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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、バスケットボール・Bリーグ(横浜ビー・コルセアーズ)の田中 力さん。
BASKETBALL
― バスケットボール ―
「バスケに対する
パッションなら、誰にも
負ける気がしません」
かつて15歳の若さでバスケットボール日本代表候補に選出された田中力。その彼がこの秋、5年のアメリカ留学を経て帰国。以前にU-15でプレーした横浜ビー・コルセアーズでプロキャリアをスタートさせている。
「バスケを始めたときから本場アメリカで学んでみたい気持ちがありました。いろんな国から集まった選手たちの中で経験を積み、よりレベルアップがしたくて。IMGアカデミーに留学直後は生活面でもカルチャーショックを受けましたし、チームメートからリスペクトをもらうことにかなり苦労しました。ただそういうときこそ目的を見失わず、練習に励むように意識しました。自分が自分を信じられないと誰もそうしてくれない世界なので、そこで何があっても自らを信じ抜く力を身につけました。日本から応援してくれていた母や兄の存在が原動力になりましたね」
留学中、新型コロナウイルスの感染拡大によって進路を決める大切なシーズンが中止になるなど難しい時期も過ごした彼だが、何事も前向きに物事を捉える意識で乗り越えてきた。
「そういう経験も必要だったのかなと今では思います。母から『起こることにはすべて意味がある』とよく言われていたので、ネガティブなことがあってもいつか自分の糧になると考えるようにしています。そして向こうにいる間も日本代表の活躍や、レベルがどんどん上がっていくBリーグをチェックしていたので、日本でプレーしたいという気持ちがより高まっていました」
ビー・コルセアーズには、今や日本代表の中心選手である河村勇輝や、中学時代からの旧友であるキング開ら若くて才能豊かな選手が多く所属。彼らからも大きな刺激を受けながら充実したバスケライフを送っている。
「プロの先輩たちからは日々学ぶことだらけ。でも世代が近い選手たちは自分にとって勇気を与えてくれる心強い存在でもあります。今は毎日の練習や試合が楽しくてたまらないですね。こうやってまた日本でバスケができて本当にうれしいですし、アメリカで培ってきたことをどういう形で発揮できるのかを模索する楽しみもあります。これからチームにしっかりと貢献して、自分らしいプレーを皆さんに見せていきたいと思っています。バスケが好きな気持ちや試合にかける思いは、誰にも負けないですね!」
田中 力 CHIKARA TANAKA
2002年5月4日生まれ、神奈川県横須賀市出身。186㎝・88㎏。ポジションはPG(ポイントガード)。小学4年からバスケを始め、中学3年時に横浜ビー・コルセアーズU15に所属して「B.LEAGUE U15 CHALLENGE CUP 2018」の優勝に貢献し、大会MVPを獲得。そして2017年に史上最年少となる15歳5か月で日本代表候補に選出。中学卒業後はアメリカ・フロリダ州にある世界有数のアスリート育成校「IMGアカデミー」に進学。その後ミネソタ州のベテル大学を経て今季より横浜ビー・コルセアーズに加入。
Photo:Shintaro Toyama Interview & Text:Sayako Ono
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