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新型コロナウイルス感染拡大により、僕らの恋にも変化が──。いわゆるwithコロナ時代における恋愛を徹底リサーチし、新しい生活様式に慣れつつある現在と、これからの在り方を探る。
「桃山商事」清田隆之さんに聞いた!
これからのカップルに必要なこと
1,200人もの恋バナを聞いてきたという恋バナ収集ユニット「桃山商事」の清田さんは、コロナ流行後も“恋バナ”を聞き続けている。多くのカップルの“恋愛”を聞く中で気づいた変化、そしてその変化への対処の仕方について教えてもらった。
清田隆之さん
恋バナ収集ユニット桃山商事代表。文筆家。『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(イースト・プレス)など、様々な恋愛本を執筆。男性目線で書かれたジェンダー・エッセイ集『さよなら、俺たち』(スタンド・ブックス)も発売中。
新しい生活の中で
致命的な分断を生まないために
清田さんによると、大きく変わったことはふたつ。コミュニケーションの方法と、価値観の差が浮き彫りになりやすくなったことだそう。
「自粛中に文字や音声のみのやりとりが増え、そのコミュニケーションが定着したカップルが多い印象です。チャットや通話は、対面で話すときと比べて、周りに会話の燃料になるものがないぶん、より相手に向き合わなければなりません。要はコミュニケーションの濃度が上がっているんですね。そしてもうひとつは、価値観の違いがモロに出るようになったこと。どれくらいの頻度で手を洗うか、旅行に行くか、あるいは政治的なスタンスまで、“価値観のズレ”につながることが身のまわりに増えました。しかも、状況は安定せず、何が正しいかもはっきりしない。コロナ前と比べて、致命的な分断が生まれやすくなっていると感じます」
では、その変化にどう対応していけばいいのか。
「当たり前すぎるかもしれませんが、深く話し合い、お互いの考え方を知ることです。価値観のズレが致命的なものにならないように、すり合わせていくことが一番ですね。以前は楽しい体験を一緒にすることで、愛情が増していくことも多かったと思います。その機会が減った今は、いいコミュニケーションを取り、信頼感を高めることが、親密度を高めるカギになるはずです。逆に“この人とはコミュニケーションが取れない”と感じたときは、無理につき合い続けなくてもいいと思います。ピーク時に比べると日常が戻りつつあるとはいえ、気をつけなければならないことが増えたり、授業や仕事がリモートになったり、環境が変わったのは確か。体と心には確実に負荷がかかっています。そんな状況の中、恋人との関係でさらにストレスをためる必要はありませんから」
ソーシャルディスタンス時代の
恋愛に困ったときは…
連絡がマンネリしてきたら
同時に同じことをして“感情”を生む
「単純に連絡を取るだけだと、外でのデートに比べて感情が高まりにくく、マンネリにつながる。一緒にゲームをする、動画を観るなど、感情が動きやすくなるアイテムを取り入れて」
会いたいけど会えないときは
相手の好きなものを
シェアして愛を伝える
「オンラインで常に“好き”を伝え合うことが重要です。相手の好きそうな食べ物、お店、ツイートをシェアするといいと思います。行動を通じて、いつも気にかけていると伝えましょう」
すれ違いそうになったら
相手にインタビューし
“いいコミュニケーション”を
「男性は、価値観のプレゼンを“いいコミュニケーション”と思いがち。しかし、すれ違いをなくすには相手の話を聞くことが大事。“インタビューする”という意識で聞き手に回ってみよう」
何かを二人でやりたくなったら
提案の前に考え方を聞く
「価値観の差が浮き彫りになる場面はまだまだ多い。ケンカにならないよう、“やりたい”と言う前に、相手はどう思っているのかを聞き、価値観のすり合わせから始めるのが◎」
Illustrations:Kazuhiro Tateno Composition & Text:Miki Higashi
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