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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、サッカー・Jリーグ(湘南ベルマーレ)の町野修斗さん。
FOOTBALL
― サッカー ―
「どん欲に上を見ながら、
ストライカーとしての
純度を高めていきたい」
今季のJリーグでさらなるブレイクが期待されるFW。その“最前列”にいるのが湘南ベルマーレの町野修斗だ。昨季は日本人トップの13得点。ゴールパフォーマンスの「忍者ポーズ」はすっかりトレードマークとして定着し、日本代表としてカタールW杯のメンバーにも名を連ねた。
「ゴールを重ねられたのはチームからの分厚い信頼のおかげ。『町野に出しておけば決めてくれる』というみんなからのメッセージをすごく感じながらプレーすることができたので。忍者ポーズは…伊賀出身ということで何となくアリかなと思って始めました(笑)」
さて、映像で町野のゴールを何度か見ているとあることに気づく。右足、左足、ヘディングと、得点パターンがかなり多岐にわたり、かつシュートに入る動作に一切迷いがないのだ。
「両足どちらも使えて、頭でも決められる。その自分の強みを昨季はしっかり出せました。それにゴールを重ねるごとに自信が増し、いい意味で余裕が生まれてきたので迷いなく足を振れましたね。常に心がけているのはミスを気にしないこと。シュートを外してもまたすぐにチャンスがくると思って準備し続けることが大事。もちろん点をとれなかったり試合に負けたら腹が立ちます。でもそれを引きずると負の連鎖に陥りやすいので。その点、僕はもともと性格的に落ち込むことがほとんどないので切り替えは早いです」
飛躍が本物と証明するためにも、今季は真価が問われるシーズンになる。
「昨季はアシストがゼロでしたし細かなミスも多かった。そこを改善してもっともっと違いを見せていきたい。チームとしては5位以上、個人では背番号と同じ18ゴール以上が目標です」
飄々(ひょうひょう)とした語り口にどん欲な向上心がにじむ。原動力はやはりW杯だ。
「僕はアジア予選を戦わずして最終メンバーに選んでいただいた。そんな中で、厳しい予選を勝ち抜いて本大会に出てきた選手たちの試合にかける思いや練習への取り組み方にすさまじさを感じました。出場機会がなかった悔しさはもちろんありますが、それでもあの空気を味わえたことは大きな財産。だからこそ『次は見てろよ』という気持ち。日本を代表するストライカーに成長して、今度こそ自分があの舞台に立ってベスト8の壁を破りたいです」
町野修斗(まちの しゅうと)
1999年9月30日生まれ、三重県伊賀市出身。3歳でサッカーを始め、大阪・履正社高校から横浜F・マリノスに加入。その後2019年にJ3・ギラヴァンツ北九州へ期限付き移籍し、Jリーグデビュー。そして2021年からJ1・湘南ベルマーレでプレー。昨2022年シーズンはJ1のゴールランキング2位、日本人では単独トップとなる13得点を記録するなど大きく飛躍。また同年には日本代表にも初招集。EAFF E-1サッカー選手権2022で大会得点王に輝き、その活躍が認められてカタールW杯の最終メンバーに選出された。
Photo:Shunsuke Kondo Composition & Text:Kai Tokuhara
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