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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、ムエタイの吉成名高さん。
MUAY THAI
―ムエタイ―
「本場のタイの人々からも
伝説の選手と呼ばれる
ような存在になりたいです」
日本の格闘技界にまたひとり、若きスター候補が現れた。21歳の吉成名高はキックボクサーであり“ムエタイ選手”。少年時代から本場のタイで鍛錬を重ね、「ラジャダムナン」「ルンピニー」というムエタイの2大最高峰の王者にも輝いた正真正銘の“たたきあげ”だ。
「格闘技との出会いは4歳の頃に兄についていって始めた空手。でもなかなか試合で勝てなくて、空手にプラスになればと思って最初は地元のサークルでキックボクシングを始め、小学5年から今のジムでより本格的に取り組むようになりました。その後ジュニアチャンピオンになれたことを機に、ジムの会長からすすめられて本場のタイに行って試合をしたんです。そこで何もできずに負けてしまってムエタイのすごさを肌で実感し、また観光で行ったラジャダムナン・スタジアムで本場の迫力に圧倒されて『自分もこのリングに立ちたい!』と思いました」
以来、試合のたびに現地に赴いては本場の厳しさにもまれながらムエタイに明け暮れる。努力の日々が実ったのは高校3年のときだ。
「タイの選手はみんな朝から晩まで練習し、生活をかけてムエタイをしています。そんな環境で勝っていくためには彼ら以上に練習しなければという気持ちでした。だから目標に掲げていたラジャダムナンのタイトルを手に入れたときは本当に達成感がありました。同時期にルンピニーのタイトルもとれて、日本人選手として初めて統一王座に就けたことが近年のRIZIN出場にもつながっていると思うので、自分が信じた道を地道に一歩ずつ進んできてよかったです」
現在はRIZINをはじめ日本のリングで大いに存在感を発揮している彼だが、さらなる飛躍を期すとともにこんな壮大なビジョンも描く。
「ヒジ打ち、ヒザ蹴り、首相撲といったムエタイ選手特有の動きをどんどん見せて日本の皆さんに『ムエタイの技ってすごいな』と感じてもらいたいですし、もっともっと圧倒的な試合を増やしていってタイ国内でも伝説のムエタイ選手と騒がれるような存在になりたいですね」
PROFILE
吉成名高 NADAKA YOSHINARI
2001年1月8日生まれ、神奈川県横須賀市出身。164㎝・52㎏。エイワスポーツジム所属。小学3年時にキックボクシングを始め、6年生の頃から本場タイで修業しながらムエタイ選手として実績を積む。2019年、日本人として初めてムエタイ最高峰の舞台である「ラジャダムナン」と「ルンピニー」の統一王者に輝き、日本の格闘技界でも一気に知名度を上げる。2020年から参戦中のRIZINではこれまで5戦してすべてTKOかKO勝利と、存在感は飛躍的に高まっている。
Photo, Composition & Text:Kai Tokuhara
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