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10代の頃に知り合った、すてきなタイ人の友達と訪れた本国で魅了されたというタイ料理。それ以来大好物になり、がんばった日に食べるごはんに。そんな大切な味を楽しむため、人気店を訪れた。
vol.23 Thailand

優しい人がつくる料理って甘くて、
辛くて、奥深い
本国のムードを感じる一軒家の窓辺で、日の光を浴びながらいつも必ず頼むという「パッタイ」からスタート。

「私は鹿児島出身で南の人間なので、タイ料理の甘辛い味が大好き。特にパッタイって、つくる人の人柄が出る料理だと勝手に思っていて。食べ進めるほどに奥深いコクが押し寄せてきて、お店の方の優しさと愛情深さを感じました。もやしが生で添えられていたら、麺の下に隠してちょっと蒸すんです。半生の食感が好みで(笑)」。

次はさっぱりした味わいの「ソムタム」を注文。「友達にすすめられてタイで食べたら好きになった青パパイアのサラダ。後を引かない、“去り際のいい辛さ”がいいんです。ほどよい酸味とシャキシャキした歯応えがおいしくて延々と食べちゃう」。

最後は、香ばしく焼かれたタイの焼き鳥「ガイヤーン」。「スパイスやハーブがきいた味はクセになる。辛いソースのナムチムをつけるとアクセントが出て、よりおいしくなります!」
Today’s menu.1

甘辛のタイ風焼きそば「パッタイ」(¥1,250 ※ランチはサラダとスープ付き)。モチモチした歯応えの米粉の麺“センヤイ”とプリプリのエビに、後から添えるシャキシャキの生もやしとニラがマッチする。
Today’s menu.2

青パパイアのサラダ「ソムタム」(¥1,300)。タイの果実タマリンドやフィッシュソース、レモンを使った甘酸っぱい味が食欲をそそる。みずみずしい食感が魅力。
Today’s menu.3

タイ風の焼き鳥「ガイヤーン」(¥1,350)は、一日漬け込んだスパイスとハーブが香ばしい逸品。つけ合わせのパクチーをお好みで。唐辛子のソースのナムチムをつけて、辛味を足して味を変えるのもオススメ。
THAI MAKIN CUISINE(タイ マキン キュイジーヌ)
江東区白河3の6の10
TEL:03-5809-8465
営業時間:[ランチ]11:00〜14:30(L.O.14:00)、[ディナー]17:30〜21:30(L.O.21:00)
※月曜はランチのみ営業 火・水曜休
ネガポジの灯火………文・上白石萌音
以前、タイに滞在した際に、一番耳にした言葉は「マイペンライ(=大丈夫)」だったように思う。「微笑みの国」の二つ名にふさわしい穏やかな笑み。その瞳の奥がみな、ドキッとするほど繊細そうだったのを覚えている。
「大丈夫」。今日も何回口にしただろうか。人生であと何回口にするのだろう。
どこからどう見ても大丈夫な時、「大丈夫」は生まれない。「大丈夫?」も「大丈夫。」も、大丈夫じゃなさそうな時にしか発されない。「マイペンライ」も「ケセラセラ」も「なんくるないさ」も、憂慮の影があるからこその快活な響きだ。生きる術だなと思う。不安を噛んで飲んで笑う強さ、そうやって生きてきた人たちの優しさよ。
だからなのだろうか。ちょっと大丈夫じゃなさそうな日、緊張や寂しさに飲まれそうな日に、私はよくタイ料理の口になる。あの人懐こい甘辛さは、無理矢理ではない、寄り添った明かりをくれる気がするのだ。すごく仲良くなれそうな味、と、食べるたびに思う。

お店を営むご夫婦が好きなチェンマイのレストラン「ジンジャー ファーム キッチン」から着想を得た色鮮やかな店内。「爽やかでかわいらしいグリーンは、チェンマイで買ったセラドン焼きの器に似ていて、タイでの楽しかった時間を思い出します」。そんな店内に映える花柄のブラウスとタイパンツを着た萌音さん。「ナチュラルなグリーンの花柄とオレンジの組み合わせがオリエンタルな感じで好き。タイパンツは、自分の体に合わせて着られるという意味で着物に近くて落ち着くし、たくさん食べても緩められるから便利!」

PROFILE
1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。2011年にデビュー。女優、歌手としても活動。近年の出演作に、映画『夜明けのすべて』『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』や舞台『千と千尋の神隠し』、ドラマ『法廷のドラゴン』などがある。また、公開中の映画『35年目のラブレター』にも出演している。現在、最新アルバム『kibi』が好評発売中。
ブラウス(ソレイアード)¥31,900/トゥモローランド その他/スタイリスト私物
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Photos:Sodai Yokoyama Hair&Make-up:Tomoko Tominaga Stylist:Lisa Sato[BE NATURAL] Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y] Director:Taro Usuda Movie Camera:Noriyuki Fukumoto
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