北村匠海「連載のレシピを家族に作ったこともあります」チルアウトごはん最終回、スペシャルインタビュー！メンズノンノウェブ

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大人気連載『北村匠海のチルアウトごはん』、12月号（最終回）のスペシャルインタビューを公開！

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役者として、人として。
変革の３年間を共にした連載

この連載が決まったとき、「好きなことを連載にできる」のがとてもうれしかったことを覚えています。初回で作ったガパオは、家族にふるまったときにも大好評。他にも、連載でレシピを知って、撮影の後で家族に作ったメニューはたくさんありますね。一家全員が料理好きなので、少し前も弟と「今日は料理でもしようか」と言って買い出しに行きました。

毎回の撮影が楽しくて、居心地がよくて、「これ、仕事かな？」というくらい素（笑）。何回目からか、自然と僕がBGM担当になっていて、好きな曲をかけながら、僕が僕自身として料理している感覚でした。いろんなメニューを作ったなと振り返ってみて思いますが、どれもおいしかったですね。今までは「僕が食べたいものを作る」が連載のテーマだったのですが、最終回は、この連載を読んでくれていた皆さんへの感謝の気持ちですべてのメニューを２人分用意しました。これから行ってみたい国と、両親の故郷である秋田と鹿児島、そんな「これまで」と「これから」を凝縮したメニューです。正統派な料理の連載だったらあり得ないかもしれませんが、むちゃくちゃなくらいの組み合わせが結果的に僕らしいような気もします。

この３年間は、僕にとって仕事との向き合い方が大きく変わった時期でした。それも、すごくいい方向に。がむしゃらに働くのも大事ですが、視点を広く持って、「求められることに応える」以外の、仕事とのつき合い方ができるようになった。自分にスポットが当たる仕事だけじゃなくて、脚本について考えてみようとか、香水をプロデュースしてみようとか、「つくる」ということに積極的に携われるようになったし、そういう余裕や意欲が持てるようになったこと自体がうれしい。もともと、「つくる」のが好きだったんだな、というのを思い出せた（笑）。料理って自分の手で「食べたい」を形にしていくことだから、「つくる」ことに通じる部分があるのかもしれません。日々の中に、自分の手で何かを「つくる」ことに集中できる時間があるのって、すごく幸せだと思います。

３年間で、僕自身も変わりました。言葉にするのが難しいのですが、人間味が増したんじゃないかなと（笑）。前は仕事のスイッチのON/OFFというのをとても強く意識していましたが、今はもっと自然体というか。プレッシャーや緊張する現場もあるんですが、どれも「自分自身」としてそこにいられるんです。自分の言葉というのが生まれてきた感覚というか……そして意見を伝えるうちに、考えを聞かれる場面も増えて、やりがいも増えました。でも、自分の意見を言うと失敗も増える。借りものの考えじゃないから人のせいにもできない。自由度が増すのって大変なんだと実感！　３年前よりも断然今のほうが失敗しています。けれどその失敗にはすごく学びが多い。自分は挑戦して、失敗して、成長していくための時間が欲しかったんだな、と最近気がつきました。

長く続けてきた連載は、安心できる自分の居場所。そんな大事な場所を卒業するんだからこそ、次はもっと自由に、身軽に新しいことに挑戦してみたい。その先に失敗があってもいい。また、新しい場所で新しい僕を伝えられる日を楽しみにしていてください！