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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、フリースタイルスキー・モーグルの川村あんりさん。
MOGULS
―フリースタイルスキー・モーグル―
「何よりもスキーが好き。
その思いを大切に、
世界一をめざします」
中学３年時に初出場したＷ杯で２位。フリースタイルスキー屈指の注目競技モーグルでそんな鮮烈なデビューを果たした川村あんりは現在18歳。近年は持ち味でもあるターンにさらに磨きをかけながらＷ杯で表彰台や上位入賞を連発するなど、若くして日本女子モーグル界のエースになりつつある。2022年２月には幼い頃からの夢だった五輪でもおおいに躍動した。
「選手村に入った直後はどこにいても五輪エンブレムが目に入ってきてとても緊張しましたが、いざ練習を始めてからは自分のスキーに集中できましたし、試合本番のスタートゲートに立った瞬間も『五輪だから』という特別な感覚はなく、いつもの試合と同じようにワクワクした気持ちで臨めました。ずっと夢見ていた舞台を、終始『すごく楽しい！』という印象のまま終えることができましたね」
しかしながら５位という結果に100%満足しているわけでは決してない。さらなる成長を促すために、五輪後は少し時間をかけて自分自身と向き合った。
「こう見えてかなり怖がりなので（笑）、今まであまり新しい技に挑戦してこなかったのですが、今季に向けてのオフのトレーニング期間にはターンの向きをあえて変えてみたり、回転数を増やしてみるなど練習でもいろんなことにトライしてみました。その反復練習をどんどん自信につなげていきつつ、もう一度『何よりもスキーが好き』という自分の気持ちの原点に立ち返りながら次の４年間に向けてモチベーションを高めています」
“進化するために変化を恐れない”。この12月から始まるＷ杯は、そんな果敢なチャレンジに挑む彼女の今後を占ううえで大きな試金石になりそうだ。
「今季の目標はＷ杯の総合優勝と世界選手権での金メダル。そのために、海外渡航前は国内のウォータージャンプ場で徹底的にジャンプを強化し、11月中旬からのフィンランドでの雪上練習でターンとあわせて調整をしています。バランスをくずすことが少なくなってきたターンの質には、自分としてもかなり手応えを感じているので、ぜひ今季の滑りに注目してください！」
PROFILE
川村あんり（かわむら あんり）
2004年10月15日生まれ、東京都出身。スキーに慣れ親しんでいた祖父母の影響で３歳からスキーを始め、４歳のときにモーグルに出会う。中学校までの９年間は新潟県湯沢町で練習に励み、現在は日本体育大学桜華高校に在学中。2019年に15歳で初出場したＷ杯で準優勝に輝くと、翌2020年には国際スキー連盟主催の最優秀新人賞を受賞。また昨シーズンはＷ杯総合２位、2022年北京冬季五輪のフリースタイルスキー競技女子モーグルで日本人最高位の５位入賞。
Photos:Yumi Yamasaki Interview & Text:Sayako Ono Direction:Kai Tokuhara
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