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2025年5月2日(金)〜4日(日)の3日間にわたり、芝パークホテルにて「TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR」が開催。
TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR

「TOKIO ART BOOK FAIR」は、「TOKYO ART BOOK FAIR」(以下、TABF)を運営する一般社団法人「東京アートブックフェア」が新たに企画するアートブックフェア。これまでと異なる出展の形式や、コンパクトな規模ならではの取り組みを実施し、国内外のインディペンデント出版シーンや、参加者同士の交流をより活性化することを目指している。
「TOKIO ART BOOK FAIR」というTABFと1文字違いの名称には、本フェアをTABFのオルタナティブとしてではなく、パラレルな存在として位置付け、別の視点を導入すること、東京=TOKYOを別の角度から眼差してみるという意図が込められている。あえてブートレグ的な名称をつけることで、TABFのオルタナティブな側面を再定義し、多様な価値観が交差する雑多な魅力を表現。

第一回目となる今回は出展者の公募を行わず、招待制の出展形式を採用。TABF出展経験のある約20組をホスト出展者として運営チームが選出し、彼らがそれぞれ2組のゲスト出展者を推薦。国内外のアーティスト、出版社、書店、ギャラリーなど、約55組が集結。出展者それぞれの観点から推薦してもらうことで、国境を越えたネットワークや、ローカルな交友関係によって参加者が広がりを見せる。それぞれの出版活動がもつ独自の文脈や関係性を通して、新たな視点からアートブック出版の多様さを知る機会となることが期待される。

会場となる芝パークホテルは、1948年(昭和23年)に誕生した歴史あるホテル。創業から72年を迎えた2020年には「人、街、歴史をつなぐLibrary Hotel」というコンセプトをもとにリブランド。この地の伝統と文化に呼吸をあわせるように時を紡いできた古き良きホテルならではの心地良さはそのままに、約1,500冊の書籍コレクションを備えたLibrary Hotelとして再出発。

本フェアでは、ホテル2階のどことなく懐かしい雰囲気をまとった宴会場が出展ブースとなり、ワンフロア貸切での開催。特設のラウンジエリア(2階)では、来場者、出展者がドリンクやフードを楽しむこともできる。ホテルという空間を活かし、緩やかな交流の時間を提供している。


既存の枠組みにとらわれない、
TABFの新たな取り組み
2009年にアート出版に特化した日本で初めてのブックフェアとしてスタートしたTABFは、アジアにおけるアートブック文化を牽引するフェアとして、着実に成長を続けてきた。2019年からは、会場を東京都現代美術館に移し、毎年約350組が出展、2万人以上の方が来場。また、Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)にて約1ヶ月にわたって開催した「TOKYO ART BOOK FAIR: Ginza Edition」(2019)をはじめ、オンライン上のヴァーチャル空間にフェアを再現した「VIRTUAL ART BOOK FAIR」(2020)など、既存のアートブックフェアの枠組みにとらわれない企画を積極的に行っている。
また、本フェアは新進の運営体制を組織していくことも目的とし、TABFのZINE’S MATEエリアディレクターを務める黒木晃がディレクターに就任。TABFのプロジェクトマネージャーで、TABF2024では「Doitsu Art Buchmarkt」企画も担当した角田芽央子が運営チームリーダーとして参画。両名を中心とした新たなチームで企画運営を進めている。
EXHIBITION
BOOK? by Atelier HOKO
Atelier HOKO(アトリエ ホコ)は、シンガポールのデザイナー、Alvin HoとClara Kohによって2002年に設立されたインディペンデントな創造的実践。本展は、デジタルメディアが物理的な世界との関わり方を変えつつある今、「本を読むとはどういうことか?」をテーマに読書という行為にまつわる人間のふるまいや感覚について、様々な「問い」を来場者に投げかける。本のサイズや形状、紙の質感はどのように規定され、読書体験にどんな影響を与えるのか?見慣れたソフトカバーの雑誌が、豪華なハードカバーだったら?もし、本がページを閉じることを拒否したら?素朴な疑問や想像から生まれた様々な本が展開される本展を通して、「本」という存在を多様な視点から改めて見つめ直す機会を得ることができるだろう。それは、懐かしさからではなく、私たちが「読む」ということの本質に立ち返るための試みだ。
プロフィール:
2002年、Alvin HoとClara Kohによって設立されたAtelier HOKOは、人・物・空間の間で拡がる隔たりについて研究する独立した創造的実践。現実を新たな視点で見つめ直し、あらゆる現象に対して好奇心を持つことで、人間のオープンさと無知である力を探求する。
協力:DesignSingapore Council
※ ワークショップ、トークイベントなど、そのほかのコンテンツの詳細については、後日公式ウェブサイト、及びSNSでの更新を予定。
TABFによる新たな試みであるアートブックフェア。新しい発見や出会いを求め、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
<Exhibitors>
出展者一覧 (アルファベット順)
1 and Half Atelier (China) / 18, Murata / Ao-Hata Bookstore / betweenia project (Australia / China) / BIKO & KENNY / CHILL! / commune / DOOKS / Edition Taube (Germany) / Further Reading (Indonesia) / GHOST MEMBER PUBLISHING / GIDDRA STUDIO / Goods / HAMMER PRESS / Hand Saw Press / Hekichi / Hikari Nishida/The Temporary Bookshelf (Finland) / hk. | hikotaro kanehira / Hwawon (South Korea) / IACK / Jane & Jeremy (United Kingdom) / KAIGA reviewing strata / Kosho Shop Oshiage / Lavender Opener Chair / Lee Kan Kyo / loneliness books / MANAHO HAMASAKI / MICRO SERVICE (South Korea) / Miki Kim (South Korea) / Min Guhong Manufacturing (South Korea) / Misa Asanuma / Mulu Office (Taiwan) / nagai serena / Nomad Papaya Books (Taiwan / Germany) / oar press / Off Course (The Netherlands) / onnacodomo / Outline Platform (The Netherlands) / Overlapse (United Kingdom) / paper company / Perimeter Editions (Australia) / pharmacy / SAMY PRESS / Shiwashiwa / SPACE PAPER & K.M.C / Studio P.R.O / Tall Poppy Press (Australia) / The Book Society/Mediabus (South Korea) / The Future Publishing (The Netherlands) / THE ICE PLANT (United States) / (TT)press / yomedoyomanedo
TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR
会期:2025年5月2日(金) ~ 4日(日)
会場:芝パークホテル
住所:東京都港区芝公園1-5-10
公式サイト:https://tokioartbookfair.com/
Instagram: @tokioartbookfair
開催時間
5月2日(金)13:00-19:00
5月3日(土)12:00-19:00
5月4日(日)12:00-19:00
※最終入場は閉場の30分前まで
入場料
一般:1,500円(税込)
25歳以下:1,000円(税込)
19歳以下:無料
※チケット完全予約制
※チケットの発行手数料に別途165円(税込)がかかり、会場での当日券販売予定はなし。
Text:Mitsuru Ito

伊藤満
WEBエディター
ファッションと美容を担当。服も美容も大好きで、トレンド情報をいち早くチェックするのが趣味。 入手困難なファッションアイテムとバズっている美容商品、スイーツには目がない。
サブスク配信と古着屋巡りで休日を満喫している。
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