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20歳になったらお酒は飲めるようになるけれど、誰かが飲み方を教えてくれるわけじゃない。お酒初心者の僕たちが、まず知っておきたいこととは?お酒と仲良くなるための、お酒ビギナーに向けた本連載。今回のテーマは「ウイスキー」。
ウイスキーと仲良くなってみ隊!
「ウイスキーの味って?と言われると説明が難しいですね…飲み比べたこともないのでうまく言葉にできません…。おいしいウイスキーとはどういうものなのかを知るために、今日はじっくりお話を聞きたいです」。そう語るのはお酒初心者メンズノンノモデル 稲井孝太朗。今回訪れたのは、東京・蔵前にあるリカーショップ「きみどり」。ウイスキーを中心に蒸留酒を約600本取り揃えており、すべて量り売りしているのが特徴だ。その楽しみ方、おいしさを知り尽くした店主の森本さんに、初心者が知っておきたい4つのコトを教えてもらった。
教えてくれたのは…
教わったのは…
知っておきたい「ウイスキー」のコト①
はじめの一歩は“感受性”を大切に!
稲井孝太朗(以下、稲井):本日はよろしくお願いします。早速ですが、店内を囲むようにぐるりと陳列されたボトルの数に圧倒されています…!ここにはウイスキーを中心とした蒸留酒が約600種類あるとお聞きしました。この中から自分好みのものを探すために必要な心得はありますか?
森本 隆介 さん(以下、森本さん):豊富な知識を身につけて楽しむマニアの方もいらっしゃいますが、最初にお伝えしたいのは「ウイスキーは気軽に楽しめる液体」ということ。例えば稲井さん、コーヒーは好きですか?
稲井:はい!家でもお店でも愛飲しています。最近はブラックコーヒーのおいしさにも気づき始めました。
森本さん:コーヒーを好きになるために、最初から生産地や豆の挽き方を学んだりしましたか?
稲井:いえ、学ぶより先に色々な種類を飲むことが多かったです。次第に、自分は苦味と酸味のバランスが中間くらいのものが好きだなと気づいて。そこから自然と、好みに合った豆の生産地や挽き方の知識も頭に入ってくるようになりました。
森本さん:まさにウイスキーも、その感覚で日々の生活に取り入れてほしいんです!はじめの一歩に必要なのは、感受性だけ。脳みそを使う必要はありません。「甘いから好き」「いい香りだから好き」というシンプルな感想だけでも、ウイスキーの選択肢は広がるんですよ。僕の目標は、稲井さんのような若い世代が日常的にウイスキーを楽しめるようになること。ここ『きみどり』にも、コーヒーを飲みにくるような気分で足を運んでいただくだけで大丈夫。あなたの感受性をくすぐる一杯を探すお手伝いができれば嬉しいです。
知っておきたい「ウイスキー」のコト②
ソーダ割りや水割りもいいけれど、まずは「ストレート」で楽しもう
稲井:僕は普段、ウイスキーのソーダ割り、いわゆるハイボールをよく飲むのですが、初心者におすすめの飲み方はあるのでしょうか。
森本さん:ハイボール、おいしいですよね。しかしながら、初心者の方がウイスキーに挑戦する時はまず、氷や割りものは入れない「ストレート」で楽しむことをおすすめしています。ウイスキー本来の香りと味をダイレクトに楽しむことができるからです。
稲井:初手でストレートですか!いきなりステップアップした気分です。
森本さん:ストレートで飲むか、ソーダで割るかというのは、いわば調理方法の違い。例えばここに新鮮な魚があるとします。稲井さんはどんな調理方法で食べたいですか?
稲井:新鮮な魚ならば、まずは刺身で食べたいです。
森本さん:そうですよね。ウイスキーも同じです。素材のおいしさをダイレクトに楽しむためなら刺身=ストレート、違う味わい方も試してみたいなら煮付け=ソーダ割り、と考えてみるのはいかがでしょう?本来の味や風味をを知ってからの方が、アレンジの幅も数段に広がると思いますよ。
知っておきたい「ウイスキー」のコト③
「ストレート」で飲む時はゆっくり口の中で味わおう
森本さん:では、ストレートの基本の飲み方をお伝えしますね。(実践している様子は後編をチェック)
①少し口に含んだら、飲み込まずに舌の上に置いてください。
②そのまま約30秒ほど舌の周りを巡らせてみてください。(最初は舌がピリッとするかも)
③唾液とウイスキーが混ざり合うと、味が変化していくのがわかると思います。口の中でウイスキーがまろやかになっていき、広がる甘みと香りを楽しんでください。
稲井:かなりゆっくりと時間をかけて味わうんですね。
森本さん:ウイスキーは空気に触れると味が開き、香りが変化していきます。そして時間をかけるとさらに味わいも変化していきます。もし家で飲む時があれば、3時間ほどかけてゆっくりと飲んでみてください。その違いに驚くと思いますよ。
稲井:3時間!ウイスキーはお店で飲むものと思っていましたが、そんな贅沢な楽しみ方が家でできるんですね。まさに、大人の時間!
知っておきたい「ウイスキー」のコト④
大切なのは「愛を持って嗜む」こと
森本さん:ここまで、気軽に楽しんでほしいとお伝えしてきましたが、ウイスキーは他よりも度数の高いお酒。粗雑に飲むと、思った以上に酔いが回ってしまうことがあります。ウイスキーの楽しさを知ったからと言って、大量に飲む必要はありません。大切なのは「愛を持って嗜むこと」。
ワイワイ楽しむ時も、ゆったり味や香りに向き合う時も、その一杯にかけられた時間や手間を感じながら飲んでみてください。水を飲むのも忘れずに。もちろん、失敗から学ぶ時もありますが(笑)。愛を持って嗜むことができれば、あなたも大人の仲間入りです。
稲井:「愛を持って嗜む」…!僕のウイスキー道は始まったばかりですが、とてもいい言葉だなと思いました。ウイスキーの本当の楽しみ方に一歩近づけた気がします。実際に飲んでみて、味の違いなどに触れてみたいです!
ウイスキーをもっと身近に楽しんでみよう
ウイスキーの基本を学べたところで、続いて森本さんと一緒にウイスキー選びをすることに。果たして自分好みの一杯に出会えるのか!?気になる続きは後編にて公開。お楽しみに!
Illustrations:Oto Hayakawa Photos:Kaho Yanagi Model:Kotaro Inai [MEN’S NON-NO model]Composition&Text:Risa Kawamoto
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