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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、ラグビー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の福井翔大さん。
RUGBY FOOTBALL
― ラグビー ―
「日本ラグビー界を
象徴するような
プレーヤーになりたい」
今季、他を寄せつけない圧倒的な強さでリーグワンのレギュラーシーズンを駆け抜けた埼玉ワイルドナイツ。多くの日本代表経験者を抱えるハイレベルな環境で、福井翔大は着実に心身を磨き続けた。今後チームの軸としてさらなる飛躍が期待されるトップ・プロスペクトのひとりだ。
「小さい頃から、かなりやんちゃで元気な子どもだったみたいです(笑)。5歳でラグビーを始めて、しばらくはなんとなく楽しいなと思っていたくらいでしたが、小学校の高学年あたりから体が徐々に成長期を迎え、競技本来の面白さを感じられるようになってどんどんのめり込んでいきました」
ラグビー界において高校卒業と同時にプロ契約を結ぶ例はそれほど多くなく、大学を経由するパターンがほとんどだが、それでも彼はあえて険しい道のりを選択した。
「高校日本代表として強豪国の同世代と戦ったときにボロボロに負けてしまって、力の差を痛感しました。その差をいち早く埋めて、世界と同等に戦える力を身につけるためにプロの世界に飛び込んだんです。初めの半年は慣れない環境からストレス性胃腸炎で体重が8㎏減ってしまったこともありましたが、先輩たちになんとかついていこうとウエイトトレーニングや食事量の増加など、できることはなんでも取り組みました」
そしてプロ6シーズン目の2023-24シーズン。鍛錬の日々によって手に入れた強靱(きょうじん)なフィジカルと、予測のつかない独特のステップワークを武器に今やチームに不可欠な主力へと成長。日本代表にも招集され、昨年は憧れを抱いていたW杯にも出場した。
「W杯はすごくいい経験でしたが、思うように出場機会が得られなかったので悔しい思いのほうが強く残っています。ただ、W杯に出たことで、うまくいかないときでも環境や周りのせいにせず、何事も自分に矢印を向けて考えられるようになりました」
今、目標にしているのは、今シーズン限りで引退を表明した埼玉ワイルドナイツと日本代表のあのレジェンドプレーヤーを超えること。
「ワイルドナイツは一人ひとりがどんなときも仲間を信じ、自分のできることを遂行するチーム。その中心にいたのが堀江翔太さん。僕もいつか、堀江さんのように日本ラグビー界を背負って立てる存在になりたいです」
福井翔大 SHOTA FUKUI
1999年9月28日生まれ、福岡県出身。186㎝・101㎏。ポジションはフランカー/ナンバーエイト。ラグビー選手だった父親の影響で5歳のときにラグビーを始める。名門・東福岡高2年生時には「高校3冠」を達成。卒業後、現在所属する埼玉パナソニックワイルドナイツにプロ契約で入団。2023年のサモア戦で日本代表デビューを果たし、W杯フランス大会のメンバーにも選出されて初戦のチリ戦に出場。国際舞台を経験したことでさらなる成長を遂げ、リーグワン2023-24シーズンではディビジョン1唯一となるレギュラーシーズン全勝に大きく貢献。
Photo:Shunsuke Kondo Interview & Text:Sayako Ono Composition:Kai Tokuhara
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