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スウェーデンの音楽グループABBAを聴いて育ち、スウェーデン人の考え方“ラーゴム”に共感するという萌音さん。自身の感性に影響を与える国の料理に、ワクワクが止まらない。
vol.22 Sweden

日本人にも寄り添う優しくて特別な味覚
定番の前菜「ニシンのマリネ三種盛り合わせ ポテト添え」からオーダー。

「1種類の魚をマスタード、チリ、ビネガーといろいろな味つけでいただく前菜は珍しいですよね。どれも『この味好き!』というど真ん中の味わいで幸せになる」。次に頼んだ「“ヤンソンスフレステルセ”」は香ばしい湯気とともに登場。

「いくつもの逸話から“ヤンソン氏の誘惑”と名づけられたグラタンだ。口の中で広がるポテトと生クリームソースの甘みと優しさ。そこに、アンチョビの塩味のちょっとした刺激。このメリハリは誰でも誘惑されちゃう。勉強になります(笑)」。

最後はメインの「スウェディッシュミートボール リンゴンベリー添え」。「まろやかなブラウンソースがお肉とすごくマッチします。甘さと酸味があるリンゴンベリージャムをつけると、味が少し人懐っこくなる感じがする。スウェーデン料理は特別感はもちろん、日常に溶け込むおいしさがありますね」
Today’s menu.1
北欧の代表的な前菜のひとつ「ニシンのマリネ三種盛り合わせ ポテト添え」(¥1,900)。マスタード、チリソース、ビネガーの3種類の幅広い味を楽しめる。新鮮なニシンをしっかりしめておくことで、本来のうま味を引き出す。

Today’s menu.2

「“ヤンソンスフレステルセ”ポテトとアンチョビのグラタン」(¥1,800)は、どんな人も魅了してしまうおいしさから「ヤンソン氏の誘惑」という名前がつけられた伝統料理。アメ色に炒めた玉ねぎと細切りのじゃがいもの層にアンチョビを挟み、生クリームなどを加えてこんがり焼いている。
Today’s menu.3

「スウェディッシュミートボール リンゴンベリー添え」(¥1,900)は、ミートボールにリンゴンベリー(コケモモ)のジャムをつけて食べるのが特徴。の骨や肉などから作る出汁のフォンドボーと、小麦粉とバターをメインとしたベシャメルソースを合わせたブラウンソースで。ソースのコクとジャムの酸味がお肉と相性抜群!
LillaDalarna(リラ・ダーラナ)
港区六本木6の2の7 ダイカンビル2F
TEL:03-3478-4690
営業時間:[ランチ]11:30〜15:00(L.O.14:30)、[ディナー]18:00〜23:00(L.O.21:30)
日曜・祝日休
憧れのラーゴム………文・上白石萌音
スウェーデンに「ラーゴム」という言葉がある。「ちょうどよい」という意味で、ひとびとの行動基準にもなるような大切な考え方だそう。
ちょうどよい、か。顧みれば私は、公私問わずいつでも「過不足はないか」と気にして生きているところがある。どちらかと言えばビクビクと。でもなんとなく、スウェーデンで言う「ラーゴム」には、もっと朗らかな、前向きな語感が含まれているのではないかと感じる。「これでいいだろうか」ではなく、「これがいいよね」というニュアンス。
まさにその概念が味になった! といえる食事だった。そうそう、これこれ。安心感のある味。ブラウンソースとリンゴンベリージャムなんて人生で初めての組み合わせだったけれど、本当だ、ちょうどいい。何を食べてもど真ん中を突かれる心地良さ。
おばあちゃんになる頃には、こんなちょうどよさをにこやかに示せる人になっていたいなと思った。今はまだ慎重に、私なりのラーゴムを探す日々。


北欧の調度品に囲まれた店内を見渡し、ほほ笑む萌音さん。「アートや本が並ぶ、ワクワクと安心感のある空間。店名の由来でもあるダーラナ地方で作られる工芸品の『ダーラヘスト』(木彫りの馬)がかわいい! 服はお店に合うような、カジュアルだけどきちんと感もあるチェック柄のセットアップを選びました。肌触りが優しくて、リラックス感のある雰囲気がお気に入り。アクセントの赤いソックスもポイントです」

PROFILE
1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。2011年にデビュー。女優、歌手としても活動。近年の主演作に、映画『夜明けのすべて』『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』や舞台『千と千尋の神隠し』がある。現在放送中のドラマ『法廷のドラゴン』で主人公の天童竜美を演じる。また、公開中の映画『35年目のラブレター』にも出演。
ジャケット¥81,400・中に着たシャツ¥55,000・スカート¥44,000(すべてストックホルム サーフボード クラブ)/エドストローム オフィス その他/スタイリスト私物
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Photos:Sodai Yokoyama Hair&Make-up:Tomoko Tominaga Stylist:Lisa Sato[BE NATURAL] Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y] Director:Taro Usuda Movie Camera:Noriyuki Fukumoto
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