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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、バレーボールの宮浦健人さん。
VOLLEYBALL
― バレーボール ―
「冷静かつ大胆に。
厳しい場面でこそ
自分らしさを発揮したい」
現代バレーにおいて最も攻撃の中心を担うポジションといえる「オポジット」。今や世界ランキング3位(6月17日時点)まで上り詰めたバレーボール男子日本代表チームにおいて、そのオポジットで西田有志と双璧をなしているのが宮浦健人だ。
「日本代表には同じポジションに西田選手というすばらしいアタッカーがいますが、自分もいつ、どんな状況で試合に出ても100%のパフォーマンスでチームに貢献したいと思っています。そして僕は勝負どころで力を発揮できるタイプでもあると自覚しているので、難しい局面こそ楽しめるように、冷静さを保ちながらも大胆さや思い切りのいいプレーを意識しています」
そう、コート上で常にベストを尽くすために入念な“準備”を欠かさない。それこそが宮浦のモットーだ。
「昨年のネーションズリーグでは、30年ぶりにブラジルに勝利しましたし、3位決定戦ではイタリアを破ることができました。強豪国と互角に渡り合えたことで、今チームは自信に満ちていますし、雰囲気もすごくいいです」
近年多くの選手が海外のトップリーグで技術やメンタルを強化してきたことも日本代表の躍進につながっているが、まさに宮浦もそのひとりである。
「ハイレベルな技術、屈強なフィジカルとメンタルを兼ね備えたトップ選手たちが世界中から集まるリーグでもまれ、いろんなことを吸収できました。2022-23シーズンはポーランド1部リーグであまり試合に出られず悔しい思いをしましたが、そんな中でも出場機会をもらえたときにしっかりと効果的なプレーができるようベンチにいるときから万全に準備して整えておくことを心がけていました。その経験が生きて、海外2シーズン目のパリ・バレーでは試合に出続ける中で調子のよし悪(あ)しに関係なく、安定して自分のプレーを発揮することができました」
そのように海外の2年間で心身ともに大きく成長を遂げた彼が、来たるパリ五輪でどんなプレーを見せてくれるのか。楽しみでならない。
「今の日本代表は間違いなくメダルを狙える位置にいます。その可能性をさらに高めるために、チームとしても個人としても最大限の準備をして本大会に臨みたい。一丸となって全力を尽くし、メダル獲得をめざします!」
宮浦健人 KENTO MIYAURA
1999年2月22日生まれ、熊本県出身。190㎝・86㎏。ポジションはオポジット。兄の影響で小学2年からバレーボールを始め、早稲田大学では1年から主軸としてプレーしながらインカレ4連覇に大きく貢献。卒業後、2021年にジェイテクトSTINGSに加入すると日本代表にも初選出。同年のアジア選手権で準優勝に貢献してベストオポジット賞を受賞した。2022年からポーランド・プルスリーガのPSGスタル・ニサ、2023年からはフランス・リーグAのパリ・バレーでプレー。2024-25シーズンよりジェイテクトSTINGSへの復帰が決まっている。
Photo:Shintaro Tohyama Interview & Text:Sayako Ono Composition:Kai Tokuhara
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