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現在、大ヒット上映中の映画『八犬伝』に我らがメンズノンノモデルの鈴木仁が出演。本作は作家・滝沢馬琴と画家・葛飾北斎の交流を描いた「実」の世界と、宿縁に導かれた八人の剣士の戦いを描く「虚」の世界の異なる二つのストーリーを交差させた山田風太郎の小説『八犬伝 上・下』を実写映画化したものだ。鈴木が演じるのは八犬士のひとり犬川荘助。初めて挑んだ大型アクションへの想い、役作りから撮影秘話まで、ざっくばらんに語ってもらった。
鈴木仁『八犬伝』インタビュー
荘助は無駄を省いたような人物。
立ち居振る舞いを意識
――犬川荘助役での出演が決まった時の感想をお聞かせください。
殺陣をやれることがすごく楽しみでした。大型アクション作品に出るのも初めてだったので、どんな感じになるのかワクワクしましたね。あと、荘助は八犬士のひとり犬塚信乃を慕っていて、その信乃役を（渡邊）圭祐くんが演じていたのも大きかった。事務所も一緒だし、プライベートでも仲の良い圭祐くんが相手ということで安心して挑むことができました。
――荘助を演じるにあたって、意識されたことはありますか？
立ち居振る舞いを意識しました。八犬士はみんな剣術に長けて強い。ただ、自分が演じた荘助は特徴といった特徴がないキャラクターなんです。たとえば、火を操る道節だったり、パワーで人を投げ飛ばせる小文吾だったり。そういった特技もない。荘助は基本を大切にする、無駄を省いたような人物だと思っていて。必要最低限でちゃんと自分のことを守ったり、人を思い遣ったり。そこの軸をブラさずに演じることを心がけました。
――荘助の人物像をちゃんと掴んでいらっしゃいますね。撮影に入る前に「八犬伝」に関する他の作品などをご覧になられたりしましたか？
制作スタッフが用意してくれた一人ひとりの概要が書かれた資料はしっかり読みました。「八犬伝」関連の作品っていろいろありますが、丸々一冊を読み込むというよりは、自分の中で読みたいところを抜粋して読んだという感じですね。
撮影に入る前に、アクション練習の期間があったんです。荘助の立ち居振る舞いも、このアクション練習からインスピレーションを得たのが大きいですね。他の八犬士のことも、頭だけで理解して急に撮影に挑むのではなかったのもよかったのかと。もちろん脚本を読んだ時点で想像はできるけど、それを誰が演じるかによって、また変わってくるじゃないですか。それをアクション練習で感じることができたので、だからこそ“荘助”っていう人物像を頭でも身体でも理解するのが早かったのかもしれないですね。
見どころは八犬士が揃って戦いに行くシーン
――八犬士の息がぴったりあっているように感じたのも、アクション練習があってこそなんですね。
そうですね。ここで八人の仲が深まったと思います。みんなで集まって練習していたので、自然とお互いの技を覚えちゃったりして。派手なアクションで現八と信乃が死闘を繰り広げるシーンがあるんですけど、自分は現八の十手の型を見て全部覚えていたので、圭佑くんの練習相手をずっとしてました。撮影が二年近く前なので、今はすっかり忘れてますが（笑）。懐かしいなぁ。
――ちなみにアクションで大変だったり、印象に残っているシーンはありますか？
アクションシーンは全部大変でした。アクションではないんですけど、印象に残っているシーンがあって。八犬士が初めて全員揃って「犬〜です」って自己紹介するところ。みんな苗字に「犬」が入っているんですけど、自分の苗字がわからなくなるんですよ。「あれ？ 俺なんだっけ？」って。俺は二番目だったので大丈夫だったんですけど、後半になっていくとごちゃごちゃになっていく。「みんな迷ってるなぁ」って思いながら見てました（笑）。
――自己紹介シーンは注目ですね！ 他にも、ここ見て欲しいという八犬士のシーンはありますか？
八犬士が揃うシーンは見ていて気持ちがいいので注目してもらいたいです。一人ひとりのエピソードが繋がって、紆余曲折ありながら最後に揃って戦いに行くシーン。今作の見どころであり、重要なポイントだと思っています。
身体を動かしてストレス解消！
格闘技にハマってます
――荘助の凛とした姿がカッコいいなって思ったのですが、身体面で何か特別なことをやられたりもしました？
体重を上げました。上半身が細いので剣士としてカッコがつかないなと。で、8キロ増やしましたね。逆に上げすぎちゃうと、現八や小文吾のようなパワー系のキャラクターに見えちゃうので、自分の身長（184cm）においての標準体重にしました。一日5食にして、キックボクシングに通って。健康的に増やしました。すごく大食いではないんですけど、お腹が減りやすいので意外と苦じゃなかったです。日頃からよく動いているので、多分消費エネルギーが多いんでしょうね。お腹が減るタイミングも早いんで、そのタイミングで食べてたら5食がちょうどよくて、うまく増量できてました。
――役で上げた体重は戻されたんですか？
完全には戻してないです。8キロ上げて、3キロ落としました。正確にいうと9キロくらい増えてたのかも。撮影に入る時は63キロで、今は69キロだから、プラス6キロですね。今の体重がベスト。上半身と下半身のバランスがちょうど良くなったと思います。
――キックボクシングに通われてるとのことですが、今作の役作りを機にスタートしたんですか？
いや、前から習っていて。昔から格闘技を見るのもやるのも好きで、キックボクシングを始めたんです。最近、アマチュアの知り合いに「蹴りで距離が取れるから、ボクシングもやったらどう？」って勧められたので、ボクシングを始める日も近いかも。
とにかく身体を動かすことが好きなんです。休日も格闘技三昧。筋肉痛で疲れたぁってなってても、行くと動けるし楽になるんですよね。
――休日も格闘技ですか!? 何かリラックス方法は？
うーん……。リラックスで言うとお風呂ですね。でも、気分のリフレッシュで言うと、断然身体を動かすこと！ 脛とかアザになってたりするんで、確実に身体的ダメージは負ってますが（笑）。その疲れを癒すのがお風呂ですね。
そうそう！ この前、整体に行ったら「背筋、発達してない？」って言われたんです。整体師さんがプロのアスリートや格闘家などを診ている方で。そんな人たちを診ているからこそ、わかるらしい（笑）。
――すごい！ じゃ、長期の休みが取れても格闘技三昧ですか？
旅行はしたいですけどね。でも、、旅先でもジムに行ってしまうかもしれません（笑）。
『八犬伝』
監督・脚本：曽利文彦
原作：山田風太郎
出演：役所広司、内野聖陽、寺島しのぶ、黒木華、磯村勇斗、土屋太鳳、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人
大ヒット公開中
配給：キノフィルムズ
STORY
江戸時代の人気作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎に、構想中の物語「八犬伝」を語り始める。里見家にかけられた呪いを解くため、八つの珠を持つ八人の剣士が、運命に導かれるように集結し、壮絶な戦いに挑むという壮大にして奇怪な物語だ。北斎はたちまち夢中になる。そして、続きが気になり、度々訪れては馬琴の創作の刺激となる下絵を描いた。北斎も魅了した物語は人気を集め、異例の長期連載へと突入していくが、クライマックスに差しかかった時、馬琴は失明してしまう。完成が絶望的な中、義理の娘から「手伝わせてほしい」と申し出を受ける──。失明してもなお28年の歳月をかけて書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとは……。
ジャケット￥148,500・パンツ￥55,000／コッキデザイン事務所 シャツ(リバーバレイト)￥31,900／イーライト
問い合わせ先
イーライト：03-6712-7034
コッキデザイン事務所：03-6300-5822
Photos:Wataru Yoneda Hair & Make-up:NOBUKIYO Stylist:Yoshiaki Komatsu Interview & Text:Mayu Yamamoto
山本真由
エディター
出版社の編集を経て2018年に独立。ライフスタイル、カルチャー、ファッションなど、ジャンル問わずにさまざまな紙媒体、WEB媒体で執筆・編集を行う。
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