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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、総合格闘技の平良達郎さん。
MIXED MARTIAL ARTS
― 総合格闘技 ―
「自信が確信に変わった。
UFCフライ級王座を
本気で狙いにいきます!」
総合格闘技のトップ・オブ・トップ、アメリカUFCの舞台で“超新星”として脚光を浴びる日本人ファイターがいる。沖縄出身の24歳、平良達郎だ。プロ通算15戦15勝無敗。UFCにおいては2022年5月の初参戦から、日本人最多タイの5連勝を飾る快進撃。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち続ける彼が、まずは格闘技との出会いについて語ってくれた。
「中学まで野球ひと筋だったのですが、高校から別のスポーツに挑戦してみようと、兄の影響もあって格闘技を始めました。最初は格闘技に対して怖いイメージが強くて不安でしたけど、僕の師匠でもあるジムの会長が常に温かい雰囲気をつくってくれたおかげで練習を重ねるごとに楽しくなっていきました。そして1年ほどたった頃、初めて出場した寝技の大会で勝てたことがとにかくうれしくて、もっともっと上をめざしたいと思うようになりました」
本格的にプロの道を志したのは高校2年の頃。そこから持ち前のひたむきさで加速度的に成長を遂げていく。
「学校生活と競技の両立はとてもハードでしたし、試合当日に緊張のあまり出たくないと思うこともありましたけど、しっかりと準備をして最高のパフォーマンスを発揮することだけを考えているうちに克服できました。僕は格闘技が本当に好き。だからこそ常に向上心を持って取り組めていると思いますし、厳しい練習や減量とも自分でしっかり考えながら向き合える。うまくいかないこともありますけど、そういうときに打開策を考える時間は僕にとってまったく苦ではないんです」
若くしてオクタゴン(UFCの象徴である金網で囲まれた八角形リング)でおおいに存在感を発揮している彼だが、現状に満足することなくさらなるステップアップを期している。5月18日に予定されている次戦をタイトル挑戦への足がかりにするつもりだ。
「憧れていたUFCの舞台で世界のトップファイターたちと戦い、しかも5連勝することができ、少しずつ自分の強さに確信を持てるようになってきました。次戦は経験豊富なティム・エリオット選手が相手ですが、先手を打たせることなく自分のペースで試合をつくっていきたい。そして一戦一戦、目の前の試合に集中してUFCフライ級王座のベルトを狙いにいきます」
平良達郎 TATSURO TAIRA
2000年1月27日生まれ、沖縄県出身。キックボクシングを習っていた兄の影響で高校1年生から現在の所属先「Theパラエストラ沖縄(現・THE BLACKBELT JAPAN)」に通い始める。2017年に全日本アマチュア修斗フライ級で優勝。翌年、大学在学中に修斗でプロデビュー。同年に開催された修斗新人王決定トーナメント(フライ級)を制覇し、新人王とMVPの2冠を達成。その後も着実にトレーニングを積み、2021年には修斗世界フライ級王者に。そして22歳で総合格闘技の最高峰であるアメリカ「UFC」に参戦。現在、日本人最多タイとなる5連勝中。
Photo:Shintaro Tohyama Interview & Text:Sayako Ono Composition:Kai Tokuhara
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