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【上白石萌音と世界をガブリ！】第２回：エジプト料理編。「レストランってエンターテインメントですね！」

2023.02.24

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女優・上白石萌音が、食を通して世界を巡る人気連載。今回は、悠久の歴史を紡ぐ神秘の国、エジプトへ！　初めて食べる料理を目の前にワクワク。その味わいはまさに、歴史同様に奥深いものだった！

vol.2　EGYPT

言い知れぬ味
文・上白石萌音

西麻布の大通り沿いに「ネフェルティティ東京」はある。こんなところに!?　というところにある。象形文字がぎっしり並んだドアが開くと、人や猫の置物がこちらを見つめ、赤・青・金の装飾がノーブルに煌（きら）めく……まごうことなきエジプトである。

エジプト料理をいただくのは今日が初めてだったが、もう、大好きになった。ナスやピーマンなどに味付きのお米を詰めた「ドルマ・コンビネーション」が特に！　日本でもナスやピーマンは肉詰めされるけれど、あの形を見て「詰めよう」と思うのは世界共通なのだろうか。味付けも茹（ゆ）で加減も全てが絶妙で、こだわりと技術がつまっていた。

しかし困ったことに私は、エジプト料理の味を的確に表す語彙（ごい）を持ち合わせていない。スパイシーかつマイルドだし、甘い・辛いだけでは片付けられない深みがある。ただただ、おいしいのだ。そしてこの味を理解するには実際に食べるしかない。

お店に一歩足を踏み入れると「レストランってエンターテインメントですね！」と楽しそうに語る萌音さん。そんな店内は、異国情緒あふれる装飾で覆われ、エジプシャンミュージックが流れる。テントで仕切られたテーブル席は、五感を使ってエジプトを楽しむことができる空間だ。

料理を待ちながらお店の雰囲気に浸っていると、一品目の「シシカバブ」（￥1,900）が登場。さっそくガブリ！　「このラム肉は、イメージにある独特の臭みもなく、やわらかい。これは何て表現したらいいんだろう…おいしすぎます！（笑）」。さっそく店長にリサーチ。「スパイスとハーブを使ったオリジナルソースに前日から漬け込んで、炭火で香ばしく焼いてるから、奥行きを感じる味になるんですね」。

今回エジプトを選んだ理由を聞いてみると…「前回の日本とメキシコから、一気に大陸をまたいでエジプトに来ることで、読者の皆さんに『私、世界中に行きますよ！』と宣言したかったんです。あと、両親の新婚旅行先がエジプトだったので、料理の味を知って、思い出話に参加できたらいいなって」。

タジン鍋から現れたのは美しく輝くクスクス。牛肉と野菜をトマトソースで煮込んだスープをかけて食べる定番メニュー。「いろいろな料理に混ざって、他の食材を引き立てるミステリアスな存在だったクスクスの本当の姿を知った気がします。これは無限に食べちゃう（笑）」。￥1,900

「ナス好きなのでいちばん気になっていました」という一品は、ナスやズッキーニ、ピーマンに、スパイスとハーブで味つけしたひき肉入りライスを詰め、スープで煮込んだエジプトの家庭料理。「食欲を刺激するスパイシーな味つけ、優しい食感を生む煮込み具合、どれも完璧なんです。食べ応えもあって大満足。好きな料理がひとつ増えました！」。￥2,200　「今回の服装は、古代エジプトの女性の服をイメージ。この空間になじむから、本当に旅行に来た気分に！」。白を基調にした爽やかなスタイルが、色とりどりの店内に映える。