▼ WPの本文 ▼
様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、スケートボードの織田夢海さん。
SKATEBOARDING
―スケートボード―
「パリ五輪をめざして、
自分のスタイルを
どんどん出していきたい」
早くも来年に迫ったパリ五輪に向けて、今最も注目を集めているスケートボーダーが16歳の織田夢海だ。昨年4月、日本で初めて開催されたアクションスポーツ最高峰の舞台「X Games」のスケートボード女子ストリートでは、最高難度のトリック「キックフリップ・フロントサイドフィーブルグラインド」をメイクして圧倒的な存在感を放った。
「東京五輪前からずっと練習していましたけど、全然メイクできていなかったんです。だからX Gamesのような大会で初めてきれいに決まって、めっちゃうれしくて興奮しました!」
小学2年生でスケートボードと出会って以来、試合で好成績を重ねるにつれて競技の楽しさを実感していったと話す彼女にとって、有力視されていた東京五輪出場を逃した経験も成長するための大きな糧になっている。
「五輪出場を逃した年は、他の世界大会にも招待されなくて本当に悔しかった。だから『次こそは』という思いでひたすら練習していましたね」
そして今、彼女の快進撃が止まらない。2022年にローマで開催された世界選手権で3位、SLS(ストリートリーグ)のジャクソンビル大会では高難度の大技を連発して女子SLS史上最高得点をマークし、2位に入る大健闘を見せた。この2023年はパリ五輪に向けてさらに熾烈(しれつ)な戦いが続く。東京大会でメダルを獲得した同世代のライダーたちや、さらに自分よりも若い世代の台頭も目の当たりにしながら、ひたむきに世界一をめざす。
「練習のときはみんなで楽しく滑っていますけど、いざ大会になったら自分のことだけに集中するように心がけているというか。みんな仲間だけどちゃんとライバル。そういう意識を持って、いい刺激をもらいながらスケートボードができています。今年は五輪へつながる大会が増えていくのでたくさん練習を積んで、結果を残しながらどんどん調子を上げていきたい。スケボーをたたく力が弱いと大きなレールにも入れないので、今はオーリーなど基礎からもう一度見直しつつ、スピードに乗ったまま着実に技をメイクして自分のスタイルを表現できるスケーターをめざしたいですね」
PROFILE
織田夢海(おだ ゆめか)
2006年10月30日生まれ、愛知県出身。7歳のときに叔父のすすめでスノーボードのオフトレーニングとしてスケートボードを開始。以来、地元・名古屋のスクールで練習を積み、11歳で日本スケートボード選手権ストリート2位に輝く。翌年からX Gamesやストリートリーグなど世界最高峰の大会を転戦し、2022年7月には南カリフォルニアで開催された「X Games Southern California 2022」で3位に入賞。同年10月、さいたまスーパーアリーナで行われた「CHIMERA A-SIDE -THE FINAL-」では男子の堀米雄斗とともに優勝。
Photos:Takahiro Idenoshita Interview & Text:Sayako Ono Direction:Kai Tokuhara
▲ WPの本文 ▲