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成田 凌さん
俳優
1993年11月22日生まれ、埼玉県出身。2014年に俳優デビューし、数々の話題作に出演。21年6月までメンズノンノモデルとして活躍する。現在、映画『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』が公開中。12月20日には映画『【推しの子】』の公開も控えている。
「見終わった後、彼の不在に寂しさを感じてもらえたとき、役が完成する」
今年デビュー70周年を迎える伝説の漫画家、つげ義春の短編『雨の中の慾情』が衝撃の映像化。原作をもとに男女の奇妙な三角関係を描く幻想的なラブストーリーに世界観を拡張している。主人公の売れない漫画家・義男を演じるのは成田凌。友人・伊守の恋人である福子に想いを寄せ、絶えない愛とその裏に抱える寂しさを、色気とともに演じる姿につい見とれてしまう。
「義男は普通のこと、当たり前のことができない不器用な男。中村(映里子)さん演じる福子への想いに動かされ続けている人物です。愛情はもちろんなんですが、彼女と森田(剛)さん扮(ふん)する伊守との恋人関係に対する嫉妬も原動力。取材用に書き留めていた撮影当時のメモを見返しても『嫉妬』という文字ばかり書いてあって(笑)。彼が取る行動からいろいろな人物像を描けると思いますが、僕がめざしたのは、ままならないイヤなことを味わいながらも、優しさを忘れない人。劇場を出た後に、『ここに義男がいないのが寂しい』と思ってもらえるように演じられたら、この役は完成すると思いました」
シュールレアリスムを描く冒頭の原作部分が終わってから、映画『雨の中の慾情』は始まると言っても過言ではない。物語が進むにつれて、登場人物の感情と人間味の解像度が上がり、彼らが歩む奇妙で美しい物語を体験できる
「すべてのスタッフとキャストが全力で撮影に挑んでいました。同時に、少しでも気を抜いたり油断したりするとバレてしまう現場でもあって、それが俳優として心地よかった。多くの場面を台湾に現存する、雰囲気ある家や風景で撮っていて、とにかくどのシーンも画力が強いんです。義男の部屋の中など、作り込みも圧巻なので隅々まで観てほしい。将来、『この作品を観て俳優を、監督をめざしました』なんて方が現れたら、夢みたいですね」
INFO
『雨の中の慾情』
売れない漫画家の義男(成田凌)は、自称小説家の伊守(森田剛)と、大家の手伝いに駆り出される。そこで出会った妖艶な魅力の福子(中村映里子)に惹(ひ)かれるが、福子は伊守と恋人関係に。福子へのついえぬ想いを抱えたまま、義男は2人と奇妙な共同生活を送ることになり……。
●11月29日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
©2024「雨の中の慾情」製作委員会
Photo:Teppei Hoshida Hair & Make-up: Ai Miyamoto[yosine.] Stylist:Shogo Ito[sitor] Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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