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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、フリースタイルフットボールのKazaneさん。
FREESTYLE FOOTBALL
― フリースタイル フットボール―
「フリースタイルフット
ボーラーという枠を超えた
存在をめざしていきたい」
リフティングやドリブルなどのサッカーの技術をより芸術的に昇華させ、音楽に乗せてアクロバティックに表現する「フリースタイルフットボール」。競技自体は古くから存在したが、自在に映像を世に発信できる“SNS時代”ともマッチして今や目が離せないストリートスポーツになっている。Kazaneはそんな近年のフリースタイルフットボールシーンを牽引するトップパフォーマーのひとりだ。
「サッカー部に入っていた小学5年の頃、リフティングがめちゃくちゃうまい人がたまたま地元にいて、彼の動きに衝撃を受けて2時間くらい見入っていたらボールを渡されて『一緒にやろうよ』って。本当に偶然というか、今思うと奇跡的な出会いでした」
12歳で早くも自らチームをつくり、YouTubeなどを通して全国から同志を募って滋賀でコミュニティを形成。それが今のトップチーム「AIR TECHNICIAN」のベースになっている。
「長野や大阪から仲間を集めて。彼らと一緒に活動していく中で、高校生の頃には『これで生きていこう』と思うようになりました。そして卒業後に上京し、初めて世界大会に出たことで価値観がさらに広がり、ボールひとつで世界とつながれる面白さに魅了されてどんどん深みにはまっていきましたね」
そんな彼が技のスキル以上に大事にしているのが“スタイル”だ。
「フリースタイルフットボールの世界は前例がないことだらけの道で、何をやってもオリジナルになるところが魅力。だからこそ僕は反復練習よりも想像力やインスピレーションを重視していて。難しい技にとらわれるのではなく、誰でもできるような技であっても『Kazaneがやるからカッコイイ』というふうに見てもらいたいんです」
今後はカルチャーそのものの発展を視野に入れながら、枠にとどまらない活動を展開していくつもりだ。
「チームとしてもう一歩違うステージに踏み出すために、8月にL.A.で開催されるWORLD OF DANCEというダンスの世界大会に出場します。ある意味、道場破り的な感じですが(笑)、直近ではそれがいちばん大きなチャレンジ。その先は映像編集などのクリエイティブや大会のメイキングなど、いろんなスキルを向上させてフリースタイルフットボールシーンに還元していきたいと思っています」
PROFILE
Kazane
1998年3月2日生まれ、滋賀県米原市出身。小学生時代にフリースタイルフットボールと出会い、中学からYouTubeなどのソーシャルメディアを駆使してチームメンバーを募りながら活動を本格化していく。そして2016年にチェコで開催された世界大会Super Ballでベスト16に入って以来、国内外の様々なコンペティションで好成績を残して注目を集める。また多くの若手トップパフォーマーが所属するチーム「AIR TECHNICIAN」を主宰し、フリースタイルフットボールのさらなる発展と普及にも貢献している。
Photos:Takahiro Idenoshita Composition & Text:Kai Tokuhara
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