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この夏、スポーツの祭典が開催されているフランス・パリ。東京から飛行機で約14時間の花の都は、今どのように盛り上がっているのか気になる…ということでなんと今回、開会式直前のパリにメンズノンノウェブエディター川本が潜入!言葉や文化を超えた、スポーツが繋ぐ交流を肌で感じた7日間。現地のリアルを徹底レポート。
2024年、夏のパリへ。
フランス・パリといえば何を思い浮かべるだろうか。エッフェル塔、ルーブル美術館にセーヌ川…。あとはバゲットやクロワッサン?もちろんそれらも代表的なシンボルではあるが、多種多様な文化が交差するこの街は、まだまだ多くの魅力に溢れている。例えば、パリは東京と同じように20区に分かれており、それぞれの区によって街の表情も様々だ。
そして今回の目的地の一つ目が、ここ18区。さまざまなディアスポラの背景を持つ移民コミュニティが集まっており、独自の文化が発展する多様性に富んだエリア。カルチャーがミックスし混ざり合う、最近ではアーティストも多く住む注目エリアなのだそう。
1 バスケットボールとコミュニティのプロジェクト『District 23』へ!
この18区で今夏、ジョーダン ブランドが期間限定で開催しているのが『District 23』(=23 区)。パリにある架空の区として“23 区”を創設し、スポーツとカルチャーの中心地として6週間にわたって未来のクリエイターやコミュニティに向けたプログラムが実施される。
このプログラムの本部となるのは、日常雑貨から衣料品まで低価格で何でも揃う品揃えと、独特のギンガムチェックのブランディングで庶民に愛されてきたことで知られ、18区のシンボルながらも惜しまれつつ2020年に閉店した『タティ・バルベス百貨店跡地』。この場所を、クリエイティブ業界でのキャリアを目指すパリの若者の技術的スキル、メンターシップ、コミュニティを提供するための空間として新たな命を吹き込んだのが、クリエイティブ・ディレクターを務めるユスフ・フォファナ氏だ。
セネガル人の両親のもとに生まれたフォファナ氏は、パリ郊外のヴィルパント育ち。18区にある叔父のテキスタイル・ショップを頻繁に訪れたことがデザインのインスピレーションになったというほど、彼自身もこのエリアとの繋がりは深い。「18区を世界に広めることで、コミュニティメンバーが一緒になり、自分たちだけでなく、次の世代のために新しい遺産を作れるよう、力づけることができればと願っています」と彼は語る。
■1F:フード&アパレルコーナーが充実!
■2F:アート展『ディアスポラ ルネッサンス』
2Fでは、『アンソニーギャラリー』オーナーでジョーダン ブランド一員でもあるイージー オタボール氏とインフィニット・アーカイブスの共同キュレーションによるアート展「ディアスポラ ルネッサンス」が開催されている。
23人の作品展覧の一環として、6人のアーティストがディアスポラの視点から『エア ジョーダン 1』を解釈し、この象徴的なシューズが文化にとって何を意味するのかを生き生きと表現した作品も展示されている。
■『 District 23』クリエイティブ・ディレクター
ユスフ・フォファナ氏独占インタビュー!
今回なんと特別に、クリエイティブ・ディレクターのユスフ・フォファナ氏が『メンズノンノ』読者に向けてインタビューに応えてくれた!
ー 『District 23』プロジェクトに携わるにあたって、大切にしたことを教えてください。
「私のように二重の文化を持つ人々が、いかにして新しいもの、新しい言語を生み出すことができるか、異なるインスピレーションをミックスし統合することができるか、という点を大切にしました」。
「例えばこのライブラリーエリアは、フランスの建築家ピエール・シャローからとても影響を受けています。また装飾や外観などのデザインは、私のルーツであるセネガルからインスピレーションを得ました。このように様々な文化をミックスしたことで生まれた“新しさ”を、この場では感じられると思います」。
ー 『District 23』を通じて、日本のメンズノンノ読者に向けて伝えたいメッセージはありますか?
「ここ18区は、日本のみなさんが想像するパリとは少し異なると思います。しかし、パリはエッフェル塔やシャンゼリゼ通りだけではありません。18区もパリそのものを表しています。もし私が日本のみなさんにメッセージを贈ることができるとしたら、それはあなたがここ18区に来るときだと思います。是非ここに来て、見て、触れて、パリの未来を感じて欲しいです」。
■『District 23』では
他にも様々なプログラムを開催予定。
他にも『タティ・バルベス百貨店跡地』3Fでは、クリエイター志望の若者に向けた様々なワークショップが随時開催されるなど、充実したコンテンツが目白押しだ。さらに、期間中は『District 23』に指定されたエリア内で、パリの若者にバスケットボール コートやそのほかの屋外スポーツ スペースへのアクセスが提供され、運動を創造的スキルの習得への入口として活用するプログラムが展開されている。この夏パリへ行ったら是非、足を運んでみてほしい。
2 『エア ジョーダン』の最新作をチェック!
『District 23』を楽しんだあとは、7月23日にリリースされたエア ジョーダンの最新作「エア ジョーダン39」をチェックできることに。
マイケル・ジョーダンのゲーム中のモーション(動き)とエモーション(感情)をよりどころにしたこのシューズは、最も効率の良い動きを求める現代のバスケットボールプレーヤーのためにデザインされた一足。まず一番のポイントは、バスケットボールシューズとして初めて、フルレングスの軽量で反発性に優れた「ズームX フォーム」と、そのシステムを生み出す「エア ズーム」を組み合わせたクッショニングシステムを採用したこと。
足を安定させた非直線的な動きを可能にするため、「ズームX フォーム」には革新的なカップソールのデザインを取り入れている。刺繍を施したテキスタイルのアッパーは、ナイキスポーツ研究所(NSRL)のフットウェアテストから着想を得たコンピュータデザインを採用。ジョーダン ブランドのデザイナーたちが、クロスステップの動きの仕組みをハイスピードカメラで分析し、方向転換時に屈曲する部位の形を元にした独自のパターンを制作したのだとか。
エア ジョーダンの他のモデルと比べると、上からつま先を見下ろしてもすっきりとしていてシンプルに見える「エア ジョーダン 39」 。ジョーダン ブランド パフォーマンス フットウェア シニア デザイン ディレクターのジョエル・グリーンスパン氏によると、“テクノロジーを視覚的に表現する=過剰な美しさを見せつける”ことを避けるための意図的なデザインなのだそう。形やバランス、佇まいなどに価値を見出した、渾身の最新作だ。
③世界各都市から集まった次世代の
バスケットボールプレーヤーが
1on1で勝者を決める大会へ!
バスケットボール熱が高まってきたところで向かった先は、ジョーダン ブランドが主催する次世代のバスケットボールトーナメントの決勝戦『THE ONE: FINALS』。ニューヨーク、東京、上海、ロンドンなど、世界中から勝ち上がった10代のプレイヤー20人が、フランス・パリを舞台に1on1の戦いに挑む大会。見事優勝したプレーヤーには、『THE ONE』の称号とともに、Jordanブランドとの1年間のパートナーシップが贈呈される。
■東京代表はこの2人!
THOMAS YOSHIMURA/吉村灯真選手
@thomas_yoshimura04
日本人の父、フランス人の母を持ち、日本語、フランス語を話すことができる。2022 年より『Boogies Basketball U18』でプレー。得意なプレーはディフェンス。
KOHAKU MANSHO/満生小珀選手
@kohaku_mansho
「天才バスケ少女」としてYouTubeで取り上げられ「Kちゃん」の愛称で親しまれる。自身の Instagramでも得意のハンドリング動画を公開。
■ファイナルラウンドスタート!
ファイナルラウンド進出したのは、男女各8名・計16名。男子東京代表の吉村選手は惜しくも予選敗退…!女子東京代表の満生小珀選手はファイナルラウンド進出を勝ち取った。
選手が登場すると会場は熱気に包まれ、今回のMC dandyguel氏が登場。ハイテンションな掛け声に、試合前から観客は大盛り上がり!
第一試合から両者譲らない激しい戦いが目の前で繰り広げられる。観客との距離もかなり近く、選手を煽ったり、シュートが決まると叫んだりと、かなり臨場感に溢れている。
試合の合間にはスペシャルゲストの紹介も。『District 23』クリエイティブ・ディレクターのユスフ・フォファナ氏やジョーダン ブランドのプレジデントであるサラ・メンサが紹介される中、一際盛り上がったのがこの人の登場。映画監督のスパイク・リー!素晴らしいプレイをした選手には自ら声をかけに行くなど、バスケ好きの一面が多々垣間見えた。
東京代表の満生小珀選手は一回戦目、二回戦目ともに快勝。なんと最終決戦へ進出!彼女の軽やかで華麗なプレーに、会場は大盛り上がり。日本人観客は私含め数人しかいなかったはずだが、準決勝からは「TOKYO!TOKYO!」と大声援が巻き起こっていた。スポーツの力、すごい…!
優勝を決める最終決戦では、ロサンゼルス代表の14歳、タティアナ・グリフィン選手と対峙。「TOKYO!」コールはもちろん、ついには「がんばれ!」と日本語での声援も沸く会場。その声に応えるかのように満生選手もかなりの健闘をしたものの、グリフィン選手も負けじと大健闘し、軍配は彼女にあがった。
プレー中はかなり強気でパワフルなグリフィン選手だったが、優勝が決まり母親らしき人から抱きしめられると大粒の涙を流していた。確かにまだ14歳なのに遠い場所で1人で…となぜか関係のない私もかなり胸が熱くなった。年齢を感じさせない堂々としたプレーで見事な優勝!おめでとう!
男子の最終決戦は、パリ代表のスティーブ・バー選手vsニューヨーク代表のスコッティー・リー・ジュニア選手。開催地パリの代表選手が勝ち上がったこともあり、会場は数倍ヒートアップ。そしてバー選手がシュート決める度に大歓声、コートに流れ込む観客も。これがストリートバスケか…!
ニューヨーク代表のリー選手も完全アウェイな状況でありながら最後まで諦めないプレーを見せてくれたが、勝利の女神はパリ代表のバー選手に微笑んだ。現地開催というかなりプレッシャーの中、ブレずに堂々としていたバー選手。お疲れさまでした!
最後に『THE ONE』の称号を勝ち取った2人にはトロフィーと大きな拍手が送られた。
■東京代表:吉村灯真選手・満生小珀選手に
『メンズノンノ』独占インタビュー!
そしてなんと試合後、東京代表の二人への独占インタビューに成功。日本から遠く離れた地で、言葉も文化も違う仲間たちと過ごした日々を振り返ってもらった。
ーお疲れさまでした。まずは『THE ONE』に参加した感想を率直に教えてください!
満生小珀選手「最後の決勝では負けちゃったんですけど、1試合目と2試合目で自分のプレーを発揮出来てすごい楽しかったです!」。
吉村灯真選手「僕は小珀さんみたいに全然活躍できなかったんですけど、他の選手の身体が強いのが結構キツイと思って頑張りました」。
ーパリは楽しめましたか?
満生小珀選手「初めてのパリでめっちゃ楽しかったです!(笑)」。
吉村灯真選手「パリは初めてではなかったんですが、でも結構楽しかったです!(笑)」。
ー『THE ONE』での東京代表という経験を経て、これからの目標などあれば教えてください。
満生小珀選手「この海外でのプレーを活かしたいです。そしてこれからも海外に行ける機会があったらそこでバスケをしたいので頑張りたいです!」。
吉村灯真選手「僕は10kgとか太って…(笑)。今回の練習で得たスキルを思い出してプレイしたいです」。
東京代表の2人はもちろん、今回参加した代表選手全員が、未来のバスケットボール界を担っていくこと間違いなしだ!これからの活躍にも大いに期待し、注目したい。みんなお疲れ様でした!
【メンズノンノエディター、パリへ行く。】
後半につづく
観光地というイメージから、様々な文化が混ざり合い、新たな発展を遂げていることを肌で感じたパリ滞在前半。後半では、夏のスポーツの祭典で盛り上がる街の様子にさらにクローズアップ!あの観光名所でのランニングにも挑戦しました!
【後編はこちらから】
Photos:Nike Risa Kawamoto Composition&Text:Risa Kawamoto
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