▼ WPの本文 ▼
メンズノンノ11月号「噂の彼女とニュードーナツ」から、イタリア版ドーナツ“ボンボローニ”をほおばるキュートな山田杏奈さんの本誌未掲載カットが到着! メンズノンノウェブでしか見られない貴重な写真と本誌で伝えきれなかったこぼれ話をお届け。
テレビドラマで、映画で、舞台で———。八面六臂の活躍を見せる、多忙な彼女に会ったのは、日付けをまたいで撮影が終了したテレビドラマのクランクアップの翌日。にもかかわらず、それを微塵も感じさせない透明かつ朗らかな空気で現場を包む。
「ドラマの現場はワイワイガヤガヤ、お祭りや部活に参加しているような感覚で、楽しかったです。大きな仕事が終わったあと、ごほうびや記念としてブランドの服やバッグを買う人もいると思うんですけど、私の場合は“食べたいものを好きなだけ食べていい”ことにしていて。今回はまだなのですが、昨晩は現場でから揚げとお寿司とビールをいただきました。
普段、撮影中に小腹がすくと、飲み物やお菓子が置いてある“お茶場”へちょこちょこ行くんです。そこで、眠気を覚ましたり、気合いを入れたりするために飲み始めたコーヒーにハマり、一人暮らしを機に少しずつ器具を集め始めました。朝、出かける時間よりも少し早めに起き、手動のミルで豆をガリガリ挽いてコーヒーを淹れるのが日課。味もそうだし、集中して淹れる時間も好きなんです」。
そこにペアリングさせるのは?
「現場で甘いものをいただいたら、それを一緒にいただくことも。私、特にバターたっぷりの焼き菓子が大好きで、特に塩キャラメルみたいに甘くてしょっぱいテイストに弱く、『食べたい、食べたい♡』って。あとは多めに作ってストックしておいたベーグルを食べることも。作り方ですか? 生地をこねて成形して茹でてオーブンで焼成するって言うと、難易度高そうですけど、慣れると意外と簡単です。お店で売っているような、精巧なフォルムじゃないですよ(笑)」。
好きなお店を教えてくれたり、逆に知らなかったお店はすぐにメモしたり調べたり。淡々と楽しそうに語る姿から、並々ならぬ食いしん坊ぶりが伺える。
本誌でも“形には残らないけど、食を通して得た経験や感動は、生きていくための財産になると信じていて。今はそれをたっぷり味わいたい”と語っていた山田さん。根っこにあるのは、「食べている時間がいちばん楽しいし、私にとっての幸せ」だから。
「仕事の合間、ちょっとしか休憩時間がなくても『近くに美味しいお蕎麦屋さんはないかな?』と調べたり、地方に行ったら郷土料理や地元の名物は率先して探してしまいます。特に思い出深いのは、山形。焼いたハタハタやノドグロなど、何を食べても美味しかったですし、どのお店に行ってもなめこを煮たものや菊の花のおひたしが出てきたのは興味深かったです。あと、土地の食文化が垣間見える地方のスーパーは必見で、お土産はそこで買うほど。沖縄のスーパーの揚げ物コーナーではサーターアンダギーがあったりして、面白いし、なるほど!な発見が多いんです」。どうやら“掘る”のが好きらしい。
あふれる好奇心と探究心は、仕事の面でも。
「ドラマや映画に出させてもらうことが増え、世の中の人に見てもらえるのはうれしいし、ありがたいし、私はこれから俳優という仕事をしていくんだなって改めて実感しています。やってみたいことはどんどん変わっていくんだろうと思うけれど、“これが好き”“こんなことをしたい”という意思や意欲は忘れないようにしたいです。その一方で、お仕事が忙しくても、プライベートでは『なんでもいいや』にならないよう、会いたい、とか、食べたいとか、好きなことをたくさん持っていたい。トゲトゲせず、やわらかく生きていたいなって思うんです。そう思えるのは、お仕事で出会う先輩方の姿を見てきたので。先輩方は、裏打ちされた経験や自信があるからこそのフラットさで、決して自分中心じゃないけどちょっと自由で、いてくれると心強くて、私もそうあれたらなぁって思うんです」。
聡明で、懐が深くて、頼りがいがある。だけど、不意に見せる表情はあどけなくて素直。無尽蔵の魅力と、縦横無尽に行き来するギャップに惚れ惚れ。
Photos:Kenta Sawada
Hair & Make-up:Nozomi Kawashima[io]
Stylist:So Matsukawa
Interview & Text:Yukino Hirosawa
▲ WPの本文 ▲