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20歳になったらお酒は飲めるようになるけれど、誰かが飲み方を教えてくれるわけじゃない。お酒初心者の僕たちが、まず知っておきたいこととは?お酒と仲良くなるための、お酒ビギナーに向けた本連載。今回のテーマは「日本酒」。
日本酒と仲良くなってみ隊!
今回訪れたのは…
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日本酒と仲良くなりたいならば、「日本酒」がどのようにして造られているのかを学んでみよう。「日本酒は敷居が高くて大人なイメージ。米から造られているということ以外知りません…」と語るお酒ビギナーのメンズノンノモデル 稲井孝太朗が、新潟県長岡市にある朝日酒造の酒蔵見学へ行ってきた!
見学したのは…
朝日酒造はどんな酒蔵?
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水田と里山が豊かに広がる新潟県長岡市朝日で1830(天保元)年に創業。新潟県民にはお馴染みの日本酒として長く愛されてきた「朝日山」や、新潟県の淡麗辛口を代表する銘柄「久保田」ブランドを有する、国内屈指の老舗酒蔵だ。
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「伝統的に続く職人の技や知恵を大切にすることはもちろん、最新設備の導入や技術も取り入れて常にバージョンアップしていく。それが朝日酒造のポリシーです」。そう語るのは経営企画部 広報課 課長の小嶋基成さん(右)。
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一般見学も可能なエントランスホールは、見事なコンクリート造り。まるで美術館のような空間に稲井も驚き。「地元にも老舗の酒蔵があったのでそのイメージで来たのですが、ここは想像以上に広大な敷地と新しい建物でびっくりしています」。なんと敷地は東京ドーム約1.2個分。この土地に、酒造りを行うための全施設が詰まっているのだ。
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創業当時に使われていた日本酒造りの道具も展示されている。「昔は、米麹・蒸米・水を木の桶に入れて、男性二人がかりでこのような木の棒(櫂棒)でかき混ぜていました」と小嶋さん。
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エントランスホールから見えるのは製品工場。日本酒をボトルに入れて出荷される最後の段階で、ラベリングの他、プロによる目視での最終チェックが行われている。
酒蔵見学スタート!
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今回特別に見学させてもらうのは、松籟蔵(しょうらいぐら)。「久保田 千寿」などの全国的に出荷数が多い商品を製造している蔵だ。ちなみに頭上にあるのは『杉玉』と呼ばれるもの。日本酒を造る酒蔵が軒先に緑の杉玉を吊すと、新酒ができたという知らせなのだそう。枯れて茶色になれば熟成の合図にもなるのだとか。
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酒蔵見学の際には衛生的な環境を保つため、白衣と帽子を着用。しっかり手を洗い、消毒をして向かう。
日本酒造りの全体図を説明
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今回は特別に、松籟蔵の酒造りの最高責任者である、朝日酒造 松籟蔵 杜氏(とうじ)の大橋良策さん自ら、酒造の工程を教えてくれた。酒造りはまず原料となる玄米を精米し、白米を洗うことから始まる。精米を社外に委託する酒蔵もあるが、朝日酒造は原料米の約6割を自社で精米しているのがこだわりなのだそう。(日本酒の精米歩合について知っておくべきことはこの記事をチェック。)
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玄米の状態から、その年の米の品質を早い段階で見極めることができる。精米した後、日本酒造りに使われる白米は玄米の2/3ほどの大きさになる。
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次に白米を洗い(洗米)、水に浸け(浸漬)、蒸す作業(蒸米)が行われる。蒸米の2割は、酒造りの仕込みに使用する麹菌を繁殖させた「麹米」となる。
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麹米が完成すると、次の作業である仕込みへ。タンクに蒸米と麹米と水を入れ、酵母を増やしていく。仕込んだ後は、約1カ月間かけてじっくり発酵させていく。発酵を終えたら搾り、日本酒と酒粕に分け(上槽)、大半の日本酒は火入れを行い貯蔵。商品によって異なるが数カ月から一年程度貯蔵した後、香味を整え、瓶詰めをしてついに完成だ!
いざ、日本酒造りの現場へ!
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日本酒が出来上がるまでの一通りの工程が頭に入ったところで、実際の現場へ潜入!日本酒造りは、温度・湿度管理が徹底されているので、気を抜くことは許されない!今回は特別に、普段は立ち入ることのできない場所も含め、くまなく見学をさせてもらった。
総量6t !?「蒸米」作り
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精米→洗米→浸米まで終わったら、米を蒸していく作業に移る。松籟蔵には白米約6tを蒸すことの出来る巨大な蒸米機がある。「このような大きな設備を導入するのは、安定した品質も保つためなんですよ」と杜氏の大橋良策さん。
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米の蒸し具合をみるためには、熱々の蒸米を素手でひねりつぶしてお餅=「ひねりもち」を作ることも一つの方法だ。ひねりもちの硬さ、弾力、手触り、透明度などを調べ、目的とする状態であることが確認できたら、所定の温度まで蒸した米を冷ましていく。
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ひねりもち作りに稲井もトライ。蒸し上がった米の温度は90℃〜100℃!
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ここにも創業当時に使われていた道具が。「このような板に米をひねりつぶして、ひねりもちをつくっていたんですよ」と大橋さんが教えてくれた。
日本酒の味の決め手になる?「麹米」作り
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精米→洗米→浸米→蒸米が終わったら、次は蒸米の2割を使った麹米作りへ。人力だけではひと苦労。そのため、このような設備で均一な品質管理を行う。
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その後は麹菌の付いた蒸米を均一にならして、麹が出来上がるのを待つ。「この工程は、駅伝に例えるならばスタートダッシュの第1区。日本酒の味を決める重要なポイントであり、ここで失敗したら引き返せません」と蔵人は語る。
前半終了!ちょっと休憩。
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ここまでで酒蔵見学の前半が終了。普段から蔵人も使用する「広敷(ひろしき)」という休憩処で稲井も一息。
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畳もあり、ごろんと休むことも出来る落ち着いた空間。日本酒造りは朝が早いため、作業が一段落したら、各自休憩を取り、体調管理にも配慮している。
後編へ続く…!
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後編では、仕込み〜出荷までの作業を見学していく。まだ目視では「米」状態だが、ここからどのように日本酒へと変化していくのか?後編も要チェック。
今回案内してくれたのは…
ー INFORMATION ー
今回は特別に見せてもらったエリアもあるが、一般向けの酒蔵見学は、60分製造工程見学 コース(12月〜4月下旬)と、20分見学コース(通年)がある。料金はどちらも無料!気になった方は是非、チェックを。酒蔵見学の予約はこちらから。
朝日酒造
〒949-5494
新潟県長岡市朝日880−1
【HP】
https://www.asahi-shuzo.co.jp/
【Instagram】
https://www.instagram.com/asahi_shuzo_jp
【ACCESS】
・電車→JR来迎寺駅から徒歩15分、JR長岡駅からタクシーで約30分
・車→関越自動車道 長岡インターチェンジから車で15分/関越自動車道 長岡南越路インターチェンジ(ETC専用)から車で5分
・駐車場→約20台
Photos:Kaho Yanagi Model:Kotaro Inai [MEN’S NON-NO model] Composition&Text:Risa Kawamoto
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お酒と仲良くなってみ隊!