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俳優としても活躍する“メンズノンノモデル”たちの本音に迫る、メンズノンノ2月号企画「それぞれのミライ」。「初めてのドラマ出演だった『コウノドリ』を超えなければ」──宮沢氷魚の決意、後編。
──モデルになって学んだことは?
二つあります。一つはカメラに慣れたこと。表情や姿勢ってモニターで見ると想像と全く違うので、自分がどう撮られたらどう写るのかをイメージできるようになりました。もう一つはオンとオフの切り替えですね。カメラの前に立った瞬間に気持ちを切り替えられるようになりました。ドラマの撮影でもすごく役に立っています。でも、『コウノドリ』の最初のころの現場はガチガチでした(笑)。間違えずに台詞を言うことに精一杯で、初日のことなんてほとんど何も覚えていません。しかも、いきなり志田未来さんとのシーン。子供の頃から見ていた女優さんでしたから、なおさら緊張しました。
──演技ならではの難しさは?
『コウノドリ』では3話、4話あたりになったら考える余裕が少しできて、「もっとこうしたい」という欲が出ました。出番が終わってモニターで確認したときに、イメージ通りになっていないことが悔しくて仕方ないんです。演技に対して自覚的になるほど、イメージと現実のギャップを納得できなくなってきました。まだまだです。俳優としての目標は、主演。バイプレイヤーで輝くかっこよさもよくわかっていますけれど、自分に向いているポジションを考えるためにも一度は主演を務めてみたいですね。
──やってみたい役は?
穏やかで柔らかい感じだよね、とよく言われるので、正反対の怖い役をやってみたい。知り合いから「氷魚はたまに目が怖いというか、命がない瞬間がある」と言われたことがあって。普段がこういう感じだから、ふと出た表情が際立って見えるのかもしれません。自分の中にある何かなのだとしたら、思い切り爆発させてみたい。
──自分で思う自分の性格は?
めちゃくちゃ負けず嫌い。表には全く出さないんですけれど本当はすごく負けず嫌いです。例えばメンズノンノモデルの誰かに大きい仕事が決まると「すごいなあ」と感心すると同時に「やばい、自分も頑張らなきゃ」と焦ります。一人でできることは限られていますし、タイミングや巡り合わせもあります。それでも「先に行かれた」と感じちゃうんですよ。
悩みは誰にも相談しません!
──悩みは誰に相談を?
どんなに近い人にも悩み相談はしません。演技に関する疑問などは先輩によく聞きますが、もっと曖昧な悩みとか将来については誰にも。人に話して解決してもらったとしても、それは他人のスタンスで解決したのであって、克服したことにならない気がします。自分自身で悩みの根本と向き合うのは苦しくて正解もなかなか出ないんですけれど、自ら考えて答えを出すことを大事にしたいと思っているんです。煮詰まってしまうこともあります。全ての人に好かれはしない、と頭で理解していても周囲の反応を気にしてしまったり。でも役者としては無反応が一番怖いんですよね。『コウノドリ』で、不謹慎な発言をした僕がビンタされたシーンには「最低」みたいな感想がツイッターにいっぱい書かれました。嫌われるように意図した演技だったから、それはうまくいった証拠だと思って嬉しかったですね。
──将来像は?
英語を話せるので、いつかは海外で仕事をしたい気持ちがあります。海外の映画やドラマにアジア人の役ってそんなにないですよね。あってもサムライとか忍者とか妙に真面目なキャラクターだったり。そして日本人の役を日本人ではない俳優がやっていたりして、もったいないなと。日本の役者として、そういうところにもチャレンジできるようになれたら。
──今、楽しいことは。
最近は野球観戦です。球場で周りの席の人たちと盛り上がり、仲良くなるのが楽しい。俳優という仕事はいろいろな人に出会って話をする機会も多いから、その訓練というほどではないですけれど、たまたま隣り合わせた人に話し掛けて一緒に応援するんです。そのまま試合後に飲みに行くこともあります。子供の頃はあんなにシャイで、人と話したり人前に立つのが苦手だったのに… 随分と変わるものですね(笑)。
宮沢氷魚 PROFILE
1994年、アメリカ生まれ。2015年よりメンズノンノ専属モデル。2017年より俳優活動をスタート。現在はドラマ『トドメの接吻』に出演中。
インタビューの前半は発売中のメンズノンノ2月号に掲載しています
Photos:Teppei Hoshida
Interview&Text:Masayuki Sawada
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