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好評につき、今回からパワーアップ! 記念すべきリニューアル回で思い浮かんだのは、メキシコに住んでいた際に旅行で訪れたというペルー。あのとき食べたおいしい思い出を振り返りたくて、東京・原宿で本格ペルー料理を提供するお店へ足を運んだ。
vol.11 PERU
思いがけない料理から生まれる優しく繊細な味。それは、美食の国の証。
本国の旧市街にあるレストランのエッセンスをちりばめた、高級感に満ちた店内に気分が上がる。「こんな大人な空間でペルーの食材を使った本格的なコース料理を楽しめるなんて!」とすでに入り口から笑顔があふれる萌音さん。
1品目にやってきた「魚介のセビチェ」を実食。「さっぱりとした味の新鮮なお魚とパンチのきいた柑橘(かんきつ)の組み合わせはやっぱり好き。それに柔らかなトウモロコシのアクセントが絶妙。昔メキシコで食べていた味に近くて、一瞬で中南米に『ただいま!』という気持ちになりました(笑)」。
続いて「カニのカウサ」と「プルポ・アル・オリーボ」の冷菜の盛り合わせが登場。「ひとつはカニとビーツ、もうひとつはタコと紫オリーブ。この食材の使い方でペルーは美食の国だなって感じます。一見、格式高いけど食べると親しみやすい。人でもいますよね。そのギャップ、みんなが好きになっちゃうやつ!」。
前半でしっかり料理にほれ込んだところに続いて「国産牛ハツの鉄板焼き」。「炭火のいい香り! 香ばしさとお肉のうま味がひとつになっていて、ひと口で幸せ。スパイシーな味つけだけど、丸みのある優しい味で体も心も大満足〜」
メインディッシュは、コリアンダーと和牛の煮込みと炊き込みごはん。
「ほろっとほどけるほど柔らかなA5ランクの牛肉と、まろやかなコリアンダーのソースは相性抜群! お肉の出汁(だし)やコリアンダーで炊いた香り高いごはんと調和して、口に入れるたびにお店の愛を感じる」。
この日着た服は、萌音さんが昔ペルーで見かけたという、刺繍(ししゅう)に彩られた服をイメージ。「現地の女の子が着ていた、手づくり感のあるワンピースやニットがかわいくて、あんな格好したいなって。お店にあったペルーの民芸品、プカラの牛とペアルックみたい(笑)」。
TODAY’S MENU
「デグスタシオンコースB」(6品+デザート/¥8,800)のうち、シェフおすすめの3品を紹介。
国産牛ハツの鉄板焼き
見た目の力強さと裏腹に繊細な味を持つ「国産牛ハツの鉄板焼き」。炭火で焼くことでおいしさを閉じ込めながら、香ばしさを引き出している。
魚介のセビチェ
「魚介のセビチェ」は、新鮮な魚にライム、唐辛子、コリアンダーを和(あ)えた爽やかな味わいのマリネ。食欲を刺激する酸味、辛味と、つけ合わせにあるサツマイモやトウモロコシの甘味とのメリハリを楽しむ。
[左]プルポ・アル・オリーボ
[右]カウサ
前菜の定番であり種類も豊富な「カウサ」(右)は、マッシュポテトの土台に、カニとビーツの和えものを添えている。それぞれの濃厚な甘味やうま味を堪能。左の「プルポ・アル・オリーボ」は、柔らかくゆでたタコとクリーミーな紫オリーブのソースを和えた定番料理のひとつ。
ペルー料理 bépocah(ベポカ)
渋谷区神宮前2の17の6
TEL:03(6804)1377
営業時間:月〜金18時〜23時(L.O.22時)、土17時〜22時(L.O.21時)
日曜休
※メニューは変更される場合がございます
コースに沿って………文・上白石萌音
忘れられない景色がある。10歳の冬、当時住んでいたメキシコから家族で訪れたペルー、空中の古代都市マチュピチュ。歴史のことなどよくわからないなりにも「なんだかすごい」と思っていたら、突如として上空に大きな虹がかかった。歓声を上げる観光客。動じぬ笑みで佇むリャマ。なんだかすごい遺跡。ずっと心に潜んでいたあのカオスな高揚感が、ペルーの空気が、料理の味で一気に蘇(よみがえ)った。そうそう、そうだった。
ところでコース料理って本当にありがたい。なるべくいろいろ人に決めてほしいという私の性格に合っている。シェフのおすすめが、最高の間とバランスで提供される。それでいて、飲み物やデザートのチョイスでちょっとした自我だって出せてしまう。
凛(りん)として美しい佇まいでありながら、人懐っこい味わいのペルー料理の品々。私はもう26歳で、ここは東京。でも心はたちまち10歳のペルーに飛んでいく。コースに沿って辿(たど)り着いたのは、懐かしい幼き日。
PROFILE
1998年1月27日生まれ、鹿児島県出身。2011年デビュー。3月から日本とイギリスで舞台『千と千尋の神隠し』を再演する。女優だけでなく、歌手としても活動中。2月9日公開の映画『夜明けのすべて』で主演を務める。
ワンピース・カーディガン(ともにフリーダ)[ともに参考商品]/フリークス ストア渋谷
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Photos:Sodai Yokoyama Hair & Make-up:Tomoko Tominaga[Allure] Stylist:Lisa Sato[BE NATURAL] Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y] Director:Taro Usuda Movie Camera:Noriyuki Fukumoto
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