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多額の詐欺で世間を騒がせるニュースもあるけど、身近なところでも甘い蜜はたくさん。なかには正しい“ウマい”話もあるので、冷静な目で判断したい。
大河内 薫さん
芸術学部卒という異色の経歴を持つ税理士。株式会社ArtBiz代表取締役。Webでの発信が得意で、税理士として日本一のソーシャルメディアインフルエンサー（YouTubeチャンネル登録者数33万人、Twitterフォロワー数10万人、Voicyフォロワー数７万人）でもある。現在は日本にお金の教育を広めるべく活動中。
ウマい誘い文句①
マッチングアプリで
最近知り合った女性から
マッチング後に相手の恋愛感情を利用して、貴金属や高級ブランド品などを買わせるタイプの詐欺が横行している。お店とグルになって高額商品を購入させるという事例も。最初から交際する意思がないにもかかわらず、気を持たせるように男性側が断れない状況に追いやるから怖い…。
ウマい誘い文句②
羽振りのよさそうな
大学のサークルの先輩から
USBメモリに金融取引の必勝法ソフトを埋め込み売りつけるUSB詐欺が大学生の間で流行している。誰かを紹介して購入契約を結ばせるとバックマージンが入る仕組みで、いわゆるマルチ商法というやつだ。いくら先輩からの誘いとはいえ、断る勇気を。楽してもうかる投資話は絶対にない！
ウマい誘い文句③
久しぶりに連絡が来た
元・中学校のクラスメートから
親しい友人と旧交を温めるつもりが「最近落ち込んでたけど元気になる栄養ドリンクで即回復したの。人に紹介して売ればお金が入るし、人脈が広がるし、いいことずくめだよ」とペラペラまくしたてられて…。新年度はこうしたねずみ講の勧誘が盛んになる季節でもある。適度な警戒心を持って、健全な交友関係を。
ウマい誘い文句④
オンライン授業の合間に見た
ネット広告から
SNSやそこに掲載されている広告によって詐欺的な副業に誘導される被害が急増中。よくバナー広告としていろいろなサイトに現れるので、クリックしてしまいがちだけどワナにはまらないように。良心的なサイトであれば「楽してお小遣い稼ぎ」などといった甘い文句を前面に打ち出したりはしない。
読者の詐欺被害リアル体験談
T.M.さん
（29歳・会社員）
飲んだ帰り道、写真のようなショートメールが。ほろ酔いで、その年は投資信託やFXに挑戦し始めたこともあり、本当に国税庁からのメールだと信じてしまいました。リンク先に飛ぶと、ネット専用のプリペイドカードを購入して４万円払ってくださいという流れに誘導され、その時点でもかなり怪しかったのですが。急いでコンビニに行ってプリペイドカードを買い、記載のコードを入力。翌日、プリペイドカードのチケットの控えを奥さんが見て、詐欺ではないかと疑ったところで気づきました、だまされたのだと。警察には「同じ手口に周りの人が遭わないように広めてほしい」と言われましたが、恥ずかしくて２人くらいにしか言えていません。
▼実際のメール
ウマそうな話に
気をつけるために
「絶対にもうかる」という話は
ウソだと思ったほうがいい
「これを今買うと倍になるよ」なんて話は全部ウソです。楽して稼げる話はありません。あなただけを稼がせますっていう話は120％ないです。今日誕生した暗号資産をたまたま購入できて、それが爆上がりする可能性はゼロではないですが、向こうからやってくることはありません。“おいしい話”は独力で探して勉強してさらに追求して…と、たゆまぬ努力をしてつかむもの。その道のプロになるぐらいの気持ちで勉強して、やっとスタートラインに立てるぐらいだと思います。
Photos:Yumi Yamasaki Illustrations:Piroyo Arai Composition & Text:Masato Nachi
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