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人種差別、ジェンダーギャップ、SDGs……これからの時代を担う僕らZ世代はどう考えて何をすべき? 社会問題に詳しい長谷川ミラさんと、リアルな意見を語り合ってみた。
そもそもルッキズムって…?
誰もが抱える外見コンプレックスの背景には、日常的に飛び交う差別発言が。これからの時代に求められる、会話の新マナーを学ぼう!
「デブ」「ブス」を堂々と
言える社会ってヘン!
岩上 ルッキズムって言葉を今回、初めて聞きました。いろいろ調べてみたけど、いまいち意味がつかめなくて……。
長谷川 直訳すると“外見主義”で、外見による差別を指す言葉。とくに欧米諸国では、近年とても問題視されている差別のひとつです!
樋之津 体型や髪型などですか?
長谷川 そう。例えば、日本でよく使われているルッキズム的な言葉がデブ、ブス、ハゲ。いまだにテレビで堂々と言われているのが信じられない!
岩上 確かに。とくにお笑い芸人は、外見で笑いを取るのが定番になってるよね。
長谷川 そもそもルッキズムが起きるのは、美しさの定義がとても狭いから。日本の女性なら肌が白くてスリム、男性なら背が高くて細マッチョ。私たちは、それに当てはまらないだけでコンプレックスを感じてしまう社会に生きてるんですよ。
樋之津 女性の体型に対する意識の高さは、ちょっと過剰かなと感じることがありますね。僕からすると全然太っていないのに、つねに“痩せなきゃ”ってダイエットしている子が少なくない。
長谷川 まさに、太っていることへの批判の多さを物語っている現象だよね。自分のために痩せることは悪くないけど、“痩せなきゃ”っていうのは強迫観念からくる言葉。
岩上 事実、メディアで“美しい”とされる人はみんな細いからな……。
長谷川 ふたりは“プラスサイズモデル”って知ってる?
岩上 確か、いろんな体型のモデル……?
長谷川 そうそう。海外では近年、幅広い体型のモデルを起用するブランドが増えてるの。これまではワンパターンだったけど、実際その服を買う人の体型はバラバラ。ならば、より多くの人が共感できる体型のモデルを起用するべきだ! という声が挙がって、浸透していったんです。
岩上 それを続けることで、美しい体型の固定観念を壊すことにつながるのか!
外見についての発言は
NG!な時代が来る!?
樋之津 “筋肉をつけるために太りたいけど、いくら食べても太れない”という友達もいますね。痩せていることに悩む人もいるのか、と驚きました。
長谷川 そういう人からしたら、逆に細いことがコンプレックスだったりする。だから安易に、“細くていいね!”って褒めるのは危険なんですよ。欧米諸国ではすでに、外見にまつわるコメントは禁句! が常識。日本も近々、そういう時代が訪れると思う。
岩上 でも女性はよく、“髪型や服装の変化に気づいてほしい”って言うよね!? 言っていいことと悪いことの線引きが難しい!
長谷川 恋人だったら全然アリ! でも初対面や顔見知り程度の関係性だと、“見た目にすごくこだわる人なんだ”って思われちゃう可能性があるかもね。
樋之津 わかります。僕も“今日、おしゃれじゃん”って言われると、うれしい半面、つねに見られてるんだな……とプレッシャーを感じることがあるので。
長谷川 だよね!? 服や髪型、メイクって本来、自分をハッピーにするためのもの。自分が満足してたら、それでいいはず!
岩上 おしゃれに関しては、日本もかなり多様化が進んでる気がしない? とくに両親の世代と比べると、ファッションのテイストの幅がめちゃめちゃ広いなって。
樋之津 そう思います。男性もメイクするのが普通になってますもんね。
長谷川 男性のメイク、気になってた! もう、批判されることはまったくない?
岩上 同世代からはないけど、年配の方たちがちゃかしてる場面は、まだ見るかな。
樋之津 僕もメイク未経験だった頃は、正直、違和感がありました。でも実際に試してみたら、メイクって最高じゃん!って(笑)。印象が180度変わりました。
岩上 食わず嫌いと一緒で、未知のものと出会うと、恐怖心から拒絶しちゃうことってあるよな。知識の少なさや視野の狭さが、ルッキズムの原因のひとつなのかも。
長谷川 薄毛の人をダンディだと感じる人がいたり、美的センスって十人十色。自分の嗜好(しこう)を批判されたら嫌なように、他人も批判しないのが当然だと思う!
Z世代のスピーカー
モデル 長谷川ミラさん
1997年7月7日生まれ、東京都出身。2017年、『テラスハウス』ハワイ編に出演。現在はラジオ番組『START LINE』(J-WAVE・毎週金曜16:30〜)のナビゲーターを務めるほか、『サンデー・ジャポン』(TBS系・毎週日曜9:54〜)に不定期出演中。SNS&YouTubeチャンネルで環境保護や社会問題を取り上げ、同年代から絶大な支持を誇る。
3人の衣装には、サステイナビリティに考慮したアイテムが多数。
[ミラさん]ビスチェ¥21,450・トップス¥47,850・パンツ¥38,500(すべてYanYan)/LYDIA イヤーカフ¥18,700・ネックレス¥110,000(ともにSARARTH)/サラース カスタマーサポート [岩上]Tシャツ¥4,730・ロンT¥5,830/ブリング エビス [樋之津]シャツ¥2,499/H&M カスタマーサービス Tシャツ/スタイリスト私物
Photos:Yuki Kato(model) Hair & Make-up:Naoko Matsuoka Stylist:FUKAMI(for Ms. Mila Hasegawa) Atsuo Izumi(for Hinotsu, Iwakami) Models:Rintaro Hinotsu Shunya Iwakami[Both are MEN’S NON-NO models] Illustration:Midori Komatsu Composition & Text:Ayano Nakanishi
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