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俳優としても活躍する“メンズノンノモデル”たちの本音に迫る、メンズノンノ2月号企画「それぞれのミライ」。「人見知りだしネガティブだし、モデルも向いていないと思っていました」──そんな清原 翔が俳優を目指すようになった理由は…。
──モデルの仕事で印象深いものは?
初めて呼ばれたファッション撮影はパリコレにも出演しているモデルの山下翔平さんと一緒でした。「服を着て立つくらいならば、できそう」なんて考えがあったんですけれど、いざとなったら全くできませんでしたね。ボロボロ。山下さんの動きが本当にかっこよくて、モデルという仕事の難しさを思い知りました。のっけから鼻っ柱をへし折られた折られた感じ。でもそれがよかったなと今では思います。
──俳優業を意識したきっかけは?
坂口健太郎くんや栁 俊太郎くんが俳優の仕事をしていたから、チャレンジできるんだなと感じていました。もともと憧れていたので挑戦せずに終わるのは嫌だなと思うようになって。そんなときに芸能事務所から声を掛けられ、所属することになりました。どんな俳優になりたいかは、やってみないとわからないと言っていましたね。事務所としては売り込みづらかったでしょうけれど、具体的な俳優像を本当に思い描けなかったんです。
──実際に俳優をやってみて。
当初は演技があまり求められない仕事が多かったのが、あるドラマで台詞のある役をもらえて。ものすごく緊張しましたね。映像の撮影はスタッフの数も多くて、「こんな大勢の中でやっていけるのか…」と不安になりました。持って生まれたネガティブ思考です(笑)。手応えを感じることができたのは、「アクエリアス」のCM出演から。演技も必要なCMで自分としてはかなり大変な撮影だったので、出来上がりを見て「こんなふうになるんだ!」という喜びがありました。
清原がいつも緊張するもの、
それは“ドライ”。
──今、やりたいことをできている?
はい、お陰様で今のところは。CMだったりミュージックビデオだったり、短い時間で何かを伝える作品が好きなので、そういったものに出られている状況が嬉しいです。
──影響を受けているものは?
映画『HiGH&LOW』で、僕の役のチームのトップを演じていた山田裕貴くんの現場での振る舞いを見て、この人は凄いなと思いました。後ろのほうに映る人たちにも声を掛けていたんです。そういう姿勢が素晴らしくて、憧れてしまいましたね。作品では、西川美和監督の映画『ゆれる』が大好き。特に、香川照之さんの演技。いつかああいう作品に出てみたい。
──難しいと感じることは?
カメラなしのリハーサルを“ドライ”というのですが、そこで初めて見せることになる自分の演技に、いつも緊張してしまいます。自分なりに考えて臨むけれど、全然違ったらどうしよう… という怖さですね。反対に楽しいのは、自分自身では言えないことを言ったり、できないことを役としてできること。あと、完成したものを観ることも。編集され音楽やCGがついて仕上がった作品を観るのはやっぱり楽しい。
──人生で大切にしていることは?
人との関わりを大事にしたい、と思っています。人見知りなので簡単にはいきませんが、撮影現場にいる人たち全員に話し掛けられるくらいになることが理想ですね。
──悩んでいることは。
感情表現が豊かなタイプではないので、感情を出す演技をどうすればいいか悩んでしまうんです。訓練で変えられると思うので、頑張りたい。自分の長所を履歴書にまともに書けたことがないんですよね。「背が高い」とか(笑)。「運がいい」も書いたことがあります。以前の僕から考えたら、人前に出て演技をして、桐谷美玲さんと共演できるなんて想像もできないこと。どう考えたって運がいい。
──どんな俳優になりたい?
ふわっとした言い方になってしまうんですけれど、「存在が気になる」俳優になりたい。絶賛されるような演技ができなくても、そこにいるだけで役が成り立つような俳優になれたら。そのためにはいろいろと見たり経験したりが必要と思うので、知らなかったことにも積極的にチャレンジするようにしています。夢は──子どもの頃に観て、強烈に印象に残り続ける作品ってありますよね。ドラマでも映画でもCMでもいい、誰かの記憶にずっと残るような作品に出たい。俳優としてそういうものに一つでも多く参加できたらいいな、と思います。
清原 翔 PROFILE
1993年、神奈川県生まれ。大学在学中の2013年にメンズノンノ専属モデルに合格。2015年より俳優活動をスタート、現在公開中の映画『リベンジgirl』などに出演している。
インタビューの前半は発売中のメンズノンノ2月号に掲載しています
Photos:Teppei Hoshida
Interview&Text:Masayuki Sawada
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