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20歳になったらお酒は飲めるようになるけれど、誰かが飲み方を教えてくれるわけじゃない。お酒初心者の僕たちが、まず知っておきたいこととは?お酒と仲良くなるための、お酒ビギナーに向けた本連載。今回のテーマは「ビール」。
ビールと仲良くなってみ隊!
今回訪れたのは…
大人になったら一度はお店で「とりあえずビール!」と言ってみたい。その一歩を踏み出すなら、神保町にある老舗洋食店『ビヤホール ランチョン』がオススメ。ここでは”本当においしい生ビール”を飲めるという噂が。「20歳になったばかりの時に初めて飲んだビールはとても苦く感じて、これが大人の味か、自分にはまだ早いなと思っていました」と語るお酒ビギナーのメンズノンノモデル 稲井孝太朗が実際に潜入。果たして、稲井のビール道は拓けるのか…?
潜入したのは…
『ビヤホール ランチョン』について
明治42(1909)年に神田神保町で創業した『ビヤホール ランチョン』。なんと創業は、現在の主要メーカーの前身となるビール醸造所が誕生したのと同年!日本でビールが親しまれるようになった時代から、100年以上に渡ってこの地で愛され続けてきたランドーマーク的な存在だ。
螺旋階段を上って店内へ
窓から優しい光が差し込む店内。全110席の広々としたスペースは神保町屈指かもしれない。奥にはソファ席も。「ビヤホールというとガヤガヤした賑やかなイメージだったのですが、ここは初めて訪れたとは思えないくらい落ち着く空間です!穏やかな時間が流れていますね」と稲井。
ビールを注ぐのはマスターだけ!?
今回お話を伺ったのは、四代目マスターの鈴木寛さん。創業以来、ビールを注ぐことができるのはマスターだけ。マスターは日々ビールの品質を保ち、変わらない味を提供し続けるため、ランチョンの顔とも言える存在だ。
ランチョンの生ビールが出来上がるまで
ビールの銘柄は?
ランチョンで最も人気のあるビールは、「アサヒ生ビール」=通称「マルエフ」。つい最近までは業務用しか流通していなかったのだとか。「ここで飲むマルエフが最高!」と足を運ぶ長年のファンも多いという。
必ず”綺麗なグラス”に注ぐ
おいしいビールにまず必要なのは、グラスとディスペンサーが徹底的に洗浄されていること。加えてランチョンではビールを注ぐ直前に、瞬時にグラス内部に水のベールをはらせている。
ビールはジョッキで飲むというイメージが強いのでは?「もちろんそれも良いのですが、ジョッキは量が多いのでおいしい状態をキープしたまま飲み続けるのが難しいんです。加えてグラスの厚さがあるので、口当たりが少し悪くなるように感じます。そのためランチョンでは、ちょうど良い量で楽しめる、口当たりのよいうすさの特注グラスで提供しています」と鈴木さん。
注ぎ始めは「勢い」が大切
早速、ビールを注ぐ瞬間を見学させてもらう。まずは勢いよく高い位置から注ぐ。
そのまま半分ほど注いだら、少し時間を置く。「勢いよく注ぐことでガスが抜け、まろやかな口当たりになります。加えて、ビールの泡も立ちやすくなるのです」。
実際に勢いよく注いだビール(左)とそうでないビール(右)を比べて見せてもらった。確かに、泡の厚さがこんなに違う!
「泡」と「温度管理」が要!
泡は、ビールの酸化を防ぐための重要な「蓋」の役割を担っている。そのため、こんもりとしたなめらかな泡は欠かせない。また、キンキンに冷やさないということもランチョン流。「冷たすぎると本来の味がわからず、おいしさが半減してしまうからです」と鈴木さん。本当においしい生ビールを味わってもらうため、気温や天候によって、毎日ビールの温度調整は欠かさないという。
いざ注文!ツウな楽しみ方とは?
ビールはもちろんのこと、洋食メニューも豊富。「神保町という土地柄、古本屋を巡ってからいらっしゃるお客さまは多いですね。窓際の席でメンチカツをつつきながらビールを飲んで、その日手に入れた本を読んだり外の景色を眺める、という時間を過ごしていらっしゃるようです」。
本当においしい生ビール、実飲
ツウな楽しみ方を真似するべく、稲井もメンチカツを注文。そして黄金色に輝くビールも到着!
こんもりとした泡を眺めつつ「早速いっちゃっていいですか?」とワクワクが止まらない稲井。いざ、実飲!
プハァ〜!とこの笑顔。「のどごし最高っていう感覚はこのことなんですね!嫌な苦味が一切なくて、まろやかな味わいにびっくりしてます。ゴクゴク飲めちゃうから心配になるくらいウマイです」。
名物の「自慢メンチカツ」と一緒に!
「想像より1.5倍くらい大きい!」と驚きの稲井。特製ドミグラスソースの濃厚な香りが食欲をそそる。
まずはサラダに「自家製トマトのドレッシング」を。単品で販売もされている人気のドレッシングだ。
「うま〜〜〜!衣はサクサクでお肉がぎっしり。なのに脂っぽい感じがなくてペロリといけそうです」。
すかさずビールと合わせてもう一口!
「最高です。メンチカツの旨味と、ビールの爽やかさが組み合わさって、お互いの良さを引き出している感じ」。ビールに苦手意識を持っていた稲井だが、ほんの数分で1杯目を完飲した。
2杯目は「黒ビール」をチョイス
焦がした麦芽で製造することで、焙煎した風味を楽しめる黒ビール。「この風味がたまらない!というファンも多いんですよ」と鈴木さん。ビールのおいしさに気づいたら是非挑戦してみてほしということなので、稲井もトライ。
一口飲んで「あ、好きかも!」と稲井。「真っ黒な見た目なだけにすごい重い味を想像していたのですが、全くそんなことがない。ベースは普通のビールのまろやかでサラッとした口当たりです」。
「飲み進めていくとほのかに、コーヒーのような酸味のある苦味を感じます。僕、最近ブラックコーヒーが飲めるようになってきたんですが、そのおいしさに似ていてハマりそうです。黒ビールファンが多いのも納得!」。
あっという間に完食&完飲!
「ビールもメンチカツも、これまで味わった中で一番のおいしさでした。こんな風にお酒と料理を味わえる日が来るなんて、なんだか大人になれた気分です」。
「ビールは本当においしい飲み物。それを知る若者が増えてくれれば、わたしたちも本望です。これを機に、家でもお店でもビールを飲み比べして、さらに自分の好きな味などを探求していってください。そして、おいしい生ビールが飲みたくなったら、いつでもここでお待ちしています」。マスターの鈴木さんは笑顔で語っていた。
本当においしい生ビール、どうだった?
メンズノンノモデル 稲井に聞いてみた
「20歳になったばかりの僕など若い世代は、宴会の場で飲んだビールの印象が悪くて、遠ざけてしまう人も多いと思います。実際、自分もそうでした。でも、ビールが苦手と思っている人こそ、ここ『ランチョン』のように注ぎ方にこだわった店で本物のビールを味わって欲しいです。絶対価値観が変わると思います」。
「マスターの鈴木さんが教えてくださったように、神保町で古本を買ってビールとメンチカツをつつきながら本を読む、そんな粋なことができる人間になれたら素敵ですよね。でも酔っ払って本の内容を忘れたら元も子もないので(笑)スマートにお酒を楽しめる大人を目指します!」
最初は緊張しながら上った螺旋階段を、少し背筋が伸びた気持ちで下っていく。振り返って「また飲みに来ます!」と一言。本当においしいビールとの出会いは、大人の階段への入り口だった。
教えてくれたのは…
ビヤホール ランチョン
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-6
【営業時間】
月~金 11:30~21:30
土 11:30~20:30
【定休日】
日曜日・祝日
【HP】
https://www.luncheon.jp/
【Instagram】
https://www.instagram.com/luncheon_beerhall/
Photos:Kaho Yanagi Model:Kotaro Inai [MEN’S NON-NO model] Composition&Text:Risa Kawamoto
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お酒と仲良くなってみ隊!