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春、新生活が始まる季節。新しい学校や職場でうまくやっていけるのか…と不安な人も多いだろう。コミュ力が高い人=“コミュ力おばけ”は、どうやってその力を身につけた? 心意気や考え方、過去の失敗まで語ってもらった!
こうして後輩を
和ませてくれる。
この姿こそまさに
“コミュ力おばけ”
ですね!
あんた、
意外といいこと
言うじゃない。
ヨッ!
絶好調!
トンツカタン
森本晋太郎さん
トリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。『トンツカタン森本&フワちゃんのThursday Night Show』(テレビ朝日系)などに出演中。趣味は配信。様々なチャンネルでほぼ毎日生配信をしている。
オアシズ
大久保佳代子さん
光浦靖子と「オアシズ」を結成。『ノンストップ!』(フジテレビ系)など、情報番組からバラエティ番組まで幅広く活躍。著書『まるごとバナナが、食べきれない』(集英社)が発売中。
コミュ力が高い人は
“相手に興味を持てる人”
大久保 私は人見知りだし、昔からコミュ力が高いというわけではなかったと思うんだよね。ただ年を重ねて今思うのは、“コミュニケーションはひとりで行うものじゃない”ということ。相手がいるんだから何か言えば反応は必ず返ってくるはず。コミュニケーションに悩んでいる人は、ひとりでうまいことやろうと気負いすぎているんじゃないかな。相手を信用する、頼るという気持ちを持ってみたらいいと思う。
森本 僕は、コミュ力とは“相手に興味を持つ力”だと思います。
大久保 いいね、出だし好調っ! 見出しに太字で入るんじゃない?
森本 すぐちゃちゃを入れてくる(笑)。相手に興味を持てば自然と質問も湧いてきますし、そうなると先ほど大久保さんが言っていたように独り善がりになることもなくなるじゃないですか。“相手を知りたい”という気持ちこそ、コミュニケーションの始まりなんじゃないでしょうか。大久保さんは交友関係が広いイメージですが、人間関係で悩んだことってありますか?
大久保 もちろんあるよ。芸人の仕事を始めた最初の頃は知り合いも少なくて、特に大人数の楽屋が怖かった。“こいつ面白くねぇな”って思われたらどうしようとか、つまらないプライドがじゃまをしてなかなか共演者に話しかけられなくて。一度喋(しゃべ)れなくなるとどんどん喋れなくなる。そうすると無口なキャラクターだと認識されて、周りからも話しかけてもらえなくなる…という悪循環。その殻がなかなか破れなかったときは嫌な時間を過ごしたな。
森本 どうやって脱却したんですか?
大久保 あるとき、黙っている時間がもったいないなと思って。近くにいた人にちょっとだけ話しかけてみたのがきっかけかも。一度話しかけてみれば、会話なんてほとんど雑談だし、みんな大した話をしているわけではないんだって気がついた。そこからは、「今日帰ったら何食べます?」とか小さなことを、何でもいいから話しかけようと思えてきた。だって、ただ黙っているだけで話しかけられ待ちなのも失礼な話じゃない? 同じ場にいるのだから、相づちを打つなり笑うなり、何でもいいから自分からアクションを起こす、みんなでコミュニケーションをとることに積極的に参加するべきだと感じるようになったんだよね。
森本 確かに、普段全然喋らない人に話しかけられたら、“え! いつもおとなしいあの人が自分に話しかけてくれた!”とうれしさが倍増する気がする! 今は全然喋れなくて困っている人でも、それが“フリ”として有利に働く可能性もありそうですよね。“この人いつも喋らないのに、実は僕の夜ご飯が気になっていたの!?”って。
大久保 それはそれで怖いけどね。変な人だと警戒されそう。
共感、からの裏切り!
“手のひら返し”が喜ばれる?
森本 僕はひな壇のような番組で声を上げるの、めちゃくちゃ緊張します。大久保さん、どうすれば緊張せずにトークに参加できるんですか!
大久保 私だって緊張するよ。昔は“やってやるぞー”と肩をぶんぶん回しながら収録に臨んでたけど、そうすると“用意してきたトーク”になってしまうから話がかみ合わなかったりして。
森本 わかる! これはもう芸人あるあるですよね。
大久保 今はもう少し全体を見つつ、“今ならいけるかも”という隙間を見つけるのがうまくなったかも。張り切りすぎると声量が違って、隣の人を驚かせてしまうこともあるからね。トーク終わりにかぶせてツッコもうと思ったらまだ話の途中で、ただじゃまをしてしまっただけになったり。失敗だらけですよ。森本君はどう?
森本 僕は会話に入り込むのはリズムゲームだと思っています。これは番組収録でも普段の生活でも同じ。いかにトークのリズムに乗って、いいタイミングで自分の声を入れ込むか。収録では落ち込むことも多いですけど、自分がうまく振る舞えなくても、その分誰かが活躍できたのなら番組にとってはプラスなんだ、ということを自分の落としどころにはしていますね。
大久保 相手との関係性も大切になってくるよね。私は自分より年上の女優さんや歌手の方と同じ番組に出るとき、まず前半ではその人と同じ立場をとるのよ。例えばその人が年寄り扱いをされたら“わかる~! 同じです、本当つらいですよね”と共感する。そこで信頼関係を築けたなと思ったら、後半では“うっせぇな、ババア! お前だけだよ!”と急に手のひらを返す。これをすると、喜んでくれるんですよ。
森本 すごい! 本気のテクニックを出してきたぞ! こんな技、バラしちゃって大丈夫ですか!?
“うっせぇな、ババア!”で愛されろ!
トークは、リズムゲームだ!!
コミュ力は、話しかける勇気が
あるか否かで決まる!
大久保 コミュニケーションに悩むメンズノンノ読者に伝えたいのは、人はそこまで自分に興味がないのだということ。だから気負いすぎず、気軽にいろんな人に話しかけてみればいいと思う! “あのとき言いすぎたかな”と思っても案外相手は気にしていないということも多いし。やっぱり相手がいてこそ成り立つ、というのがコミュニケーションの難しさでもあり、面白さ。周りを巻き込んでコミュニケーションを楽しむべし!
森本 人間、生まれつきのコミュ力にはそんなに大差はないと思うんです。違いは、第一声を発する勇気があるかないかという点。緊張するとは思いますが、臆せずに話しかけるというアクションを起こしてみたらきっと可能性が開けてくるはず。失敗しても、のちのち笑い話になるはずだから大丈夫!
Photos:Mai Shinya Hair & Make-up:Terue Haruyama Stylist:Nanako Noda(for Ms.Okubo) Yusuke Matsumoto[anahoc](for Mr.Morimoto)
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