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BTSベスト盤、三浦しをんの青春小説etc.…今、読みたい、聴きたい今月のカルチャー

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REVIEW

BOOK

『エレジーは流れない』


三浦しをん
双葉社/¥1,650



新幹線の「こだま」が止まることで発展したものの、今はさびれかけている温泉街、餅湯温泉。母と2人で暮らす男子高校生の怜は、友人たちとのんきな毎日を送っていた。修学旅行先でのいざこざ、神社の大祭などの日常に、餅湯博物館から町のお宝、縄文式土器が盗まれたというニュースが飛び込んでくる。共感度100%の青春小説。

『シブヤで目覚めて』


アンナ・ツィマ
河出書房新社/¥2,970



小説は何を書いても自由。面白ければいい。チェコ人のヤナは日本に留学し無名作家の短編を訳している。ヤナはなぜかもうひとりいて、そちらは17歳のまま渋谷に閉じ込められている。現実と幻想と小説の翻訳作業とがからみ合い、なんとも個性的な世界が誕生。どこへ向かうのかわからない楽しさがある。日本文化論として読むことも可能だ。

『終末ツーリング』1巻


さいとー 栄
KADOKAWA/¥737



ヨーコとアイリはヤマハのバイクに乗り、箱根から東京へと向かう。人っ子ひとりいない町。よく見ると道路や建物が崩壊しかけている。ところどころに戦争の跡を思わせる遺物があり、世界がこんなふうになったのはなぜなのか、謎は深まるばかりだ。2人の旅の技術と、「終末後」の世界の細部も興味を引く。ユニークなツーリング漫画だ。

 


MUSIC

SHISHAMO
『SHISHAMO 7』



疾走感のあるサウンドに乗せ、高鳴る胸の鼓動を表現したような楽曲の数々が人気を呼んでいる3人組バンドの新作。WEB CMソングに起用された恋する思いを率直に伝えた楽曲や、しっとりとしたピアノバラードなど、より彩り豊かになった楽曲群。彼女たちの進化した姿が伝わると同時に、日常をワクワクさせるエネルギーも感じ取れるはず。
(ユニバーサルシグマ) 6月30日発売

BTS
『BTS, THE BEST』



今年のグラミー賞にノミネートされるなど、世界中に大旋風を巻き起こしている彼らのベスト盤。back numberとコラボレーションした「Film out」を筆頭に、日本語の楽曲を中心に構成された2枚組の内容。彼らの輝かしい軌跡をここで振り返ることができる。また自身初の全米チャート首位を記録した「Dynamite」もボーナストラックで収録!
(Def Jam Recordings) 6月16日発売

MONO NO AWARE
『行列のできる方舟』



今年のフジロックに出演が決定している彼らの通算4作目のオリジナルアルバム。アニメ映画の主題歌に起用された「ゾッコン」をはじめとする全10曲は、日常感がありながらも、壮大なファンタジーを感じさせる不思議な音世界。最後には、なにげなく毎日を生きていること自体がロマンチックだと気づかされる。奥深い作品に仕上がった。
(SPACE SHOWER MUSIC) 6月9日発売

 


MOVIE

『グリード ファストファッション帝国の真実』



実在の英国ファストファッション王をモデルにした痛快な風刺劇。エーゲ海に面したギリシャのリゾートでパーティの準備が進められつつ、強欲な主人公の30年に及ぶ成り上がり人生が回想される。華やかなセレブ生活の一方、東南アジアの労働力を搾取している現実も。エシカルな消費が提唱される今、アパレル業界の裏側に猛毒の笑いで斬り込む問題作だ!
●6月18日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
©2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

『Arc アーク』



人類で初めて永遠の命を得たリナ(芳根京子)。ストップエイジングの施術を受けて、不老不死を実現した彼女は、30歳の体のまま生き続けるのだが……。中国系アメリカ人作家、ケン・リュウの傑作短編小説を、『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督が映画化。幻想的な映像美でつづる哲学的ファンタジー。有限の時間の中で“生きる”ことの意味について考えさせられる。
●6月25日より、全国公開
©2021映画『Arc』製作委員会

『いとみち』



日本のソウルミュージックというべき津軽三味線がつむぐ珠玉の人間賛歌。青森の田舎町で暮らす女子高生のいと(駒井蓮)が、街のカフェで初めてのバイトを体験する。監督は『ウルトラミラクルラブストーリー』の横浜聡子。思春期の葛藤と自己発見、少女の成長を温かな目で描いた名作が誕生した。第16回大阪アジアン映画祭グランプリ&観客賞をW受賞。
●6月25日より、全国公開
©2021『いとみち』製作委員会

[BOOK]Text:Kenji Takazawa
[MUSIC]Text:Takahisa Matsunaga
[MOVIE]Text:Naoto Mori

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