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様々な競技で活躍する注目のアスリートにインタビュー。今回は、スケートボードの西矢椛さん。
SKATEBOARDING
―スケートボード―
「大会でもストリートでも
カッコいい滑りができる
スケーターになりたい」
昨年7月26日、東京五輪で日本人史上最年少記録の13歳10か月でスケートボード・女子ストリートの初代金メダリストに輝いた西矢椛。あれから半年あまりがたったが、五輪の舞台にフレッシュな風を吹き込んだ屈託のない笑顔は今もそのまま。この春、中学3年生になる若きスケーターに昨夏の思い出について尋ねると、少しはにかみながらこう答えてくれた。
「競技が終わった瞬間に『やった!』って。初めて世界大会で優勝できてすごくうれしかったです。出場選手が他の大会とほとんど変わらなかったので普段どおりの感じで滑ることができましたし、そんな中で最後まで笑顔で楽しく滑り切れたことが優勝できた要因だと思います」
五輪後も世界で存在感を発揮中。スケートボードの世界最高峰SLS(ストリートリーグ)でアリゾナ州のレイクハバス大会、フロリダ州のジャクソンビル大会と立て続けに表彰台に乗り、その実力が本物であることを証明。彼女が難易度の高いトリックを果敢に繰り出すと、失敗しても大きな歓声と拍手に包まれる。今や世界のスケボーファンたちが注目する人気者だ。
「2021年は本当にいろいろな経験をさせてもらった一年でした。とくに海外の大会は、技を決めたときにワァッと歓声がわくのがうれしくて、本当に滑っていて気持ちがいいです。スケボーを通して海外の選手たちと仲よくなれることもすごく楽しいです。今年はもっともっと成長して、新しい技をいっぱい身につけてSLSで優勝することがいちばんの目標ですね」
持ち前の笑顔とともに自然体で競技を楽しみながらも、ひたむきにスケーターとしての成長をめざす14歳。大会のみならず、これからはスケートボードの原点であるストリートでのカッコよさも追求していきたいという。
「海外のストリートで映像の撮影がしたいです。とくにハリウッドハイ(L.A.の有名なスケートボードスポット)には行ってみたいですね。(堀米)雄斗くんみたいに、大会でもストリートでも活躍できるスケーターになりたいです」
PROFILE
西矢 椛 MOMIJI NISHIYA
2007年8月30日生まれ、大阪府松原市出身。6歳の頃に兄の影響で本格的にスケートボードを始め、そこからわずか7年で世界のトップカテゴリーに仲間入り。2021年6月にローマで開催された世界選手権で2位となり、東京五輪の新種目スケートボード・女子ストリートの代表に選出。そして東京五輪本大会では日本人最年少となる13歳10か月でみごと金メダルに輝いた。五輪後も世界最高峰のSLSで2位、3位と連続表彰台を達成。
Photos:Yuichi Sugita[POLYVALENT] Composition & Text:Kai Tokuhara
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