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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、サッカー・Jリーグ(横浜F・マリノス)の藤田譲瑠チマさん。
FOOTBALL
―サッカー―
「世界を常に意識しながら、
より強度の高いボランチを
めざしていきたい」
またひとり、日本サッカーの将来を担う可能性を秘めた若者が現れた。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ藤田譲瑠チマは横浜F・マリノスで急成長中の20歳のボランチだ。
「今季は多くの試合でイメージどおりのプレーができていますし、これまで様々なチームで経験してきたことを生かしながら引き出しを増やせているので、自分でも成長を実感しています。優勝を争う緊張感の中でプレーができている点も含めて、F・マリノスへの加入はキャリアの大きなターニングポイントになったと思います」
攻撃面では卓越したボールコントロール、的確なパス、視野の広さで効果的なリズムと推進力を生み出し、守備では秀でたボール奪取能力やポジショニングで相手のカウンターの芽を摘む。まさに現代サッカーにおいてボランチが求められる資質を高いレベルで兼ね備えている。
「最初は自らの意思でボランチになったわけではないのですが、小学生の頃から試合でボールにたくさん触るポジションが好きで、中学生になるとパスサッカーの起点になることに対してより魅力を感じるようになりました。それ以来、攻守両面において相手の意表を突くプレーに喜びを感じながらプレーしています」
今やパリ五輪をめざすU-21日本代表でも中盤に欠かせないキーパーソン。Jリーグと国際試合をハードに行き来する日常も成長の糧という。
「代表選手ともなれば海外で試合をして、帰ってきてすぐにクラブの試合に出るのは当たり前。自分がそういった状況でサッカーができていることにやりがいを感じているので、疲れはそれほど感じません。それにもともとシーズン中もオフに筋トレをしてしまうタイプなので(笑)、サッカー漬けの生活はむしろ楽しいですね」
遠くない時期に日本代表の中心になるであろう彼が、この先に描くビジョンとは。
「当面の目標は25歳。その頃にイングランド・プレミアリーグで当たり前のようにプレーしている自分を想像しながら、現実になるようにもっともっとプレーの強度を高めていきたいです」
PROFILE
藤田譲瑠チマ JOEL CHIMA FUJITA
2002年2月16日生まれ、東京都町田市出身。174㎝・74㎏。ポジションはMF(ミッドフィールダー)。東京ヴェルディのジュニアユース、ユースを経て2020年にトップチームデビュー&プロ初ゴール。その後2021年は徳島ヴォルティスでプレーし、今季より横浜F・マリノスへ移籍加入。2022年シーズンはJ1リーグ27試合に出場して1ゴール(10月8日・第32節終了時点)。ボランチの主力としてチームの優勝争いに大きく貢献。またパリ五輪をめざすU-21日本代表でも中心的存在となっており、7月のE-1選手権ではA代表にも招集。
Composition & Text:Kai Tokuhara
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