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俳優としても活躍する“メンズノンノモデル”たちの本音に迫る、メンズノンノ2月号企画「それぞれのミライ」。誌面には未掲載の成田 凌のスペシャルインタビューをウェブ限定公開!
──幼少期の成田 凌は?
兄貴の後ろにくっついて遊んでいる子供でした。学校ではレクリエーションの時間に友達とコントをやったり、文化祭でステージに上がったり、今と同じでおもしろいことや楽しいことをするのが大好きでしたね。将来のことは何も考えていなくて、高校を卒業後の進路は仲のいい友人が美容師の学校に行くと聞いて「じゃあ俺も行こうかな」みたいな感じでした。
──自分の性格をどう思っている?
面倒くさがり。頑固、わがまま。この間も兄から「お前は昔から本当に頑固だった」と言われて。この仕事を始めるときも、かなり反対されても気にしませんでした。ただ、面倒くさがりな性格はどうにかしたいと思っていますね。家の電気が止まったりとか、生活に支障があるので(笑)。すぐ支払いを忘れてしまうから引き落としにすればいいんですけれど、僕からしたらその手続きがもう面倒。興味がないことにエネルギーを使うのが難しいんですよ。興味のないものに徹底的に興味がないから、例えば、撮影現場のお弁当も食べたくない。食に興味がないのではなくて逆にすごく興味があるから、出来合いのもので済ませたくない。なので最近は自炊するようになりました。せっかくの食事は食べたいものを好きなように食べたい。ところが、面倒くさがりだから作るのはよくても片付けができないっていう(笑)。
──メンズノンノモデルに応募した動機は。
専門学校生のときに、アルバイトをしていた洋服屋で今のマネージャーに声を掛けられました。話を聞くうち、人前に出る仕事もアリだなと思うようになって。それから東京コレクションのショー会場で、並んでいる僕らを尻目に有名人が「どうぞどうぞ」と優先的に案内されている様子を目撃した瞬間に「よし、自分も同じ土俵に立とう」と決めましたね。そのためには何がいいかと考えたら、“メンズノンノモデル”だと思ったんですよ。肩書きに箔が付く、というか世間的にまず注目されてから所属事務所を探せば、選択肢も多くなりそうだなと。そんな計画を現マネージャーにも相談したら「うちではない他の事務所に入ったとしても凌をずっと応援する」と言ってくれて。こんなに熱意を持ってくれる人はいないと思い、メンズノンノに合格した後にお世話になることにしました。
──俳優という仕事の醍醐味は?
正直、まだよくわかりません。やっぱりお芝居は難しいんですよ。正解がないので、台詞の言い方にもいろいろなパターンを準備して現場に臨むんですけれど、それが合っているのかどうかわからない。監督からOKが出ても、もっといい演技があったかもしれないと思ってしまう。難しいぶん、やり甲斐はあります。すごくフィットしている、と感じる瞬間があるんですよ。撮影現場にどんどんグルーヴが生まれて役者同士、アドリブにも余裕で対応できる“無双”状態のようになることが。あの何とも言えない喜びはもっと味わいたいなと思います。
──印象に残っている出演作は?
いろいろありますけれど、この3月に公開される映画『ニワトリ★スター』の現場は強烈でした。井浦 新さんと共同生活を送ってから撮影に入ったので完全に“無双”状態で、ひたすらに役を生きたという感じ。経験したことがない境地に達することができた気がします。
自信がなければ目立てない、目立てなければ上に行けない。
──仕事をする上で大切にしていることは?
何だろう。過信することですかね。自分はイケている、と心のどこかで思っていないと人前には立てませんから。自信がなければ目立てないし、目立てなければ上に行けない。そういう意味で、ある程度の過信が大事だと思います。それと、大切にするべき人をちゃんと大切にすることかな。地元の友人を泣かせるために芝居をしているところはあります(笑)。落ち込むようなこともありますけれど、落ち込んだままでは次に進めません。凹んでいるときに反省してもマイナス方向にしか行かないから、そんな日は考えずに寝ることにしています。夢を売る仕事なのに、マイナスな状態の姿は見せられないじゃないですか。凹む時間は極力、少なくするようにしていますね。こう見えて、実はいろいろと気にするほうなんですよ。心の中ではいつも「大丈夫かな…」と思っている、でもそんな気苦労もまた演技のベースになると信じています。この仕事が自分の天職だと。それもまた一種の過信ですよね。
──今後やってみたい役は?
殺人犯とか、派手でエキセントリックな人物を演じてみたくなりがちなんですよね。もちろんそういう気持ちはありますが、僕は“普通”の役をやりたい。普通の男の子が拳銃を拾って、それまでの平凡な生活が徐々に変わっていく… なんて、やってみたい。誰もが感情移入できるような人をちゃんと演じられる役者でいたいなと思います。
──最近、楽しいことは?
仕事では、リハーサルが楽しい。リハーサル後の、テスト撮影までの時間が好きなんです。「こんなパターンもあるな」「これを使ったらおもしろいかな」とか、家で台本を読んでいるときには思いつかない具体的なイメージが出てくるんですよ。あとは、新しい料理を覚えること。レパートリーが増えると嬉しくて。最近はレバニラと八宝菜をマスターしました(笑)。
──30歳、40歳になった自分を想像すると。
全くわかりませんね。どんな作品といつ出会えるかわからないし、どんな人といつ出会えるかもわからない。素晴らしい監督や共演者に巡り会うと価値観がガラリと変わってしまうことがあるので、先のことは本当にわからない。不安でもあるけれど楽しみでもあります。今やるべきことは、将来やりたいことができたときにスムーズにできるような環境を作っておくことだと思っています。やりたいことができる人生は、超楽しいじゃないですか(笑)。いろいろと面倒くさいこともありながら、結果的には超楽しいと思える人生を送りたいですね。
──2018年の成田 凌は?
2016年に蒔いた種がある程度、咲いたのが2017年でした。一つの目標を越えた感じはあるので、ここからがまた始まりだと思っています。次の段階は、役者として丁寧に生きることですね。責任感を持って作品に取り組み、自分の仕事に一つ一つ、ちゃんと“点”を打っていきたい。2018年は丁寧に頑張ります。
成田 凌 PROFILE
1993年、埼玉県生まれ。2013年にメンズノンノ専属モデルとなり、2014年に俳優デビュー。2018年も『ニワトリ★スター』『わろてんか』『コード・ブルー劇場版』と話題の出演作が相次ぐ。
Photos:Takemi Yabuki[W]
Interview&Text:Masayuki Sawada
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