▼ WPの本文 ▼
自宅内には、上杉さんがDIYで作製した家具や小物がいたるところに。完全に独学で知識を得たというが、始めたきっかけやデザインの発想源はどこにあるのだろうか。
欲しい家具が手に入らず、
その代わりにDIYを始めた
「ひとり暮らしを始めて家具を探していたときに、欲しい家具があっても高くて買えなかったり、買える範囲の値段では理想的なデザインのものが見つからなかったりすることが多くて。それなら自分で作ってみようと思い立ったのが、DIYを始めたきっかけです。
DIYでは作る前、構想の段階が一番好き。ここに棚を作るとしたら、どんな素材が合いそうか、何センチの木材が必要になるか、といったことを考えながら、iPadや紙にイメージ図を描くのが楽しいです。そこまで構想を練ってしまったらもう作るしかないかと思って作り始めるのですが、完成した時点で満足して飽きてしまうことの繰り返し。だからDIYで作ったものは友達や後輩にあげていることが多くて、家には意外と残っていないんですよ。構想段階ではタイルを張ってデザインに凝ってみようかと思うこともあるのですが、もし、よりいい家具を見つけたら買い替えたい気持ちが強いので、シンプルに作るようにしています。
今までDIYで作ったものの中で一番の大物が、このレジンのパソコンテーブル(上の写真)。YouTubeチャンネル(『上杉柊平の3rdPlace』)で製作過程を撮影していた影響もあって、完成まで2か月ほどもかかりました。中に埋め込まれている木は、もともとはブロックの上においてテーブルとして使っていたもの。そのテーブルに飽きてきたタイミングでちょうどYouTubeの企画もネタ切れになってきていたので、“じゃあこの木を使ってレジンテーブル作りましょう!”という話になりました(笑)。今はDIYよりもインテリアを考えたり家具を買ったりすることのほうに興味があるのですが、このパソコンテーブルは頑張って作ったので、長く大切に使い続けたいと思っています」
写真集や映画がインスピレーションの源
デザインのアイデアは写真集や映画から。廊下には『ボニー&クライド』をはじめ、好きな映画のポスターが並ぶ。
「グリーンの表紙が目を引くのは、著名なフォトグラファーが世界の都市を撮影する、ルイ・ヴィトンの写真集『ファッション・アイ』シリーズの一冊。写真家と都市のかけ合わせが見どころです。ストリートを切り取ったアリ・マルコポロスの写真集(上左)は、2000年代のスケーターや若者のファッションが新鮮。ヴィム・ヴェンダースの写真集(下左)には、色使いが面白い建築の写真がたっぷり」
レジンで作製した灰皿は、様々な用途で活躍
たくさんのレジンアイテムを作製している中で、一番初めに作ったのは灰皿(上の写真)。部屋にいくつか置かれている灰皿は形や色味も様々で、パロサント(香木)の受け皿として使用したり、アクセサリーや腕時計を入れたりと、活用の幅の広さがうかがえる。
「一時期ハマっていたレジンでは、ポジフィルムを入れ込んだ置物(上の写真)や木を埋め込んだテーブル(1番上の写真)まで、様々なものを作りました。レジンの小物は、友人にプレゼントをすることも多いです」
作った家具はシーンに合わせてリメイクも!
玄関に置かれているこちらのベンチの板の部分は、もともとはパソコン作業用のデスクに、キーボードスライドとして取りつけるために作製したもの。「2枚の木材の間にレジンを流し込み、1枚に仕立てました。スライドを取りつけていたデスクを捨てる際に、せっかく作ったこの板は残しておきたいなと思ってリメイク。脚を取りつけてベンチに作り替え、今は玄関用の椅子として活用しています」
YouTubeをきっかけに、アート作品にも挑戦
リビングに飾られた大きな絵も、上杉さんが制作した作品。いくつかの色の絵の具を混ぜたカップをキャンバス上でひっくり返し、その絵の具の流れによって模様を生み出す、フルイドアートという手法を用いた。「YouTubeの一環で挑戦しました。絵の具を混ぜて垂らすだけで簡単に作れるけど、色の選び方で模様が変わってくるのが面白い。グリーンをベースに作った色味がお気に入りです」
Photos:Go Tanabe Hair & Make-up:NOBUKIYO Model:Shuhei Uesugi
▲ WPの本文 ▲