイズ感ながら1タックを施すことでモダンなシルエットに仕上げている。「元々軍モノは好きですが、これは作り込みもよく老舗ならではの細かいディティールが気に入っています。気を抜いて着られるワイドなシルエットも魅力的です。ニットやスウェットにさらっと合わせてワンツーコーデにしたいですね」。(木下 誉/1LDK AOYAMA HOTEL スタッフ)
パンツ(ユニバーサル プロダクツ×ガンホー)¥19,800/1LDK[TEL:03-3780-1645]
フレンチミリタリー×USネイビー
仏軍定番の「M47」をボンクラ流に味付けした逸品。生地にはアメリカ海軍由来のデッキクロスを使用という、オリジナルでは実現し得ない夢の組み合わせだ。その生地は非常に密度が高く耐久性に優れ、ハリのある表面感が特徴。それだけでなくM47の前期/後期の要素を組み合わせて、ディティールに落とし込むというこだわりぶり。履きこんで洗いをかけて、自分だけの一本に育てたいアイテムだ。「デザイン自体はシンプルですが、USネイビー由来の生地と仏軍のM47カーゴをかけ合わせている事にブランドらしいユニークさを感じます。ゆったり目の白のBDシャツやネイビーのカシミヤのクルーニットなど、上品に合わせるのがおすすめです」。(柳 雅幸/メイデンカンパニー プレス)
パンツ(ボンクラ)¥49,500/メイデンズショップ[TEL:03-5410-6686]
Photos:Yoshio Kato Stylist:Atsuo Izumi Composision&Text:Takako Nagai
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名品図鑑