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韓国の注目俳優、カン・ヒの独占インタビュー後編は、現在の活動にクローズアップ。俳優業の傍ら画家としても活躍しており、ロンドンのギャラリーや東京の展覧会で作品が展示されるほどの腕前。作画のアイデアから画家として感じているジレンマ、ストレス発散法にスキンケアのこだわりまでをじっくり語ってくれた。
Kan Hui SPECIAL INTERVIEW
――俳優業のかたわら、画家としても活躍しているカン・ヒさん。絵を描くことは昔から得意でしたか?
実は、僕の母親は絵の先生なんです。お母さんが絵を描くのを見て育ったため、僕も物心がついた頃から絵を描くように。自分の才能の一つだと思っていたので、いつか個展を開くことを目標に、作品を描き溜めていました。
2019年にアマチュア画家のコンテストに応募したところ賞をいただき、2021年に韓国のロッテワールドで開催された展覧会で、初めて僕の作品が展示されました。ロンドンのギャラリーや東京のアートフェアでも、作品を展示していただいたことがあります。
――作品のテーマやアイデアは、どのように得ていますか?
昔は日常で頭に浮かんだことを気ままに描いていたのですが、画家として活動するようになってからは作品をどんどん生み出さなければならず、頑張ってアイデアを絞り出しています。これが難しくて…1日中キャンバスの前に座っていても、何も描けないことがあるんですよ。
――絵を描くことの楽しさは?
モデルや俳優の仕事は個人でできることがないので常に受け身の状態ですが、絵を描く作業は、その真逆。自分の好きなように表現できるし、自分で責任を持って作り上げる作業を通じて、主体性が高まったとも感じています。個展を成功させるという目標を達成し、自信もつきました。
一方で、作品が他人に評価されることによって、本来の絵を描く目的を見失っているんじゃないか?というジレンマも感じています。もちろん高く評価していただくのは嬉しいのですが、意見を聞いたり目にしたりすると、少なからず影響を受けてしまうから。自分が本当に描きたいのは何なのか?と、自問自答を繰り返しています。
――考えることに疲れてしまった時は、どうしていますか?
最もストレスを感じるのは、頭の中がごちゃついている時です。特に、自分ひとりではどうにもならない人間関係の問題を抱えている時かな。でも、悩み抜く中でインスピレーションを得ることもあるんです。それが絵になることもあれば、お芝居の幅を広げてくれることも。だから、あまり悪いことだとは思っていなくて。思い切り悩むようにしています。
悩んでもどうにもならない時は、友達と飲みに行って発散します。最近は忙しくて、なかなか行けないのですが。せっかく誘われても断ることが多く、それがストレスの原因になることも…(苦笑)。それから、些細な満足感を得られることを楽しんでいます。子供の頃に憧れていたことをやってみたり、欲しかったものを手に入れてみたり。最近は『新世紀エヴァンゲリオン』の漫画を全巻まとめて購入しました。勉強のために日本語のものを買ったのですが、難しくて全く理解できません(笑)。
――俳優や画家としての活動を、諦めかけたことはありますか?
それぞれにポジティブな感情もネガティブな感情もありますが、諦めようと思ったことは一度もありません。過去の自分と比べて、今の自分の方が確実に良い方向に向かっているので。このまま突き進む価値があると感じています。
――今の自分が良い方向に向かっているかどうかは、どのように判断しているのでしょう。
僕は多分、人よりも考えすぎてしまうタイプで…自分の成長について考えるのが習慣になっているんです。仕事に限らず、普段の生活面でも、定期的に自分の変化を振り返って評価しています。最近あった変化は、景色を楽しめるようになったこと。景色を見て心から美しいと思えるようになったことも、一つの成長だと感じました。思慮深い割に、楽天的なんです(笑)。
――少し話が逸れますが、スキンケアのこだわりはありますか? 肌がとても綺麗なので。
本当ですか? 嬉しいです。敏感肌ですぐに荒れてしまうから、悩みが絶えないんですよ。こだわりは、肌への刺激を最小限に抑えること。メイクをしていない日は、洗顔フォームを使わず水洗いしています。洗顔フォームは緑豆の成分が入っているものを、基礎化粧品は低アレルギー性のものを愛用。8歳下の妹がコスメに詳しいので、アドバイスをもらっています。
――挑戦することに不安を感じたり、なかなか自分に自信が持てずに悩む人に向けて、カン・ヒさんならばどんなアドバイスをしますか。
自分もまだ成長過程ですし、人にアドバイスできる立場ではありませんが…やりたいことがあれば、とりあえず挑戦してみることが大事だと思います。やりたいことがなければ、自分が何をしたいのか、どんな目標に向かっているのかを徹底的に考えてみる。正しい答えのないことについて考えるのは辛い作業ですが、決してマイナスにはならないはずです。
僕もいまだに同じようなことで悩みますし、きっと不安や自信のなさは一生を通じて僕らにつきまとうでしょう。だからこそ、そんなに深刻に捉えなくても良いのかな、とも思うんです。どんな選択をしても、将来また新たな壁にぶち当たる。ならば、目の前のことに悩み続けることよりも、自分を信じて一歩を踏み出すほうが効率が良いですよね。成功すれば達成感を得られるし、もし失敗したとしても学びを得られる。僕は、そう信じて挑戦を続けています。
Kan Hui PROFILE
カン・ヒ
1991年11月19日生まれ、韓国・麗水市出身。高校を卒業後、モデルとしてコレクションショーやファッション誌、広告などで活躍。2016年、WEBドラマ『恋のドキドキスパイク』で俳優デビュー。『The King in Love』(2017年)、『知ってるワイフ』(2018年)などを経て、2020年に『エンディング アゲイン』でドラマ初主演を果たす。2022年、テレビ東京で放送された『冬すぎて桜』で主役チョ・テソンを熱演。現在はバラエティ番組『魔法のランプ』に出演するほか、画家としても活動中。11月30日(土)、東京でファンミーテインングを開催予定。
ニット¥149,600・シャツ¥127,600・パンツ¥97,900・マフラー¥69,300・靴¥174,900/マルニ ジャパン クライアントサービス[TEL : 0120-374-708] 靴下/スタイリスト私物
Photos : Teppei Hoshida Hair&Make-up : Yumiko Chugun Stylist : Yoshiaki Komatsu Interpretation : Inae Pak Interview & Text : Ayano Nakanishi
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