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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、スノーボードの小野光希さん。
SNOWBOARDING
―スノーボード―
「“高さなら光希”。
世界でそう認められる
本物のライダーになりたい」
この3月に17歳を迎えたばかりの高校生スノーボーダーが、ハーフパイプのトップシーンをにぎわせている。小野光希はジュニアでの高い実績をひっさげ昨季シニアデビュー。するとFISワールドカップ、USオープンといったメジャー大会で表彰台や上位入賞を連発するなど、年齢もキャリアもはるか上の選手たちに引けを取らないパフォーマンスを見せてくれている。
「こんなに早く活躍できるなんて、自分でもちょっと驚きなんです(笑)」
あどけない笑顔で謙遜するも、滑りからは“本物”の片鱗(へんりん)が漂う。なかでも浮遊感抜群のハイジャンプが魅力だ。
「2019年から本格的にウエイトトレーニングを始めた効果もあって、回転数やスピンスピードを上げてもジャンプの高さが落ちにくくなったのがいい結果につながっているのかなと思います。転ぶ頻度が少なくなって安定感が出ましたし、大会を重ねるごとによくなっている実感がありますね」
自身にさらなる成長を促すために、こんな課題も課している。
「今は演技のルーティンが素直すぎるところもあるので、そこから一歩抜きんでた滑りをしないと。クロエ(・キム/平昌五輪金メダリスト)をはじめ、世界の強いライダーたちは大舞台になればなるほど予測できない滑りをするのですが、私も見る人をあっと驚かせられるようなライダーをめざしています。そのために、技のバリエーションを増やして、もっともっと創造力や柔軟性を伸ばしていくつもりです」
当然、いま視野に入っているのは来年に迫った北京冬季五輪だ。
「小さい頃に五輪を観てスノーボードにハマった自分としてはやっぱり五輪の金メダルがいちばんの目標。『高さなら小野光希』と言われるくらいの活躍をして、女子ハーフパイプを日本でメジャーにしたいです!」
Favorite Item
バートンのヘッドウエア
アンナ・ガッサーやマーク・マクモリスら世界的なスターと同様に「バートン」からサポートを受けている彼女。ボードやスノーウエア以外も、キャップやビーニーなどがお気に入りで移動時や日常でも愛用しているとか。
PROFILE
小野光希 MITSUKI ONO
2004年3月5日生まれ、埼玉県出身。6歳でスノーボードを始め、小学校からハーフパイプにチャレンジ。小学5年時にプロ資格を取得すると国内外の様々なジュニアカテゴリーの大会で頭角を現し、2017年、18年とUSオープンのジュニア大会を2連覇してその名を世界に知らしめる。2020年にはスイス・ローザンヌで開催された冬季ユース五輪を制し、15歳にしてW杯でも初表彰台を経験。今や北京冬季五輪・女子ハーフパイプのメダル候補として注目を集めている。
Photos, Composition & Text:Kai Tokuhara
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